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80年代のリーバイス501

私は長い間リーバイス 501を穿き続けてきましたが、501は同じものだと思っていました。それが違うことに気づいたのは、このブログを始める少し前のことです。

「501は年代によって違う」ことを知って、501に対する興味が深まりました。それがこのブログを始めることにした大きな理由の一つです。

501は大まかな特徴は変わらないものの、年代によって、細かいディテールが変更になったり、シルエットが微妙に違います。

また、生地も年代特有の色落ちなどの傾向があります。

ある年代は特に大きな変化がない場合もあります。しかし、細かなディテールなどで目まぐるしい変更が行われた年代もあります。


80年代の501


1980年以降に生産された501で、アウトシームにセルビッジを備えるものは、通称”赤耳(モデル)”と呼ばれています。
501 赤耳モデル
80年代の初め頃から、赤耳と並行して、デニムの量産に適した広幅デニムを使用しアウトシームは脇割りの501が登場しました。

最初期の脇割りは、ディテールは赤耳と同様でバックポケット部の取り付け強化のバータック(カンヌキ)が黒色のため、通称黒カンとも呼ばれています。また、赤耳と区別する意味で、このモデルを脇割りモデルと呼んだりします。

1983年、501で長年使用してきたデニムの製造会社、コーンミルズ社が29インチの狭幅デニム生地、セルビッジ付きデニムの生産を中止します。
501 赤耳 vs 脇割り
製造中止となった83年以降、赤耳モデルは在庫の生地を使用して生産が続けられ、並行して生産される脇割りモデルの方に生産比率は徐々に移行していきました。

86年頃にセルビッジデニムの在庫が尽き、赤耳モデルは生産中止となりました。

赤耳モデルは、長年の伝統ある501の特徴であったセルビッジ付きデニムの最終モデルと言えます。


これまで脚光を浴びていなかった80年代501


90年代に日本でヴィンテージブームが起こった時、市場の注目を集め人気だったのは60年代以前のヴィンテージ501でした。そしてその後、70年代の66前期なども人気となりました。

ヴィンテージブームの90年代、赤耳は10年程度前の製品で特に注目はされませんでした。

ヴィンテージリーバイスの人気が過熱し、ヴィンテージ501の価格は高騰、若い人が手軽に手の届く価格ではなくなっていきます。

ほぼ同時期、復刻やレプリカが続々と市場に登場し、当時の若い層を中心に人気となります。

ヴィンテージブームが去った2000年代以降も、ヴィンテージジーンズの色落ちに似た色落ちを追求するデニムの色落ちの人気は続きました。

赤耳の501や80年代の脇割りの501は、明確な縦落ちをしないため、色落ちを追求する人々からはあまり評価、注目されることはありませんでした。

縦落ちすることが絶対的なジーンズの魅力であると考えた場合は、赤耳を含む80年代の501は、魅力が乏しいと言えると思います。

しかし、ジーンズの魅力は色落ちだけではありません。何に魅力を覚えるかは人にもよります。また、人々の嗜好は時代によっても変化します。

既に今年に入って、何度か記事に書いている様に、縦落ちのジーンズが氾濫する今、80年代の501の色落ちはかえって新鮮に見えると思っています。


根強いファンを抱える80年代501


これまであまり脚光を浴びることはなかった80年代の501ですが、以前から好きで穿いている人もいます。

一般的にはあまり注目されていませんでしたが、赤耳の501を好きな人は本当に好きです。赤耳のデッドストックは既に枯渇状態で、現在、ほとんど見つかることはありません。
デッドストック 501 赤耳
ロングホーンインポートでも、かつて、赤耳の501のデッドストックを取り扱ったことがありますが、販売後も、何度か問い合わせを頂きました。

今回ロングホーンインポートで、米国製501-1995を取り寄せ依頼を頂き、お買い上げくださったお客様が複数名いらっしゃいます。

その内のお一人は、昔から80年代の501がお好きな方です。冒頭の3本のジーンズの写真はその方が送ってくださったものです。3本とも赤耳、内、左はデッドストックです。

80年代の501 赤耳や脇割りを、デッドストックから穿きこまれたり、良いユーズドがあればご購入されて愛用されているとのことです。

今回、その方の愛用されている80年代501の写真を何枚か送って頂きました。当ブログで写真を使用することをご快諾いただいたので、これから紹介します。




色落ちも悪くない80年代の501


80年代前半の501
上の写真の左の501 ①は、冒頭の写真の中央のものと一緒です。①と③はデッドストックから、②はユーズドを穿きこまれているそうです。

3本ともヒゲやアウトシームのアタリも明確に出来ていて、色味、雰囲気もとても良いです。

下は通称”黒カン”と呼ばれる、脇割りながら、ディテールは赤耳と同様に、バックポケット取り付けバータックが黒、インシームシングルステッチ、裾裏チェーンステッチ等、古い年代のディテールを継承する80年代前半の501です。
黒カン 501
上はデッドストックから一回洗った状態でそのまま保管中、下はデッドから下ろして約20年穿いているとのことです。

この20年間、穿きこまれたクロカンは80年代の501の特徴的な粒状でザラザラした感じの色落ちをしています。

写真を見て、「良いな〜」としみじみ思ってしまいました。

80年代(以前)の501は、表記に対して、造りが細めです。穿いた感じも細くてシャープです。

先日から何度か紹介しているVOGUEの二人の記者の穿く80年代の501も、フィットしたサイジングでシャープなシルエットの穿き方をしています。
VOGUE at Levi's Eureka Lab
ここしばらくは、縦落ちの色落ちと同様に、比較的ゆとりのあるサイジングが主流でした。

80年代の501が新鮮に映ることは、色落ちの嗜好やジーンズの穿き方のトレンドに変化の兆しを示しているのかもしれません。

最後になりましたが、M様、写真のご提供と使用の御承諾、情報のご提供、誠にありがとうございました。重ね重ね御礼申し上げます。


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私のリーバイス: 80年代のリーバイス501
80年代のリーバイス501
これまであまり脚光を浴びることはなかった80年代の501ですが、今、改めて見ると新鮮でとても魅力的に見えます。ロングホーンインポートのお客様の愛用される80年代501を紹介しています。
http://4.bp.blogspot.com/-ldhSGFoKg3M/VQqIVRC3SII/AAAAAAAAH6o/kf5bpP8IpqM/s1600/three%2B501s.png
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