復刻の1947モデルは、復刻501の各種年代のモデルの中で一番細身のモデルです。ヴィンテージに詳しい方、そのモデルを所有している方の間では、オリジナルは太めであること、テーパードがかかっていないため裾幅が現代の基準で見ると大きいことは良く知られています。
LVC47501はオリジナルとは全く異なる細いシルエットなのか?については、LVCの各モデル間でシルエットのバリエーションを持たせるため、47モデルが細めのシルエットとして選ばれたと考えられます。なぜ、47501が選ばれたのかについては、当時、サイズダウン(自分のサイズよりも小さめを選ぶ)して穿く事が流行ったとの説があります。
ジーンズの穿き方には流行があります。2000年代から2010年代前半は、ルーズなシルエットを演出する穿き方が好まれる傾向が続いていました。また、極端に大きめのサイズをあえて穿く芸能人達のファッションスタイルの影響もあって、サイズアップは比較的一般的でした。
昔は逆に、タイトな穿き方が好まれていました。サイズダウンして穿く人もいたことがあっても不思議はありません。実際、そうだったと思います。
しかし、革パッチの501でサイズダウンしても膝から裾にかけてのラインは、テーパードがほとんどかかっていない特徴が見られるはずです。The Wild Oneでマーロンブランド達が穿いているジーンズは裾幅も細めに見えます。
『サイズダウンしただけではこんな感じにはならないはずだ。なぜなのだろう?』と思っていました。
それからしばらくして、The Wild Oneのマーロンブランドのいくつかの写真を見て、自分の抱いていた疑問に対する答えらしきものが見つかりました。
それがこの写真です。
ロールアップしているアウトシームの部分、いわゆるセルビッジ・耳の部分の紺の部分が異様に太く見えます。50年代前半以前の501のアウトシームの幅は細めなのが特徴の一つです。
写真から見るとアウトシームの縫い合わせを一旦解いて、幅を詰めて再び縫い合わせた様な加工がされている様に見えます。
また、インシーム側もデニムの生地表面部と思われる紺色の部分が見えます。通常はインターロック縫いで紺色の部分は見えません。
恐らくアウトシームとインシーム両側からサイズを詰めていると思います。裾の部分の折り返し部の紺色の幅から、かなりサイズを詰めていると思われます。
この写真で見るとシルエットが分かりやすいと思います。この写真でもアウトシームの紺の部分(生地の表面部の折り返し部分)の幅の太さは分かると思います。
もしかすると、復刻の47モデルはThe Wild Oneのイメージを元にして、細めでテーパードのシルエットにしたのかもしれません。
尚、50年代頃の501XXで脚の部分の幅を詰めた改造がされているものを、時折見かけることがあります。
下はeBayのオークションで見た革パッチの501ZXXです。(センターセットベルトループ)
アウトシームを詰めて縫い合わせていたところをほどいて撮った写真です。こちらもかなり幅のサイズが詰められていたことが分かります。
ジーンズは当時はワークウェアでシルエットのバリエーションもなかったため、若者達の間では加工して穿いていたりもしたようです。
革パッチの501XXは太いし、シルエットも文字通りストレートなので、細めのシルエットが好きな私としては、当時の若者達の気持ちは分かります。しかし、車やバイク等でもそうですが、過去の名作、逸品はノーマル・オリジナルの状態のものが高い価値を持ちます。
現在のヴィンテージリーバイスの人気・魅力の一つは色落ちです。色落ちにこだわる人は、耳のアタリを重要視します。シルエットを改造すると、耳の色落ちに大きな影響がでてしまいます。また、501XXのオリジナルのフィット、シルエットに魅力を感じる人も少なくありません。
この様な事を考えたりすると、時代による流行の変化等も含めてとても興味深く思います。The Wild Oneは今から60年前の映画です。その映画に登場する衣装、ジーンズが今も残っていて、見たり穿いたりできる事に感慨深いものを覚えます。
製品自体の魅力はもちろんのこと、当時の時代の事等を思い出させたり、考えさせてくれる事もヴィンテージの大きな魅力だと思います。
(後記)
テレビで放送されたリーバイスドキュメンタリーの中でアメリカングラフティ(上映は1973年、舞台は60年代初め)の衣装デザイナーが自分の経験として若かった頃、ボーイフレンドのジーンズの改造をしていた話をしているところがあります。ご興味のある方は以下の記事をご覧下さい。
[Levi's As America: A Riveting Icon パート3 ##link##]
LVC47501はオリジナルとは全く異なる細いシルエットなのか?については、LVCの各モデル間でシルエットのバリエーションを持たせるため、47モデルが細めのシルエットとして選ばれたと考えられます。なぜ、47501が選ばれたのかについては、当時、サイズダウン(自分のサイズよりも小さめを選ぶ)して穿く事が流行ったとの説があります。
ジーンズの穿き方には流行があります。2000年代から2010年代前半は、ルーズなシルエットを演出する穿き方が好まれる傾向が続いていました。また、極端に大きめのサイズをあえて穿く芸能人達のファッションスタイルの影響もあって、サイズアップは比較的一般的でした。
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- ##hand-o-right## 備考・後期
- 2015-2016年頃から、細身のストレートシルエットも人気となりつつあるように思います。また、サイズ選択もジャストフィットを好む傾向が出てきている印象を持っています。
昔は逆に、タイトな穿き方が好まれていました。サイズダウンして穿く人もいたことがあっても不思議はありません。実際、そうだったと思います。
『サイズダウンしただけではこんな感じにはならないはずだ。なぜなのだろう?』と思っていました。
それからしばらくして、The Wild Oneのマーロンブランドのいくつかの写真を見て、自分の抱いていた疑問に対する答えらしきものが見つかりました。
それがこの写真です。

