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ジーンズの国内市場についての考察

日本国内のジーンズ専業メーカーのニュースを見ていると暗いニュースが少なくありません。エドウィンの債務超過によるADR申請、リーバイスジャパンの連続赤字と売り上げの減少、ボブソンの倒産(破産)等、代表的なジーンズブランドを販売している会社で特に目立ちます。

この様なニュースを目にすると、”日本国内のジーンズの市場は減少を続けている”、”消費者のジーンズ離れが進んでいる”、”ジーンズの時代は終わった”、と言った様な印象を持たれる方も少なくないのではないかと思います。

ところが、矢野経済研究所が毎年行っている”ジーンズカジュアル市場に関する調査”によると、2012年の国内のジーンズ市場規模は前年比100.8%の1兆1,588億円で減少ではなく微増となっています。市場規模の推移を見ると2003年から2008年までは上昇基調が続き、2009年、2010年下落に転じてその後ほぼ横ばいの傾向となっています。

ソース:矢野経済研究所
それでは、なぜ主要ジーンズ専業メーカーは不振なのか?これに対する一つの要因は、ユニクロの台頭とイオン等のGMS(総合スーパー)が格安の自主企画商品(PB)を販売し、ジーンズ専業メーカーの顧客を奪って成長してきているとの見方があります。

ジーンズの市場はここ数年、拡大はしていないものの1兆円を超える大きな規模があります。また、ジーンズは501を代表としたスタンダードな製品が広く受け入れられる市場の特徴があります。これは、”スタンダードなデザインで良い品質のものを値ごろな価格で販売する”ユニクロの製品戦略が非常にうまく当て嵌まる市場です。

比較的良質な生地、きちんとした縫製でスタンダードなデザインの廉価なユニクロのジーンズは消費者から支持され、後発でありながら、伝統ある専業ブランドを追い抜き、今や国内のトップのマーケットシェアを獲得しています。ユニクロの販売数量は年間1000万本を上回っているそうです。

この様に国内のジーンズ市場を見ると、ユニクロの躍進の影に伝統的なジーンズ専業メーカーの不振と言った構図が浮かび上がります。

実際、市場の状況がそうであることに異論はありません。ただし、少し違った観点で市場の状況を考えてみたいと思います。

まず、第一点は平均単価の低いユニクロがシャアを伸ばしている中で、金額ベースの市場規模が変わっていないことです。市場での販売数量が変わらないのであれば、平均単価が安いユニクロがシェアを伸ばせば、全体の金額ベースでの市場規模は減少するはずです。つまり、本数ベースでの市場が少なくとも同程度か伸びている事を意味しています。

第二点は、破産したボブソンの2010年の売り上げは10億円程度で全体の市場から見ると金額ベースで0.1%以下のシェアとなり、かなり小さいことです。ボブソンは知名度はありますが、01.%以下のシェアでは市場における存在感はほとんどないと言えます。つまり、伝統あるブランドのジーンズメーカーのボブソン破産と言うと、印象的には衝撃がありますが、全体の市場から見ると大きなインパクトはないと言えます。

次に、エドウインについては、既に別の記事でも書いておりますが、今回の債務問題は、本業の不振によるものではなく、投資事業の失敗によって巨額の損失を被った事が主な原因です。

エドウインは国内ではLeeとWranglerの商権を持っています。Leeについては、かなり成功している様で、評判も非常に良いです。完全復刻シリーズについては、ウェアハウスと組んで取り組んでいるものは特に評価が高い様です。また、社員の質も高く、優秀でやる気のある社員が多いそうです。

3000円台の価格帯のジーンズはユニクロの独壇場だと思います。この価格帯は専業メーカーがどんなに頑張っても勝ち目はありません。ジーンズ専業メーカーの勝負どころの価格帯は5000円から8000円の間で、ユニクロではファッション性やデザイン、ブランドイメージが物足りないと考える層がターゲットです。

エドウィンの売れ筋の503は5000円から8000円程度の価格帯で、最適の価格帯と商品構成をとっていると思います。さらに上のプレミアムの価格帯にはLeeを用意しています。つまり、5000円以上のユニクロが強くない価格帯において、非常に強力な商品のラインナップを持っていることになります。

エドウインの債務超過額は500億円を超え、年間の売り上げを上回る巨額なものでありながらも、支援に名乗りを上げている企業が複数いるのは、エドウィンの本業の市場でのポジション、将来性共に有望であると考えていることの表われだと思います。上に書いた様に、価格帯と商品構成、ブランドのポジショニングとも非常に的確で強力な陣容を誇っています。

問題はリーバイスジャパンです。リーバイスと言う伝統あるジーンズの世界において、絶大なるブランドを持っていながら、年間100億を下回る売り上げにまで落ち込み、赤字が続いています。米本社の売り上げ円換算で約4500億円相当と比べると、信じられない程の低レベルな売り上げです。

日本の市場の特殊性、ユニクロと言う強力な低価格ジーンズのメーカー、高価格帯には日本のレプリカブランドがあり、非常に強力な競合メーカーと戦わなければならない状況にあるとは言え、売り上げ、採算ベースでは明らかにパフォーマンスが悪いと言わざるを得ません。

また、製品の商品構成、価格帯、販売戦略についても、市場のニーズから外れている様に思います。1万円を上回る価格帯のジーンズの購買層は、ジーンズに対してこだわりがあります。その購買層のほとんどは、レプリカに流れてしまっていると思います。

リーバイスにこだわる層は復刻を購入します。上に書いた様に、5000円から8000円の間の価格帯はユニクロと競合せずに、ある程度の市場性がある価格帯です。この価格帯に魅力のある製品を用意すべきです。ここがレギュラーのスウィートスポットの価格帯だと思います。この価格帯には米国モデルの501や505がまさにうってつけです。

エドウィンの503より少し上の価格帯に例えば米国モデルの501を用意すれば、かなり良い線行けると思います。別に、米国モデルでなくても日本企画の501でもかまいませんが、コストパフォーマンス、コストバランス、価格競争力を考えれると米国モデルをそのまま使用する事で、リーバイス米国モデルの量産効果を利用でき、コスト削減にもつながります。

リーバイスジャパンが現状の様な1万円以上のところに焦点を当てた価格戦略をとっている限り、エドウィンは安泰だと思います。このままの状態が続けば、5000円以下の価格帯はユニクロ、5000円から10000円の価格帯はエドウィンの2大メーカの独壇場となります。

1万円以上の価格帯=ジーンズ愛好家の選択肢は、国産レプリカブランド、Lee復刻、リーバイス、ディーゼル等のユーロデザインジーンズ等があり、ユーザーのし好も様々です。この中で現在のリーバイスが抜きん出た競争力を発揮できるとは思えません。

リーバイスは1万円以下の価格帯に強力な製品を投入すべきだと思います。これにうってつけなのが、米国モデルの501です。

あくまでも一人のリーバイス・ファンの個人的な意見ですが、リーバイスジャパンが窮地から復活する上での切り札は、今回の新仕様の501シュリンクトゥフィットだと思っています。

リーバイスジャパンの復活を祈っています。

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