更新が滞り申し訳ありません。ここしばらく目の調子があまり良くなく、長時間パソコンの画面に向かう事ができずにおります。ロングホーンインポートのサイトも力を入れなければならないにもかかわらず、不本意ながら十分にできていない状態です。
それでも多少、回復してきた気がするので、これから遅れを取り戻そうと思っております。色々と書きたい事はあるので順次、対応して行こうと思っております。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、今後ともよろしくお願い致します。
それでは、表題の件について書きます。
「66は細い。」と言う話を良く目にします。66をモデルとしているレプリカは総じてシルエットが細い様です。一方で「66は言われる程、細くない。」との見方をヴィンテージ愛好家の方のサイトで見た事があります。
個人的には、現行や90年代の米国製501の同表記サイズと比べた場合は確実に細いと思っています。しかし、これは現行や90年代の米国製は表記サイズに対する実寸がかなり大きく作られていることが大きな理由です。つまり、同表記サイズでも大きさが異なるため、シルエットを比較する以前の問題があると認識しています。これについては、後日、ブログ記事をエントリーする予定です。
私はBig-Eと66はシルエットも含めて穿いた感じがとても似ているとの印象を常々持っていました。今回は手元にあるBig-Eと66の中で比較的サイズが近いものを集めて、主要な箇所のサイズを計ってみて比較してみる事にしました。
今回、シルエット比較に使用した501をまず写真で紹介します。
年代としては60年代後半から70年代前半まで頃の製品です。
右から順に、Big-E初期(ずれカン、刻印K、Vステッチ)、Big-E Vステッチ腰裏シングル、中央の3本はBig-E 平行ステッチ、腰裏チェーン、左の2本は66前期です。
この内、左から2番目の66前期(刻印2)と右から3番目のBig-Eは現在ロングホーンインポートで販売中のものです。
使用感、程度、色落ちはワンウォッシュ程度(中央)からそれなりに色落ちが進行しているものまで差があります。
この写真はフラッシュを使用せずに自然光のみで撮影しています。フラッシュを使用しないとヴィンテージデニムは明るめに写る傾向がありますが、色落ち具合等の感じが伝わりやすいので今回はフラッシュ不使用の写真で紹介しています。
測定箇所と測定方法
サイズの測定は平置きにしてシワをのばして軽く引っ張った状態で直線距離を測っています。ウエストについては測定値を2倍にしています。
股下のレングスはクロッチ部から裾までの直線距離を測ったものです。
渡り幅は、クロッチ部からアウトシーム側で裾から股下のレングスと同じ長さの位置までの距離を測ったものです。
股上については、前股上はフロント部ウエストバンド上部からクロッチ部の継ぎ目(バータックのすぐ下)までの距離です。
後ろ股上は、ウエストバンドの幅(上から下の距離)、バックヨークの幅、そしてバックヨーク下の継ぎ目部からクロッチ部までの3カ所を各々測定しています。
後ろ股上として上記3カ所の距離の合計をサイズチャートに載せています。
バックヨークの幅はシルエット感、穿いた感じに結構影響があります。
測定結果と考察
比較する上での基準としてはやはりウエストサイズになるかと思います。同じウエストとレングスで比較するのが理想的ですが、ヴィンテージなので現実的にはかなり難しいので、現状、似たウエストサイズ間での比較となります。
実寸ウエストサイズで、Big-E Vステッチ2本とBig-E 平行ステッチ2本がほぼ同じサイズです。前股上と後ろ股上の長さはほぼ同じです。細かく見ると、Vステッチのバックヨークの幅(長さ)が平行ステッチより少し長くなっています。その代わり、そこからクロッチまでの距離は若干短く、後ろ股上の全体としてはほぼ同じ長さになっています。
渡り幅も多少ばらつきはありますが、ほぼ同じです。ただし、この少しのサイズ差が着用時に大きく感じられる場合もあるかと思います。
裾幅については若干ばらつきがあります。特にVステッチの2本でレングスの短い方が裾幅が細いのが目を引きます。ストレートと言っても実際はテーパードがかかっているので、一般的にはレングスが長い方が裾幅が短くなるのが通常です。
Big-E Vステッチ(ずれカンの方)が強めのテーパードがかかっているように思われます。これは個体差である可能性が考えられます。
これらのことから、現時点での考察としては、Big-EのVステッチと平行ステッチのシルエットで大きな差異は見られないため、シルエットはほぼ同じと見なして良いかと思います。
66前期の2本はウエストの実寸がほぼ同じです。少し驚く程、レングス以外のその他の箇所のサイズもほぼ同じになっています。一本はサイズ表記が判明しており、表記ウエスト30インチなので、もう一本も恐らく同表記サイズと推定できます。
Big-Eについては、ワンサイズ上の表記31インチと恐らくそれ以外のウエスト実寸70cm前後の4本は表記29インチと思われます。
これら7本のウエスト表記と実寸を見比べると表記31と30の間の差が2cm、一方、Big-E表記29インチと66表記30インチのウエストの差は4cmあるのが興味深いところです。
Big-Eと66を見比べるとウエストサイズは異なるので、断定はできませんが、前股上についてはBig-Eの方が少し浅め、逆に後ろ股上は少し深めになっているように見受けられます。
66は股上が浅いとの認識がありましたが、実際のところ穿いた感じでもBig-Eの股上は浅く感じるので、この測定結果は個人的には納得できます。
渡り幅については、現時点での測定値を比較した限りでは66の方が少し細めなのかな?と思います。66前期とBig-Eでウエストが同じサイズでないので判断がつきづらい状況です。
66後期のウエスト表記29インチが2本手元にあるので、後日測定して比較してみる予定です。
(p.s. ロングホーンインポートのブログの方に66前期と501XXのシルエット比較の記事を投稿しております。よろしければ、ご覧になってみて下さい。)
