前回、前々回のエントリーで米国流通の501STFが仕様変更となった事、新仕様の501STFは日本で販売される可能性の兆候について書きました。
今回は米リーバイス社とリーバイスジャパンの状況について分析し、僭越ながら、さらにジャパンへの提言を書きます。
リーバイスジャパンは米リーバイス社(LEVI STRAUSS & CO.)の子会社です。平成24年11月期 決算短信によると米リーバイス社はジャパンの株式の83.59%を保有しており、リーバイス社が保有していない残りの株式をジャスダックに公開しています。
リーバイスジャパンの業績を過去に遡って見てみると2000年代の前半は比較的堅調で2005年には売り上げ298億円に達し、その後、業績が低迷しています。
特に2011年以降は売り上げ100億円を切っており、2005年度と比べると売り上げが三分の一以下にまでなっています。純利益も2009年以降は赤字が続いています。
業績を見るとリーバイスジャパンがかなり厳しい状況にあることが分かります。
”リーバイスは落ち目の会社。昔は凄かったけど今はダメ。”と言う印象を持っても不思議はありません。
ジーンズはアメリカ文化の象徴の一つです。2003年に米リーバイス社は、業績低迷のため米国内の工場を全て閉鎖したニュースは、かなりショッキングな出来事として世界中に報道されました。
ジーンズの元祖であるリーバイスもダメなのか?と言う疑問が浮かびます。
リーバイス本社の業績を見ると、90年代の後半から2000年代の前半は業績が低迷し、赤字続きでしたが、2000年代半ば以降、業績は安定回復となり、比較的堅調です。
世界的、または米国中心に見た場合、リーバイス社自体は別に落ち目でもなく、そこそこの線を維持していると言えます。
米リーバイスのオンラインストアのコメントでも以前は否定的なコメントが(米国の場合、不満があるとガンガン言う人がいます)目についたのですが、最近は好意的なコメントが圧倒的に多く、しかもその中に若い人もいます。
米国内で流通するジーンズは100ドル以下がほとんどです。501は50ドルから100ドルの間の価格帯にあり、比較的高い方ですが、100ドル以下のジーンズの中ではやはりブランド、品質、デザイン的にもバランスが取れており、コストパフォーマンスを含めて競争力はあると思います。
(関連記事:アメリカの日常生活から見たファッション事情)
リーバイス本社の2012年の売り上げは約47億6千万ドルです。1ドル100円で単純換算すると4760億円に相当します。
ジャパンとの売り上げを比べてみると50倍近くあります。率直に言って、日本の売り上げ比率が異様な程低いことを示しています。
リーバイスジャパンでは社長の交代やそれに伴う変更、一部資産の処分等が行われていますが、数字を見る限り好転している様には見受けられません。通常、これだけ業績不振が続いている場合、大幅なリストラ等の改革を迫られることは避けられません。
しかし、親会社の業績が比較的堅調であるため、子会社のジャパンの業績が悲惨な状態でも大幅なリストラ等の大鉈をふるわれずに済んでいるとも言えます。
日本国内のジーンズの市場規模は過去10年間、コンスタントに1兆円を超えています。トレンドとしては2008年までは上昇傾向、2009年以降、若干の縮小のトレンドが続いていましたが、2012年は前年比で微増の1兆1588億円でした。(矢野経済研究所の調べ)
このジーンズの国内の市場規模は小売り金額ベースのため、代理店等を通じて主に販売しているリーバイスジャパンの売り上げと単純には比較できませんが、100億円を下回る売り上げはシェアとしても数%程度と思われます。
ジーンズの元祖のブランドであるリーバイスのシェアとは思えない程、低いと言えます。
日本のジーンズ市場自体はそれなりに大きな規模(一兆円を上回る市場は巨大と言えます)があり極端な縮小傾向も無く安定している状況の中で、リーバイスジャパンの業績は不振が続いている事になります。
リーバイスジャパンの業績不振は、市場自体の問題ではなく、他に問題があることを示しています。
日本のジーンズ市場では、ユニクロがシェアのトップで年間1000万本以上の販売実績を誇っています。価格は3000円前後です。ユニクロは生地も作りもそれなりなので、コストパフォーマンスは非常に高いです。そして、高価格帯のジーンズでは、多くの人がレプリカブランドを支持しています。
リーバイスジャパンが取り扱う501は価格は1万円を超えています。(アウトレットやセールはここでは考慮していません。)また、LVCについては2万円を大きく超える価格帯になります。
リーバイスのレギュラージーンズの価格帯は、ユニクロに比べると4倍程度以上あり、価格競争力の点で弱いです。
