前回の記事、"80年代のリーバイス501"で紹介したロングホーンインポートのお客様の80年代の501は、赤耳も脇割りもアウトシームのアタリやヒゲが明確にできています。
基本的に乾燥機を使用した方が、アタリは付きやすいです。
乾燥機の中でジーンズが落下してドラムに当たることで擦れたりアウトシームなどのアタリが明確に付きやすい効果があります。また、ジーンズを表側にしてボタンを留めた状態で乾燥機に入れて回すと、よりアタリが明確に付きます。
特にフライ部にボタンの跡がアタリとしてできるのは、乾燥機を使用しなければ明確にできません。このフライボタンのアタリは、ボタンを留めた状態で乾燥機を使用することによってできる特有のアタリです。ある意味、乾燥機を使用することでできる特有の色落ち、アタリとも言うことができます。
ヒゲは、着用の仕方等の影響が大きいです。乾燥機を使わなくてもヒゲはできます。
初期の段階でサイズを縮めるために乾燥機を使う場合もあります。一般的に、乾燥機を使用した方が縮む可能性は高いです。尚、縮みは生地にもよるので、乾燥機をすれば、大幅に縮むとは限りません。もちろん、大幅に縮むこともあります。
まとめると、乾燥機を使うとアタリは付きやすいです。あまり縮めたくない、生地に負担をかけたくない(長く穿きたい)様な場合は、乾燥機の使用を控えた方が良いと思います。
ヴィンテージの場合は、乾燥機の使用はステッチ(特に綿糸)や生地への負担が大きいので、極力使用を避けた方がよいと思います。ヴィンテージは、乾燥機を使わなくてもアタリも色落ちも自然にできます。
私の場合、乾燥機は基本的にレギュラーでも使いません。
リーバイス 501のアウトシームは、セルビッジか脇割りのどちらかです。セルビッジによるアウトシームのアタリは比較的よく知られていますが、脇割りでもアタリはできます。
以下、アウトシームのアタリを付けたい場合の注意点です。
一番重要なことは、アウトシームが閉じないように気を付けることです。新品時でもアウトシームの一部が閉じてしまっていることはあります。
穿き始める前に裏返しにして、アウトシームが閉じている箇所があった場合は、アイロンを使って、アウトシームを開きます。
関連記事:
[デッドストック米国製501のアウトシームが閉じていた場合の対処法 ##link##]
[入手したヴィンテージ501の耳が閉じていた場合の補正法 ##link##]
開く癖が付けば、その後は、特に気にしなくても開いたままの状態を維持します。アウトシームが開いていると、色落ちが進行していくにつれてアタリも明確になってきます。
乾燥機を使うとアタリは明確に付きやすいですが、使わなくてもアウトシームのアタリは付きます。
以上です。ここで書いたことは一般的なことです。ジーンズの手入れの仕方は、本当に色々あります。色々試してみてみるのも良いと思います。
目的や考えに合った方法を見つけるご参考になれば幸いです。
関連記事:
[ヴィンテージ ジーンズの洗濯・手入について ##link##]
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80年代前半の501 |
この80年代501のオーナーの方は、「デッドストックから下ろす時に、アウトシームの耳・脇割りをアイロンできちんと開いてから、糊落とし、乾燥を行います。」とおっしゃっています。他のジーンズでも上記の作業は必ず行うとのことでした。
また、「色の落ち方が全体的ではなく、部分的になるため、洗剤はほとんど入れません。アタリはいろいろなところに当たってできるものだと思うので、乾燥機に入れるとドラムにいい感じで当たって擦れるのだと思います。」とおっしゃっています。
この話を聞いて、なるほどと思うところが多々ありました。
糊落としのタイミング、洗濯頻度、洗濯の仕方や乾燥機の使用の有無等、目的や考えによってジーンズの手入れの仕方は様々です。どれが良い手入れの仕方かはその人の考えによっても異なります。
しかし、ある程度、基本的な手入れの仕方はあります。本記事では、501等リジッドのジーンズの基本的な手入れと付帯する考え方について紹介します。
