ロングホーンインポートに未使用タグ付きのリーバイスヴィンテージクロージング(LVC) 501 1966モデルが入荷しました。
本記事では、LVC66501のディテールについて紹介します。
LVC66501のパッチは、ロット番号が501の上に小さな字で501XXと表記される通称”ダブルネーム”になっています。
501ビッグEの最初期(含むダブルネーム)から、クロッチのステッチにバータックが加えられました。ビッグEの初期では、バータックが少しずれて入れられていることから、通称”ずれカン”と呼ばれる仕様です。
LVC66501もバータックが少しずれて入れられています。
”ずれカン”についてご興味のある方は、以下の記事をご覧下さい。
関連記事:
[60年代後半の501主要ディテール変更: クロッチバータックの追加 ##link##]
LVC66501のインシームはイエローのシングルステッチです。
インシームがシングルステッチなのは、1980年代前半以前の501の伝統的仕様でした。2010年代に入ってから、レギュラー501でインシームシングルステッチが復活しました。現行品501STFもインシームシングルです。
裾裏はイエローのチェーンステッチです。裾裏がチェーンステッチの仕様もヴィンテージ501の代表的な特徴の一つです。
アウトシームの幅は狭めです。ヴィンテージ501は、アウトシームの幅も個体差がありますが、幅が狭いものが多いです。
アウトシームにセルビッジとなっているのがヴィンテージ501を代表するの特徴の一つです。セルビッジに赤いラインが入っているため通称”赤耳”と呼ばれています。
以上、LVC66501の主な仕様、特徴を紹介しました。
これまで、私はLVCについてはあまり手にして見たことがありませんでした。(手元に個人所有の67505が一本あるだけです。)
造り的には高級感が感じられ、LVC66501は良い製品だと思います。面白いことに、製造されてからそれ程年月が経過しているわけではないのですが、少しヴィンテージ特有の匂いに似た匂いがします。
本記事では、LVC66501のディテールについて紹介します。
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- ##hand-o-right## 備考
- LVCは同じモデル(例:1966年モデル)であっても製造された時期などで、使用生地やディテール等が異なる場合があります。本記事で取り上げているLVC66501はタグ他の仕様などから、2000年代後半から2010年代前半頃の製品と推測しています。
パッチ
LVC66501のパッチは、ロット番号が501の上に小さな字で501XXと表記される通称”ダブルネーム”になっています。
ツーホースロゴの下に"100% COTTON"と"WPL 423"の表記が入っています。
60年代後半のパッチの表記形式は様々な種類があります。ご興味のある方は、以下の記事をご覧下さい。
関連記事:
LVC66501のパッチには"MADE IN U.S.A."の表示がありませんが、LVC501のリジッド(生デニム)は全て米国製です。
内側のタグ
内側に取り付けられているタグには、"MADE IN U.S.A."、米国製と表示が入っています。
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- ##hand-o-right## 備考
- 1960年代以前のオリジナルヴィンテージリーバイスは、内側にタグは付きません。現代の衣料品で標準となっている内側に取り付けられる布製のタグがリーバイス501に取り付けられるようになったのは、1970年代前半からです。
フラッシャーとギャランティーチケット
フラッシャーのデザインは、1966年に大きな文字で表示されるLEVI'Sの表記のEが小文字のeに変更になりました。LVC66501に取り付けられているフラッシャーは、1966年以前の製品に取り付けられていたデザインです。
ギャランティーチケットは、"FOR OVER 100 YEARS"の表示になります。サイズは大きめです。
赤タブ
赤タブは、ビッグEの均等Vです。501XXの最終期頃から不均等Vのタブが登場し、最初期のビッグE(含むダブルネーム)の頃に移行が完了し、以後のほとんどのモデルでは不均等Vのタブが使用されています。
LVCの紙タグ
新品のLVCには、たくさんの紙タグが取り付けられているのが特徴です。
