スティーブマックイーンは、ご存知の通り60年代から70年代にかけて大活躍した超有名俳優です。
1965年に上映された"baby the rain must fall"の中での彼の衣装、ラングラーの名品、デニムのウエスタンシャツ、27MWにリーバイス501の組み合わせは、デニム好きの人々の間では良く知られています。
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この写真は撮影中に撮られた珍しいカラーの写真です。(映画はモノクロです。後で着色された可能性もあります。(高いかもしれません。))
ポケットのラングラーのサイレントWがはっきりと分かります。襟等を見るとそれなりに色落ちして、着込んで良い感じになっています。
baby the rain must fallについてのWikipediaの記事の中からあらすじを訳して紹介します。
Baby the Rain Must Fallは、1965年に公開されたアメリカのドラマフィルムです。主演はLee Remickとスティーブ・マックイーン。Robert Mulligan監督(ディレクター)。脚本は、ドラマ作家Horton Footeが、彼の1954年の演劇作品、The Traveling Ladyを元に制作しました。
映画のストーリーは、主人公の女性ジオグレットと6才の娘マーガレットが、彼女の夫、ヘンリー(マックイーン)に会いに東テキサスの街Tylerからヘンリーのホームタウンのあるテキサスの南東の小さな街、Columbusに行くところから始まります。ヘンリーは、無責任な感じのロカビリー歌手・ギターリストです。酔っぱらいの喧嘩で人を刺し刑期を終えて出所したばかりでした。マーガレットのことなど一切考えていませんでした。
ヘンリーは(マーガレットが彼の実の娘であることを気付いていない様子ながらも)、彼の家族との生活を再び築こうと努めますが、ヘンリーの両親が亡くなった後、彼を育てた独り者の老女、ケイトが彼の生き方に強い影響力を持ち続け、彼の努力を削ごうとします。
そして、彼女(ケイト)の要求、歌を諦め、学校に行き職に就くことを受け入れないと、彼を牢屋に再び入れてやると何度も脅します。ヘンリーはこの要求に抵抗し、パートタイムで仕事をしながら、歌を歌い続け、いつか”スター”になるとジオグレットにも信じさせます。
ケイトがとうとう死に葬式が行われた後の晩、ヘンリーは酔っぱらいながら、彼女の遺品(ベッドループのそばにかけられていたヘンリーを叩いたベルト等いくつかのショット)を破壊して立ち去り、車で墓場のゲートに衝突した後、ケートの埋葬されている墓を踏みにじります。
彼は刑務所に戻されることになりました。ジオグレットとマーガレットは、ヘンリーの子供時代の友人の保安官Slimと一緒にColumbusを去ります。SlimはジオグレットとマーガレットがColumbusに到着する前から、ヘンリーを矯正しようとしていましたが、できませんでした。ジオグレットは、自分を責めようとするヘンリーの痛みを和らげ愛そうと努めますが、失敗に終わりました。Slimとジオグレットはお互いに惹かれ合っていることは明らかでした。
最後のシーンで、先が見えない混乱が去った後、彼らは車に荷物を詰め、借りていた家を出た後、交差点の一時停止場所で、ジオグレットはヘンリーが保安官の車(囚人を乗せる車)に乗せられたヘンリーを見て、マーガレットが気づく前に彼女の目を”ペン”を見せて逸らさせます。
街を出て、オープンハイウェイに入った時、どこに行くのかと言うマーガレットの質問にジオグレットは、遠く離れた暖かい街、Rio Grande Valleyで新しい生活を一緒に始めると答えます。ジオグレットはマーガレットに、彼女たちはLoveladyからTylerへ、TylerからColumbusへ、そして今、遠く離れた渓谷(Valley)に向かう長い旅を続けてきたと話します。(Loveladyは、ジオグレットの生まれ育った街で、そこでヘンリーと出会い、結婚しました。)
引用訳終わり
このヘンリーの役柄は、心理的に複雑で込み入っています。この映画の陰鬱で難解なキャラクター設定をこなした事で、マックイーンはさらに有名になりました。
"baby the rain must fall”のトレイラーのYouTubeビデオです。
マックイーンが熱唱しているシーンがあります。(貴重な映像です。)複雑なキャラクター設定の役を見事に演じているマックイーンの魅力が伝わってきます。