しかし、伝統ある501のブランド、アーキュエットステッチ、赤タブ、と言った伝統ある特徴をそなえるリーバイスには大きな付加価値と魅力があると思います。そのためリーバイスを支持する層は、依然として少なくないと思っています。
ここでもう一つの問題は、リーバイスが好きな人の中でリーバイスジャパン企画ではなく米国流通の501を購入する人も少なくないことです。
米国ラインの501は、並行輸入の形で販売している店が少なからずあります。ロングホーンインポートもその内の一つですが、楽天やYahooのオンラインストアやアメ横等の店舗でも取り扱っており、比較的手軽に入手できます。
私がもし日本に住んでいて、ジーンズを購入するとしたら、多分、米国流通の501を購入すると思います。これは価格面だけでなく、リーバイスジャパンの取り扱う501が自分にとってはあまり魅力的に思えないからです。
リーバイスジャパンの501は、伝統ある501に必要以上にモディファイがされている気がします。2013年モデルの発表時に、「ジーンズ生誕から140周年、501®が変わる。」のコピーを見た時には唖然としました。
主な変更点はシルエットです。スキニーに近いシルエットになっています。パッチは高級感を持たせるためか革製のパッチ(以前からジャパンの501はそうです)。過度に強調されたバックポケット部のステッチライン。そして、生デニムはおろか未洗いの防縮加工すらない加工デニムオンリーのラインナップ。
(追記:ここでスキニーに近いシルエットであると書いておりますが、実際はそうではありませんでした。
関連記事:リーバイス 501 2013年モデル シルエットの考察
また、2014年8月に生デニムを使用したモデル、品番501-1931が追加されました。)
このモデルに伝統ある501の名前を付けられてることに対して、非常に強い抵抗感を感じました。別の名前の製品であれば、全く問題はありません。この様に感じた長年の501ユーザーは少なくないと思います。
このシルエットを好きな人もいます。実際にツイッターのやりとりでも、このシルエットをとても気に入っているとおっしゃっていた方がいました。
製品としてこの様なジーンズを提供する事は賛成です。支持する人もいることでしょう。しかし、これに501の名前が付けられ、上の様なキャッチフレーズを使われる事に大きな戸惑いと抵抗を感じます。
501は基本的に変わらないところが501たる所以だと思います。”ジーンズの元祖・原点”、”永遠のスタンダード”、”超定番”と言う様なところが501の根幹にあるアイデンティティだと思います。
それを”変える”と言うキャッチフレーズまで使用して強調する意図、理由が私には理解できません。501と言う類希な歴史的にも価値ある品番、ブランドイメージを貶めている様にしか思えません。
これがリーバイス全社的な方針であれば、まだ、少しは理解できる部分もあります。(個人的には承服はしません)しかし、この様なアナウンスは米国ではされていません。
また、米国では依然として、1950年代以降使用されてきた紙の素材のパッチ、生デニムのモデルが中心です。シルエットもスタンダードなストレートです。新仕様501STFがどうなっているのか気になりますが、大きなシルエット変更はないと思っています。
私は今回の新仕様の501STFがリーバイスジャパン経由で正式に販売され、7−8000円程度の価格であれば、かなり売れると思います。
その様な価格帯で新仕様の501STFが正式に日本で発売になれば、リーバイスが好きな人は喜んで買うと思います。
伝統の生デニムでヴィンテージ時代に回帰したステッチの仕様はとても魅力的だと思います。上記価格帯であれば、コストパフォーマンスを重視する層でもある程度のシェアを獲得できます。
また、ジーンズが好き、こだわりがある層の中でLVCやレプリカの価格帯には手が出しづらい人々からも支持されると思います。この層の中に若い方は多いと思います。
501は元来、ジーンズの基本でした。『501を知らずしてジーンズを語るべからず。』はかつて常識でした。それは今も変わっていないと思います。
かつて使われた『原点にして頂点』と言うコピーを覚えていらっしゃる方も多く、いまだにその言葉を記憶に残っているとおっしゃる方も少なくありません。
しかし、その様な認識を持っている若い世代の方は多くないと思います。
また、その言葉は、ジャパンが取り扱う501には当て嵌まりません。米国ラインの501STFであれば、今でも十分にそうであると自信を持って言えます。
新仕様の501STFをジャパンが取り扱うことになった際、価格を1万円以上に設定しては元も子もないと思います。
それでは、従来の状況と大きな変化は起きないと思います。今はネットで情報は容易に入手できます。米国ラインの価格情報も入手できます。