右から、コーンミルズホワイトオーク工場製の"Made in the USA"と書かれたタグ、中央は1966年501モデルを示すタグ、左は未洗いの生デニムであることの説明が記載されています。
(これらのタグの記載内容は、別途、詳しく紹介する予定です。)
ウォッチポケット入り口裏のステッチ
ウォッチポケット(コインポケット)の入り口裏のステッチはシングルステッチです。
フロントトップボタン脇は平行ステッチ
LVC66501のフロントボタン脇は、通称”並行ステッチ”と呼ばれる二本のステッチが縦に並んで入る仕様となっています。また、ウエストバンド裏の上はチェーンステッチです。
後の年代のディテールが採用されています。なぜそうなっているのかは不明です。(LVCは現代の製品であり、オリジナルのヴィンテージに似せようとしても、完全に再現することはできないので、個人的には、細かいところまで同じにする必要はないと思っています。)
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- ##hand-o-right## 備考
- この並行ステッチでウエストバンド裏上のステッチがチェーンの仕様は、ビッグEから登場しました。1966年から1968年ごろまでの501は、通称Vステッチ、腰裏シングルと呼ばれるステッチ仕様です。
並行ステッチとVステッチの違いなどについては、以下の記事をご参照下さい。
関連記事:
フライボタン
1960年代のオリジナルヴィンテージ501のフライボタンは、通称足長Rと呼ばれるLEVI STRAUSSのRの文字の左足が長いのが特徴です。
LVCではRの文字通常で、足長Rのボタンは再現されていません。
下はオリジナルヴィンテージ501XXのフライボタンです。"R"の左足が長くなっています。
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ヴィンテージ501XXのフライボタン |
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- ##hand-o-right## 備考
- 足長Rのフライボタンは、LVCでは再現されていません。上にも書きましたが、個人的にはこの様な細かいディテールを再現(モノマネ)する必要はないと考えます。
クロッチバータック
501ビッグEの最初期(含むダブルネーム)から、クロッチのステッチにバータックが加えられました。ビッグEの初期では、バータックが少しずれて入れられていることから、通称”ずれカン”と呼ばれる仕様です。
LVC66501もバータックが少しずれて入れられています。
”ずれカン”についてご興味のある方は、以下の記事をご覧下さい。
関連記事:
[60年代後半の501主要ディテール変更: クロッチバータックの追加 ##link##]
インシームシングルステッチ
LVC66501のインシームはイエローのシングルステッチです。
インシームがシングルステッチなのは、1980年代前半以前の501の伝統的仕様でした。2010年代に入ってから、レギュラー501でインシームシングルステッチが復活しました。現行品501STFもインシームシングルです。
裾裏イエローチェーンステッチ
幅が細めのアウトシーム
アウトシームの幅は狭めです。ヴィンテージ501は、アウトシームの幅も個体差がありますが、幅が狭いものが多いです。
アウトシームにセルビッジとなっているのがヴィンテージ501を代表するの特徴の一つです。セルビッジに赤いラインが入っているため通称”赤耳”と呼ばれています。
以上、LVC66501の主な仕様、特徴を紹介しました。
これまで、私はLVCについてはあまり手にして見たことがありませんでした。(手元に個人所有の67505が一本あるだけです。)
造り的には高級感が感じられ、LVC66501は良い製品だと思います。面白いことに、製造されてからそれ程年月が経過しているわけではないのですが、少しヴィンテージ特有の匂いに似た匂いがします。
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- ##hand-o-right## 豆知識
- ヴィンテージ市場で66前期と呼ばれるモデルは、1970年代前半以降の製品です。LVC501 1966年モデルは、60年代後半の501の仕様を模倣してデザインされた製品になります。