私はマックイーンが27MWと501を組み合わせて着て映画にでていた事だけは知っていました。しかし、今週のブログ記事のThe Wild Oneでのマーロンブランドの穿く501XXのシルエットの変更の様にマックイーンもシルエットをいじった501を穿いていたとツイッターでやり取りをさせていただいている方から教えていただきました。
以下は映画内のスクリーンショットと関連のツイートです。
この画像を見て、これは明らかにThe Wild One同様にシルエットをいじっていると思いました。映画はデーターベースによると1965年1月15日から上映されたとあります。このことから撮影は1964年以前になります。
ジーンズ自体はある程度穿き込まれてこなれた感じなので、どんなに新しいものであっても1964年製、1963年頃の501XXの可能性が高いです。
マックイーンの穿いている501XXは、ギャラ無し(比較的初期)の可能性が高く、またはギャラ入りの後期(最終期)と推測します。60年代前半以前の501XXはテーパードはきつくありません。
これに対して、マックイーンの501は全体的にかなり細い事、裾にかけてかなり細くなっているのが印象的です。
もう少し細かく見てみましょう。
上の左の写真を見ると裾を少しロールアップしているところから見える(枠で囲った部分)耳の幅は通常の幅程度の様に見えます。
また、上右の写真ではアウトシームのアタリが見られます。アタリのでき方も自然な感じです。
このことからThe Wild Oneのマーロンブランドの様な改造の仕方でアウトシームを詰めてはいないと推測します。
しかし、ツイートで添付している写真や添付のYouTubeのビデオからは、どう見てもオリジナルの501XXのシルエットには見えません。
恐らくマックイーンの場合は、インシーム側を詰めていると思います。このやり方だとアウトシームのアタリはオリジナルの様にできるので、現在の様に色落ちにこだわる人達には好ましいやり方です。
この映画の時代、60年代の中頃でジーンズの色落ちの仕方を気にする人はいなかったと思いますが、改めて色々と面白いなと思いました。
追記:本記事投稿後、baby the rain must fallでマックイーンが穿いていた501xxについて更に具体的な写真が見つかりました。
関連記事:
[スティーブマックイーンの501XXシルエット改造について ##link##]
ヴィンテージのジーンズは、生地の色味や雰囲気、色落ち等が大きな魅力ですが、マックイーンの写真はジーンズの魅力はそれだけでないことを物語っています。
そして、この改造したシルエットが現代的なスタイルに通じるものがあるのが興味深いところです。この映画のマックイーンが穿いているジーンズのシルエットが後々のジーンズのシルエットに影響を与えた可能性もあるかと思います。
60年代の中頃以前までは、ジーンズのシルエットに大きなバリエーションはなかったので、基本である501を使用して、シルエットを改造することはファッションやスタイルにこだわる人達の間では、比較的一般的だったのかもしれません。
一方、今改めて50年代の501を見ると、時代を感じさせるいかにもワークウェア的なシルエットにも魅力を感じます。
The Wild Oneやこのマックイーンの衣装を見て、その当時(50年代に)501XXを買って穿いてみて、「なんだか全然違う様な気がする。」と不思議に思った人もいたのではないかと思います。
そんなことを思いめぐらしたりするのも、私にとってのヴィンテージの楽しさの一つです。ヴィンテージには本当に色々な魅力や楽しみがあると思います。
追記: ここでは60年代の映画の中でのマックイーンの衣装にスポットをあてて書きました。70年代、マックイーンはLeeのデニムジャケットとジーンズをプライベートでも愛用していました。そのことについても投稿しております。ご興味のある方、是非、ご覧になってみて下さい。
関連記事:
[スティーブマックイーンとLee 101-J ##link##]
1965年に上映された"baby the rain must fall"の中での彼の衣装、ラングラーの名品、デニムのウエスタンシャツ、27MWにリーバイス501の組み合わせは、デニム好きの人々の間では良く知られています。