コストパフォーマンスを気にする人は並行輸入品を扱う店舗で購入します。また、若い層への浸透は価格面等でも障害があると思います。
しかし、積極的な価格設定でこの新仕様の501STFをリーバイスジャパンが取り扱えば、成功すると確信しています。
今回の新仕様の501STFで積極的な値付けをすれば、従来からのリーバイスファンの支持を得ながら、若い世代への浸透ができると思います。
そして、若い世代からも、501が再び「基本はリーバイスの501」との認識を獲得できる日が再び訪れる事を期待を込めながら祈っております。
関連記事:
米国内のリーバイスの位置づけと状況についての考察
ジーンズの国内市場についての考察
2014年9月1日 追記:本記事を投稿したのは2013年の11月です。その後、状況は変わってきたり、2013モデルのシルエットについても新たに判明したことがありました。
2014年8月末の時点で、2013 モデルの「501が変わる」のコピーの露出はかなり落ちてきています。
関連記事:リーバイスジャパンの501 2013年モデルのマーケティングについて
2014年8月に新たに追加された秋冬モデルでCone Mills セルビッジの生デニム使用のモデル、00501-1931が追加されました。
これらは好ましい変化だと思っています。
リーバイスジャパンの方へ、オンラインストアのストアの商品ページのURLは現状、日本語が途中等に入っています。そのため、製品ページのリンクがうまく貼れません。BlogやSNSで紹介される機会が失われることもあるかと思います。商品ページのURLを半角のみに変更して頂くことをご検討頂ければ幸いと存じます。
今回は米リーバイス社とリーバイスジャパンの状況について分析し、僭越ながら、さらにジャパンへの提言を書きます。
リーバイスジャパンは米リーバイス社(LEVI STRAUSS & CO.)の子会社です。平成24年11月期 決算短信によると米リーバイス社はジャパンの株式の83.59%を保有しており、リーバイス社が保有していない残りの株式をジャスダックに公開しています。
リーバイスジャパンの業績を過去に遡って見てみると2000年代の前半は比較的堅調で2005年には売り上げ298億円に達し、その後、業績が低迷しています。
特に2011年以降は売り上げ100億円を切っており、2005年度と比べると売り上げが三分の一以下にまでなっています。純利益も2009年以降は赤字が続いています。
業績を見るとリーバイスジャパンがかなり厳しい状況にあることが分かります。
”リーバイスは落ち目の会社。昔は凄かったけど今はダメ。”と言う印象を持っても不思議はありません。
ジーンズはアメリカ文化の象徴の一つです。2003年に米リーバイス社は、業績低迷のため米国内の工場を全て閉鎖したニュースは、かなりショッキングな出来事として世界中に報道されました。
ジーンズの元祖であるリーバイスもダメなのか?と言う疑問が浮かびます。
リーバイス本社の業績を見ると、90年代の後半から2000年代の前半は業績が低迷し、赤字続きでしたが、2000年代半ば以降、業績は安定回復となり、比較的堅調です。
世界的、または米国中心に見た場合、リーバイス社自体は別に落ち目でもなく、そこそこの線を維持していると言えます。
米リーバイスのオンラインストアのコメントでも以前は否定的なコメントが(米国の場合、不満があるとガンガン言う人がいます)目についたのですが、最近は好意的なコメントが圧倒的に多く、しかもその中に若い人もいます。
米国内で流通するジーンズは100ドル以下がほとんどです。501は50ドルから100ドルの間の価格帯にあり、比較的高い方ですが、100ドル以下のジーンズの中ではやはりブランド、品質、デザイン的にもバランスが取れており、コストパフォーマンスを含めて競争力はあると思います。
(関連記事:アメリカの日常生活から見たファッション事情)
リーバイス本社の2012年の売り上げは約47億6千万ドルです。1ドル100円で単純換算すると4760億円に相当します。
ジャパンとの売り上げを比べてみると50倍近くあります。率直に言って、日本の売り上げ比率が異様な程低いことを示しています。
リーバイスジャパンでは社長の交代やそれに伴う変更、一部資産の処分等が行われていますが、数字を見る限り好転している様には見受けられません。通常、これだけ業績不振が続いている場合、大幅なリストラ等の改革を迫られることは避けられません。
しかし、親会社の業績が比較的堅調であるため、子会社のジャパンの業績が悲惨な状態でも大幅なリストラ等の大鉈をふるわれずに済んでいるとも言えます。