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リジッドのジーンズは、未洗いのため新品時、糊付きの状態です。穿き始める前に糊落とし、または、洗濯を行うのが一般的です。
糊が付いた状態のまま穿くとアタリのクセが付きやすい反面、糊付きの状態の生地は傷みやすいため、糊をある程度落としてから穿き始める方が生地への負担が減ります。
生デニムは、糊落とし・洗濯を行うと、生地が大幅に縮みます。縮みを考慮したサイズを選んでいるのが基本なので、最初に行う糊落とし、洗濯は、サイズ調整の目的・意図もあります。
一方で、ヒゲやハチノスなどのアタリを明確に付けたい場合は、糊付き、糊が残っている状態で穿くのが効果的です。
そのため、糊落とし前にある程度の期間穿いたり、糊落としで、水やお湯に付けておく時間を短くして、糊をわざと残すやり方もあります。
また、糊落としや最初の洗濯を行った後で、ジーンズでアタリを付けたいと思う部分の内側に糊を塗布する方法もあります。
洗濯する際、表にしたままか裏返しにして洗うか、二つの選択肢があります。
大差がない、どちらでも良いとは思いますが、私の場合、外側が汚れている場合は、表にしたまま洗います。
外はそれほど汚れていないが、相当期間着用している場合、汗などが付着、しみ込んでいると思われるので、裏返しにして洗います。
将来的にアタリなどメリハリがはっきりした色落ちを求める場合は、色落ちの進度を抑えるため、洗剤の使用量は少なめの方が望ましいです。
逆に、全体的な色を早く落としたいのであれば、洗濯の頻度を多くした方が効果的です。
洗剤の使用量や洗濯頻度は、ジーンズの使用環境、着用頻度、好み・考え方などによっても異なります。例えば、屋内の使用がほとんどであれば、それほど汚れることはないので、頻繁に洗う必要はあまりないと思います。
一方で、屋外で汚れやすい環境の中であれば、汚れが付着したりするので、洗濯の頻度も多くなると思います。また、汚れの程度や内容(油汚れなど)によっては、洗剤を多めに使用した方が良い場合もあるかと思います。
関連記事:
[デニム洗濯に使用する洗剤について・選び方事例 ##link##]
また、「色の落ち方が全体的ではなく、部分的になるため、洗剤はほとんど入れません。アタリはいろいろなところに当たってできるものだと思うので、乾燥機に入れるとドラムにいい感じで当たって擦れるのだと思います。」とおっしゃっています。
この話を聞いて、なるほどと思うところが多々ありました。
糊落としのタイミング、洗濯頻度、洗濯の仕方や乾燥機の使用の有無等、目的や考えによってジーンズの手入れの仕方は様々です。どれが良い手入れの仕方かはその人の考えによっても異なります。
しかし、ある程度、基本的な手入れの仕方はあります。本記事では、501等リジッドのジーンズの基本的な手入れと付帯する考え方について紹介します。
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最初の手入れ
リジッドのジーンズは、未洗いのため新品時、糊付きの状態です。穿き始める前に糊落とし、または、洗濯を行うのが一般的です。
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2012年製 501 STF ブラックの糊落とし |
生デニムは、糊落とし・洗濯を行うと、生地が大幅に縮みます。縮みを考慮したサイズを選んでいるのが基本なので、最初に行う糊落とし、洗濯は、サイズ調整の目的・意図もあります。
一方で、ヒゲやハチノスなどのアタリを明確に付けたい場合は、糊付き、糊が残っている状態で穿くのが効果的です。
そのため、糊落とし前にある程度の期間穿いたり、糊落としで、水やお湯に付けておく時間を短くして、糊をわざと残すやり方もあります。
また、糊落としや最初の洗濯を行った後で、ジーンズでアタリを付けたいと思う部分の内側に糊を塗布する方法もあります。
表にして洗う?裏返して洗う?