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この写真は撮影中に撮られた珍しいカラーの写真です。(映画はモノクロです。後で着色された可能性もあります。(高いかもしれません。))
ポケットのラングラーのサイレントWがはっきりと分かります。襟等を見るとそれなりに色落ちして、着込んで良い感じになっています。
baby the rain must fallについてのWikipediaの記事の中からあらすじを訳して紹介します。
baby the rain must fall, Distributed by Columbia Pictures, 1965
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baby the rain must fall ポスター, Columbia Pictures |
Baby the Rain Must Fallは、1965年に公開されたアメリカのドラマフィルムです。主演はLee Remickとスティーブ・マックイーン。Robert Mulligan監督(ディレクター)。脚本は、ドラマ作家Horton Footeが、彼の1954年の演劇作品、The Traveling Ladyを元に制作しました。
映画のストーリーは、主人公の女性ジオグレットと6才の娘マーガレットが、彼女の夫、ヘンリー(マックイーン)に会いに東テキサスの街Tylerからヘンリーのホームタウンのあるテキサスの南東の小さな街、Columbusに行くところから始まります。ヘンリーは、無責任な感じのロカビリー歌手・ギターリストです。酔っぱらいの喧嘩で人を刺し刑期を終えて出所したばかりでした。マーガレットのことなど一切考えていませんでした。
ヘンリーは(マーガレットが彼の実の娘であることを気付いていない様子ながらも)、彼の家族との生活を再び築こうと努めますが、ヘンリーの両親が亡くなった後、彼を育てた独り者の老女、ケイトが彼の生き方に強い影響力を持ち続け、彼の努力を削ごうとします。
そして、彼女(ケイト)の要求、歌を諦め、学校に行き職に就くことを受け入れないと、彼を牢屋に再び入れてやると何度も脅します。ヘンリーはこの要求に抵抗し、パートタイムで仕事をしながら、歌を歌い続け、いつか”スター”になるとジオグレットにも信じさせます。
ケイトがとうとう死に葬式が行われた後の晩、ヘンリーは酔っぱらいながら、彼女の遺品(ベッドループのそばにかけられていたヘンリーを叩いたベルト等いくつかのショット)を破壊して立ち去り、車で墓場のゲートに衝突した後、ケートの埋葬されている墓を踏みにじります。
彼は刑務所に戻されることになりました。ジオグレットとマーガレットは、ヘンリーの子供時代の友人の保安官Slimと一緒にColumbusを去ります。SlimはジオグレットとマーガレットがColumbusに到着する前から、ヘンリーを矯正しようとしていましたが、できませんでした。ジオグレットは、自分を責めようとするヘンリーの痛みを和らげ愛そうと努めますが、失敗に終わりました。Slimとジオグレットはお互いに惹かれ合っていることは明らかでした。
最後のシーンで、先が見えない混乱が去った後、彼らは車に荷物を詰め、借りていた家を出た後、交差点の一時停止場所で、ジオグレットはヘンリーが保安官の車(囚人を乗せる車)に乗せられたヘンリーを見て、マーガレットが気づく前に彼女の目を”ペン”を見せて逸らさせます。
街を出て、オープンハイウェイに入った時、どこに行くのかと言うマーガレットの質問にジオグレットは、遠く離れた暖かい街、Rio Grande Valleyで新しい生活を一緒に始めると答えます。ジオグレットはマーガレットに、彼女たちはLoveladyからTylerへ、TylerからColumbusへ、そして今、遠く離れた渓谷(Valley)に向かう長い旅を続けてきたと話します。(Loveladyは、ジオグレットの生まれ育った街で、そこでヘンリーと出会い、結婚しました。)
引用訳終わり
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- ##hand-o-right## コメント
- 最後のジオグレットのマーガレットへの言葉が、作品の元となった原作”The Traveling Lady”に繋がっていると思います。
このヘンリーの役柄は、心理的に複雑で込み入っています。この映画の陰鬱で難解なキャラクター設定をこなした事で、マックイーンはさらに有名になりました。