日本国内のジーンズの市場規模は過去10年間、コンスタントに1兆円を超えています。トレンドとしては2008年までは上昇傾向、2009年以降、若干の縮小のトレンドが続いていましたが、2012年は前年比で微増の1兆1588億円でした。(矢野経済研究所の調べ)
このジーンズの国内の市場規模は小売り金額ベースのため、代理店等を通じて主に販売しているリーバイスジャパンの売り上げと単純には比較できませんが、100億円を下回る売り上げはシェアとしても数%程度と思われます。
ジーンズの元祖のブランドであるリーバイスのシェアとは思えない程、低いと言えます。
日本のジーンズ市場自体はそれなりに大きな規模(一兆円を上回る市場は巨大と言えます)があり極端な縮小傾向も無く安定している状況の中で、リーバイスジャパンの業績は不振が続いている事になります。
リーバイスジャパンの業績不振は、市場自体の問題ではなく、他に問題があることを示しています。
日本のジーンズ市場では、ユニクロがシェアのトップで年間1000万本以上の販売実績を誇っています。価格は3000円前後です。ユニクロは生地も作りもそれなりなので、コストパフォーマンスは非常に高いです。そして、高価格帯のジーンズでは、多くの人がレプリカブランドを支持しています。
リーバイスジャパンが取り扱う501は価格は1万円を超えています。(アウトレットやセールはここでは考慮していません。)また、LVCについては2万円を大きく超える価格帯になります。
リーバイスのレギュラージーンズの価格帯は、ユニクロに比べると4倍程度以上あり、価格競争力の点で弱いです。
しかし、伝統ある501のブランド、アーキュエットステッチ、赤タブ、と言った伝統ある特徴をそなえるリーバイスには大きな付加価値と魅力があると思います。そのためリーバイスを支持する層は、依然として少なくないと思っています。
ここでもう一つの問題は、リーバイスが好きな人の中でリーバイスジャパン企画ではなく米国流通の501を購入する人も少なくないことです。
米国ラインの501は、並行輸入の形で販売している店が少なからずあります。ロングホーンインポートもその内の一つですが、楽天やYahooのオンラインストアやアメ横等の店舗でも取り扱っており、比較的手軽に入手できます。
私がもし日本に住んでいて、ジーンズを購入するとしたら、多分、米国流通の501を購入すると思います。これは価格面だけでなく、リーバイスジャパンの取り扱う501が自分にとってはあまり魅力的に思えないからです。
リーバイスジャパンの501は、伝統ある501に必要以上にモディファイがされている気がします。2013年モデルの発表時に、「ジーンズ生誕から140周年、501®が変わる。」のコピーを見た時には唖然としました。
主な変更点はシルエットです。スキニーに近いシルエットになっています。パッチは高級感を持たせるためか革製のパッチ(以前からジャパンの501はそうです)。過度に強調されたバックポケット部のステッチライン。そして、生デニムはおろか未洗いの防縮加工すらない加工デニムオンリーのラインナップ。
(追記:ここでスキニーに近いシルエットであると書いておりますが、実際はそうではありませんでした。
関連記事:リーバイス 501 2013年モデル シルエットの考察
また、2014年8月に生デニムを使用したモデル、品番501-1931が追加されました。)
このモデルに伝統ある501の名前を付けられてることに対して、非常に強い抵抗感を感じました。別の名前の製品であれば、全く問題はありません。この様に感じた長年の501ユーザーは少なくないと思います。
このシルエットを好きな人もいます。実際にツイッターのやりとりでも、このシルエットをとても気に入っているとおっしゃっていた方がいました。
製品としてこの様なジーンズを提供する事は賛成です。支持する人もいることでしょう。しかし、これに501の名前が付けられ、上の様なキャッチフレーズを使われる事に大きな戸惑いと抵抗を感じます。
501は基本的に変わらないところが501たる所以だと思います。”ジーンズの元祖・原点”、”永遠のスタンダード”、”超定番”と言う様なところが501の根幹にあるアイデンティティだと思います。
それを”変える”と言うキャッチフレーズまで使用して強調する意図、理由が私には理解できません。501と言う類希な歴史的にも価値ある品番、ブランドイメージを貶めている様にしか思えません。
これがリーバイス全社的な方針であれば、まだ、少しは理解できる部分もあります。(個人的には承服はしません)しかし、この様なアナウンスは米国ではされていません。
また、米国では依然として、1950年代以降使用されてきた紙の素材のパッチ、生デニムのモデルが中心です。シルエットもスタンダードなストレートです。新仕様501STFがどうなっているのか気になりますが、大きなシルエット変更はないと思っています。