本品(一品限りです)は、ロングホーンインポートで販売する予定です。
LEVI'S VINTAGE CLOTHING
501 1966モデル-リジッド/14.2oz/CONE DENIM/MADE IN USA
¥32,400(税込)
リーバイス公式オンラインストアの商品ページ:
LEVI'S VINTAGE CLOTHING
501 1966モデル-リジッド/14.2oz/CONE DENIM/MADE IN USA
¥32,400(税込)
こんにちは。勉強させてもらってます。最近、セールで米国より550を購入したのですが、
返信削除これも日本流通はないはずですが多言語タグでした。古いタイプなので複雑でした。
しかも赤タブがサカサマでした笑 個人輸入はこういう時困りますね。
コメントありがとうございます。赤タブが逆さだったのですね?正規流通ルートの場合は、当然交換してもらえると思うのですが、輸入になると正規品だったとしても無理ですよね。(送料を考慮すると交換が現実手にはできない)
削除リーバイスは米国内で販売するチャネル(販売網)を絞っています。(昔から取り扱っているところでない限り、新たに取り扱うことができるようになるところは少ないと認識しています)米国内で安値で販売されているリーバイス製品は、イレギュラーや何らかの訳あり製品の場合があります。現在の501などは、様々な言語のタグが付いていて、日本で取扱がないものでも日本語の取扱説明も含まれています。日本でも販売する可能性があるのか!?と当初は思ったのですが、取扱タグを全てまとめて取り付けたほうが仕向地・国毎に生産するよりも効率がいいためではないかと現時点では推測しています。
初めまして
返信削除90年代後半から2000年にかけてのリーバイスヴィンテージモデルをリアルタイムに見てきた自分としては、共感できる内容ばかりでした。
非常に楽しく読ませて頂きました。
トランプ大統領の政策によって、リーバイスバレンシア工場が復活することを期待しています!!
はじめまして。コメントありがとうございます。トランプ大統領の政策と言うものがどのようなものか不明ですが、米国内で生産する品に対して、税金面などで超優遇措置などを取れば、工場を再開する可能性はある(会社にもよると思います)と思います。バレンシア工場の施設は、私の認識ではリーバイスが所有していると思っていますが、現在は小学校(と中学校)になってしまっているため、米国工場が復活する場合は、他の場所となる可能性が高いと思います。または、本社があるサンフランシスコにあるEureka研究所の一部に量産ラインを加えるなどの可能性もあるかもしれません。個人的には、リーバイス自社工場復活してほしいと言う気持ちはありますが、実現するまでに超えなければいけない壁はかなり高いと思います。需要があれば、可能性は高まると思うのですが、採算性を含めると超高額でも飛ぶように売れるような状況にならないと難しいと思います。(逆に言えば、高額でも売れれば、実現は比較的容易だと思います。ただ、価格は現行のLVCよりも大幅に高くなると思います。)
削除先ほどのコメントに、他のLVC関連の記事をあわせて読んだことを書き忘れました。
返信削除申し訳ありません!
他のLVCの記事も読んでくださったこと、ありがとうございます!重ねて御礼申し上げます。
削除リーバイスによる飛ぶように売れる高額商品というのは、世界限定品だけだったりしますしね
返信削除それの為の専用自社工場なんてのは有り得ないですし、現実味は皆無ですが。
それでもやはり復活を望んでしまうのも事実なんですよね~
でも、現行501のUSラインを1つ購入してみたのですが、質が良すぎます。
現状に変更加える理由があまりないですよね。
こちらのブログ、本当にためになります。これからも楽しませて頂きます~
コメントありがとうございます。米国内工場復活、ましてバレンシア工場復活したら、気持ち的に本当に嬉しいのですが、事業面・採算性を考えると本当に壁は高いと思います。時代の流れというのも避けて通れないところがあります。バレンシア工場を閉鎖せず、小規模でも残しておけば、LVCに対する高付加価値や今であれば、バレンシア工場製の新企画の製品などでもプレミアムを付けて売ることができたのに・・・と思う気持ちはあります。しかし、それは結果論です。現実は違います。
削除という事で、お気持ちは分かるつもりです。
USラインの現行501は、結構良いと思います。普段穿いています。今後ともよろしくお願いいたします。