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それでも多少、回復してきた気がするので、これから遅れを取り戻そうと思っております。色々と書きたい事はあるので順次、対応して行こうと思っております。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、今後ともよろしくお願い致します。
それでは、表題の件について書きます。
「66は細い。」と言う話を良く目にします。66をモデルとしているレプリカは総じてシルエットが細い様です。一方で「66は言われる程、細くない。」との見方をヴィンテージ愛好家の方のサイトで見た事があります。
個人的には、現行や90年代の米国製501の同表記サイズと比べた場合は確実に細いと思っています。しかし、これは現行や90年代の米国製は表記サイズに対する実寸がかなり大きく作られていることが大きな理由です。つまり、同表記サイズでも大きさが異なるため、シルエットを比較する以前の問題があると認識しています。これについては、後日、ブログ記事をエントリーする予定です。
私はBig-Eと66はシルエットも含めて穿いた感じがとても似ているとの印象を常々持っていました。今回は手元にあるBig-Eと66の中で比較的サイズが近いものを集めて、主要な箇所のサイズを計ってみて比較してみる事にしました。
今回、シルエット比較に使用した501をまず写真で紹介します。
年代としては60年代後半から70年代前半まで頃の製品です。
右から順に、Big-E初期(ずれカン、刻印K、Vステッチ)、Big-E Vステッチ腰裏シングル、中央の3本はBig-E 平行ステッチ、腰裏チェーン、左の2本は66前期です。
この内、左から2番目の66前期(刻印2)と右から3番目のBig-Eは現在ロングホーンインポートで販売中のものです。
使用感、程度、色落ちはワンウォッシュ程度(中央)からそれなりに色落ちが進行しているものまで差があります。
この写真はフラッシュを使用せずに自然光のみで撮影しています。フラッシュを使用しないとヴィンテージデニムは明るめに写る傾向がありますが、色落ち具合等の感じが伝わりやすいので今回はフラッシュ不使用の写真で紹介しています。
測定箇所と測定方法
サイズの測定は平置きにしてシワをのばして軽く引っ張った状態で直線距離を測っています。ウエストについては測定値を2倍にしています。
股下のレングスはクロッチ部から裾までの直線距離を測ったものです。
渡り幅は、クロッチ部からアウトシーム側で裾から股下のレングスと同じ長さの位置までの距離を測ったものです。
股上については、前股上はフロント部ウエストバンド上部からクロッチ部の継ぎ目(バータックのすぐ下)までの距離です。
後ろ股上は、ウエストバンドの幅(上から下の距離)、バックヨークの幅、そしてバックヨーク下の継ぎ目部からクロッチ部までの3カ所を各々測定しています。
後ろ股上として上記3カ所の距離の合計をサイズチャートに載せています。
バックヨークの幅はシルエット感、穿いた感じに結構影響があります。
測定結果と考察
比較する上での基準としてはやはりウエストサイズになるかと思います。同じウエストとレングスで比較するのが理想的ですが、ヴィンテージなので現実的にはかなり難しいので、現状、似たウエストサイズ間での比較となります。
実寸ウエストサイズで、Big-E Vステッチ2本とBig-E 平行ステッチ2本がほぼ同じサイズです。前股上と後ろ股上の長さはほぼ同じです。細かく見ると、Vステッチのバックヨークの幅(長さ)が平行ステッチより少し長くなっています。その代わり、そこからクロッチまでの距離は若干短く、後ろ股上の全体としてはほぼ同じ長さになっています。
渡り幅も多少ばらつきはありますが、ほぼ同じです。ただし、この少しのサイズ差が着用時に大きく感じられる場合もあるかと思います。
裾幅については若干ばらつきがあります。特にVステッチの2本でレングスの短い方が裾幅が細いのが目を引きます。ストレートと言っても実際はテーパードがかかっているので、一般的にはレングスが長い方が裾幅が短くなるのが通常です。
Big-E Vステッチ(ずれカンの方)が強めのテーパードがかかっているように思われます。これは個体差である可能性が考えられます。
これらのことから、現時点での考察としては、Big-EのVステッチと平行ステッチのシルエットで大きな差異は見られないため、シルエットはほぼ同じと見なして良いかと思います。
66前期の2本はウエストの実寸がほぼ同じです。少し驚く程、レングス以外のその他の箇所のサイズもほぼ同じになっています。一本はサイズ表記が判明しており、表記ウエスト30インチなので、もう一本も恐らく同表記サイズと推定できます。
Big-Eについては、ワンサイズ上の表記31インチと恐らくそれ以外のウエスト実寸70cm前後の4本は表記29インチと思われます。
これら7本のウエスト表記と実寸を見比べると表記31と30の間の差が2cm、一方、Big-E表記29インチと66表記30インチのウエストの差は4cmあるのが興味深いところです。
Big-Eと66を見比べるとウエストサイズは異なるので、断定はできませんが、前股上についてはBig-Eの方が少し浅め、逆に後ろ股上は少し深めになっているように見受けられます。
66は股上が浅いとの認識がありましたが、実際のところ穿いた感じでもBig-Eの股上は浅く感じるので、この測定結果は個人的には納得できます。
渡り幅については、現時点での測定値を比較した限りでは66の方が少し細めなのかな?と思います。66前期とBig-Eでウエストが同じサイズでないので判断がつきづらい状況です。
66後期のウエスト表記29インチが2本手元にあるので、後日測定して比較してみる予定です。
(p.s. ロングホーンインポートのブログの方に66前期と501XXのシルエット比較の記事を投稿しております。よろしければ、ご覧になってみて下さい。)
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