私は今回の新仕様の501STFがリーバイスジャパン経由で正式に販売され、7−8000円程度の価格であれば、かなり売れると思います。
伝統の生デニムでヴィンテージ時代に回帰したステッチの仕様はとても魅力的だと思います。上記価格帯であれば、コストパフォーマンスを重視する層でもある程度のシェアを獲得できます。
また、ジーンズが好き、こだわりがある層の中でLVCやレプリカの価格帯には手が出しづらい人々からも支持されると思います。この層の中に若い方は多いと思います。
501は元来、ジーンズの基本でした。『501を知らずしてジーンズを語るべからず。』はかつて常識でした。それは今も変わっていないと思います。
かつて使われた『原点にして頂点』と言うコピーを覚えていらっしゃる方も多く、いまだにその言葉を記憶に残っているとおっしゃる方も少なくありません。
しかし、その様な認識を持っている若い世代の方は多くないと思います。
また、その言葉は、ジャパンが取り扱う501には当て嵌まりません。米国ラインの501STFであれば、今でも十分にそうであると自信を持って言えます。
新仕様の501STFをジャパンが取り扱うことになった際、価格を1万円以上に設定しては元も子もないと思います。
それでは、従来の状況と大きな変化は起きないと思います。今はネットで情報は容易に入手できます。米国ラインの価格情報も入手できます。
コストパフォーマンスを気にする人は並行輸入品を扱う店舗で購入します。また、若い層への浸透は価格面等でも障害があると思います。
しかし、積極的な価格設定でこの新仕様の501STFをリーバイスジャパンが取り扱えば、成功すると確信しています。
今回の新仕様の501STFで積極的な値付けをすれば、従来からのリーバイスファンの支持を得ながら、若い世代への浸透ができると思います。
そして、若い世代からも、501が再び「基本はリーバイスの501」との認識を獲得できる日が再び訪れる事を期待を込めながら祈っております。
関連記事:
米国内のリーバイスの位置づけと状況についての考察
ジーンズの国内市場についての考察
2014年9月1日 追記:本記事を投稿したのは2013年の11月です。その後、状況は変わってきたり、2013モデルのシルエットについても新たに判明したことがありました。
2014年8月末の時点で、2013 モデルの「501が変わる」のコピーの露出はかなり落ちてきています。
関連記事:リーバイスジャパンの501 2013年モデルのマーケティングについて
2014年8月に新たに追加された秋冬モデルでCone Mills セルビッジの生デニム使用のモデル、00501-1931が追加されました。
これらは好ましい変化だと思っています。
リーバイスジャパンの方へ、オンラインストアのストアの商品ページのURLは現状、日本語が途中等に入っています。そのため、製品ページのリンクがうまく貼れません。BlogやSNSで紹介される機会が失われることもあるかと思います。商品ページのURLを半角のみに変更して頂くことをご検討頂ければ幸いと存じます。
はじめまして。最近こちらを知りまして興味深く拝見させて頂いております。90年代にジーンズ量販店で仕事をしてましたがあの当時に501&ブランドイメージの向上という大義名分で数度の値上げをした辺りから動きが鈍くなってきたのは記憶しております。正直”高い”とお客さんに愚痴られた事がありました(笑)それにMADE IN U.S.Aが無くなったのは大きかったですね。最近、無性にアメリカ製が穿きたくなり先月から育て始めました。今の国内の501にはアメリカの”匂い”がないのがホントに残念です・・。
返信削除はじめまして。コメントありがとうございます。おっしゃる通り価格設定と言うのは本当に難しいと思います。価格を上げる事がブランドイメージを上げる事につながるか?と言うのは特にそうだと思います。さらに、リーバイスが米国内工場を全て閉鎖してしまって、米国製501がなくなったのは本当に大きいと思います。米国製があった当時は、別になんとも思いませんが、今、改めて見ると、その良さがしみじみと分かります。丈夫で穿きこむにつれ体になじんでいく14オンスの生地、新品から初期の段階での驚く程の毛羽立ちも今見ると新鮮でそれも魅力に感じます。色落ち偏重のトレンドから完全に一線を引いているところも、変にユーザーや市場に媚を売らない様な姿勢に思えて好感が持てたりします。
返信削除『国内正規流通の501にはアメリカの”匂い”がない』との印象を抱かれるとのこと、私も同感です。アメリカ文化の象徴でもあるジーンズ、しかもその原点の501として非常に大きな問題だと思います。