"baby the rain must fall”のトレイラーのYouTubeビデオです。
私はマックイーンが27MWと501を組み合わせて着て映画にでていた事だけは知っていました。しかし、今週のブログ記事のThe Wild Oneでのマーロンブランドの穿く501XXのシルエットの変更の様にマックイーンもシルエットをいじった501を穿いていたとツイッターでやり取りをさせていただいている方から教えていただきました。
以下は映画内のスクリーンショットと関連のツイートです。
スティーブマックイーンもシルエットを改造した501を穿いていたとの情報を@T2K402 さんから頂きました。1965年に放映されたbaby the rain must fallでの1シーンです。この時は501XXです。 pic.twitter.com/zvnfbaAMJb
— AGR/私のリーバイス (@LonghornImport) October 1, 2013
ジーンズ自体はある程度穿き込まれてこなれた感じなので、どんなに新しいものであっても1964年製、1963年頃の501XXの可能性が高いです。
マックイーンの穿いている501XXは、ギャラ無し(比較的初期)の可能性が高く、またはギャラ入りの後期(最終期)と推測します。60年代前半以前の501XXはテーパードはきつくありません。
これに対して、マックイーンの501は全体的にかなり細い事、裾にかけてかなり細くなっているのが印象的です。
もう少し細かく見てみましょう。

上の左の写真を見ると裾を少しロールアップしているところから見える(枠で囲った部分)耳の幅は通常の幅程度の様に見えます。
また、上右の写真ではアウトシームのアタリが見られます。アタリのでき方も自然な感じです。
このことからThe Wild Oneのマーロンブランドの様な改造の仕方でアウトシームを詰めてはいないと推測します。
しかし、ツイートで添付している写真や添付のYouTubeのビデオからは、どう見てもオリジナルの501XXのシルエットには見えません。
恐らくマックイーンの場合は、インシーム側を詰めていると思います。このやり方だとアウトシームのアタリはオリジナルの様にできるので、現在の様に色落ちにこだわる人達には好ましいやり方です。
この映画の時代、60年代の中頃でジーンズの色落ちの仕方を気にする人はいなかったと思いますが、改めて色々と面白いなと思いました。
追記:本記事投稿後、baby the rain must fallでマックイーンが穿いていた501xxについて更に具体的な写真が見つかりました。
関連記事:
[スティーブマックイーンの501XXシルエット改造について ##link##]
ヴィンテージのジーンズは、生地の色味や雰囲気、色落ち等が大きな魅力ですが、マックイーンの写真はジーンズの魅力はそれだけでないことを物語っています。
そして、この改造したシルエットが現代的なスタイルに通じるものがあるのが興味深いところです。この映画のマックイーンが穿いているジーンズのシルエットが後々のジーンズのシルエットに影響を与えた可能性もあるかと思います。
60年代の中頃以前までは、ジーンズのシルエットに大きなバリエーションはなかったので、基本である501を使用して、シルエットを改造することはファッションやスタイルにこだわる人達の間では、比較的一般的だったのかもしれません。
一方、今改めて50年代の501を見ると、時代を感じさせるいかにもワークウェア的なシルエットにも魅力を感じます。
The Wild Oneやこのマックイーンの衣装を見て、その当時(50年代に)501XXを買って穿いてみて、「なんだか全然違う様な気がする。」と不思議に思った人もいたのではないかと思います。
そんなことを思いめぐらしたりするのも、私にとってのヴィンテージの楽しさの一つです。ヴィンテージには本当に色々な魅力や楽しみがあると思います。
追記: ここでは60年代の映画の中でのマックイーンの衣装にスポットをあてて書きました。70年代、マックイーンはLeeのデニムジャケットとジーンズをプライベートでも愛用していました。そのことについても投稿しております。ご興味のある方、是非、ご覧になってみて下さい。
関連記事:
[スティーブマックイーンとLee 101-J ##link##]
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