洗濯する際、表にしたままか裏返しにして洗うか、二つの選択肢があります。
大差がない、どちらでも良いとは思いますが、私の場合、外側が汚れている場合は、表にしたまま洗います。
外はそれほど汚れていないが、相当期間着用している場合、汗などが付着、しみ込んでいると思われるので、裏返しにして洗います。
洗剤の使用(量)と洗濯頻度
将来的にアタリなどメリハリがはっきりした色落ちを求める場合は、色落ちの進度を抑えるため、洗剤の使用量は少なめの方が望ましいです。
逆に、全体的な色を早く落としたいのであれば、洗濯の頻度を多くした方が効果的です。
洗剤の使用量や洗濯頻度は、ジーンズの使用環境、着用頻度、好み・考え方などによっても異なります。例えば、屋内の使用がほとんどであれば、それほど汚れることはないので、頻繁に洗う必要はあまりないと思います。
一方で、屋外で汚れやすい環境の中であれば、汚れが付着したりするので、洗濯の頻度も多くなると思います。また、汚れの程度や内容(油汚れなど)によっては、洗剤を多めに使用した方が良い場合もあるかと思います。
関連記事:
[デニム洗濯に使用する洗剤について・選び方事例 ##link##]
乾燥機の使用の有無
基本的に乾燥機を使用した方が、アタリは付きやすいです。
乾燥機の中でジーンズが落下してドラムに当たることで擦れたりアウトシームなどのアタリが明確に付きやすい効果があります。また、ジーンズを表側にしてボタンを留めた状態で乾燥機に入れて回すと、よりアタリが明確に付きます。
特にフライ部にボタンの跡がアタリとしてできるのは、乾燥機を使用しなければ明確にできません。このフライボタンのアタリは、ボタンを留めた状態で乾燥機を使用することによってできる特有のアタリです。ある意味、乾燥機を使用することでできる特有の色落ち、アタリとも言うことができます。
ヒゲは、着用の仕方等の影響が大きいです。乾燥機を使わなくてもヒゲはできます。
初期の段階でサイズを縮めるために乾燥機を使う場合もあります。一般的に、乾燥機を使用した方が縮む可能性は高いです。尚、縮みは生地にもよるので、乾燥機をすれば、大幅に縮むとは限りません。もちろん、大幅に縮むこともあります。
まとめると、乾燥機を使うとアタリは付きやすいです。あまり縮めたくない、生地に負担をかけたくない(長く穿きたい)様な場合は、乾燥機の使用を控えた方が良いと思います。
ヴィンテージの場合は、乾燥機の使用はステッチ(特に綿糸)や生地への負担が大きいので、極力使用を避けた方がよいと思います。ヴィンテージは、乾燥機を使わなくてもアタリも色落ちも自然にできます。
私の場合、乾燥機は基本的にレギュラーでも使いません。
アウトシームのアタリについて
リーバイス 501のアウトシームは、セルビッジか脇割りのどちらかです。セルビッジによるアウトシームのアタリは比較的よく知られていますが、脇割りでもアタリはできます。
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ヴィンテージ 501 ビッグE アウトシームのアタリ |
一番重要なことは、アウトシームが閉じないように気を付けることです。新品時でもアウトシームの一部が閉じてしまっていることはあります。
穿き始める前に裏返しにして、アウトシームが閉じている箇所があった場合は、アイロンを使って、アウトシームを開きます。
関連記事:
[デッドストック米国製501のアウトシームが閉じていた場合の対処法 ##link##]
[入手したヴィンテージ501の耳が閉じていた場合の補正法 ##link##]
開く癖が付けば、その後は、特に気にしなくても開いたままの状態を維持します。アウトシームが開いていると、色落ちが進行していくにつれてアタリも明確になってきます。
乾燥機を使うとアタリは明確に付きやすいですが、使わなくてもアウトシームのアタリは付きます。
以上です。ここで書いたことは一般的なことです。ジーンズの手入れの仕方は、本当に色々あります。色々試してみてみるのも良いと思います。
目的や考えに合った方法を見つけるご参考になれば幸いです。
関連記事:
[ヴィンテージ ジーンズの洗濯・手入について ##link##]
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