写真から見るとアウトシームの縫い合わせを一旦解いて、幅を詰めて再び縫い合わせた様な加工がされている様に見えます。
また、インシーム側もデニムの生地表面部と思われる紺色の部分が見えます。通常はインターロック縫いで紺色の部分は見えません。
恐らくアウトシームとインシーム両側からサイズを詰めていると思います。裾の部分の折り返し部の紺色の幅から、かなりサイズを詰めていると思われます。

もしかすると、復刻の47モデルはThe Wild Oneのイメージを元にして、細めでテーパードのシルエットにしたのかもしれません。
尚、50年代頃の501XXで脚の部分の幅を詰めた改造がされているものを、時折見かけることがあります。

ジーンズは当時はワークウェアでシルエットのバリエーションもなかったため、若者達の間では加工して穿いていたりもしたようです。
革パッチの501XXは太いし、シルエットも文字通りストレートなので、細めのシルエットが好きな私としては、当時の若者達の気持ちは分かります。しかし、車やバイク等でもそうですが、過去の名作、逸品はノーマル・オリジナルの状態のものが高い価値を持ちます。
現在のヴィンテージリーバイスの人気・魅力の一つは色落ちです。色落ちにこだわる人は、耳のアタリを重要視します。シルエットを改造すると、耳の色落ちに大きな影響がでてしまいます。また、501XXのオリジナルのフィット、シルエットに魅力を感じる人も少なくありません。
この様な事を考えたりすると、時代による流行の変化等も含めてとても興味深く思います。The Wild Oneは今から60年前の映画です。その映画に登場する衣装、ジーンズが今も残っていて、見たり穿いたりできる事に感慨深いものを覚えます。
製品自体の魅力はもちろんのこと、当時の時代の事等を思い出させたり、考えさせてくれる事もヴィンテージの大きな魅力だと思います。
(後記)
テレビで放送されたリーバイスドキュメンタリーの中でアメリカングラフティ(上映は1973年、舞台は60年代初め)の衣装デザイナーが自分の経験として若かった頃、ボーイフレンドのジーンズの改造をしていた話をしているところがあります。ご興味のある方は以下の記事をご覧下さい。
[Levi's As America: A Riveting Icon パート3 ##link##]
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