市場でヴィンテージリーバイス501XXと一般的に呼ばれるモデルは、第二次世界大戦後の1940年代後半から1960年代後半までの期間に製造された501のことを示します。
501XXは、製造年代とディテールの特徴などからいくつかのモデルに分類されます。ヴィンテージ リーバイス 501の種類については、以下の記事をご参照下さい。
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[ヴィンテージ リーバイス 501の種類と特徴 ##link##]
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501XXの中でも、特に有名で人気が高いのが、片面タブの付いた革パッチの501XXです。(価格も高いです。)
リーバイスのジーンズに最初に赤いリボン(タブ)が取り付けられたのは1936年です。最初期のタブは、表側のみLEVI'Sの表記があり、裏側は無地(ブランク)になっているのが特徴です。表のみの表記なので、通称”片面タブ”と呼ばれています。
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[ビッグE赤タブの種類と年代について ##link##]
片面タブの501XXは、”47モデル”、”47年モデル”とも呼ばれています。片面タブや47モデルと言ったヴィンテージ501のモデル名は、古着業界・ヴィンテージ市場で、慣用的に使われている名前です。
明確に定義されているものではなく、愛称のようなものです。人によって呼び方が若干異なったり、その人の解釈・定義が違ったりすることもあります。
また、47年モデルと言っても、1947年に製造された製品とは限りません。また、1947年にモデルチェンジが行われたと言うのが通説ですが、リーバイス社の資料には1947年ではなく、1947年頃と記載されています。
終戦は1945年です。大戦中以前に使われていた古いパーツが使用されている501XXは、終戦直後に製造されたモデルであると考えられています。戦後直後と思われる古いパーツを使用した501は、1946年モデルと呼ばれたりもしています。
古いパーツを使用している片面タブの501XXと47年モデルを一緒にする考えもあります。年によって仕様が変更になったとリーバイスが明確な資料を公開しているわけではありません。
60年代以前の501のモデルの区分け、年代は、推定になることがほとんどです。年代推定の根拠となる材料とその信頼度などによっても推定年代が変わる可能性があります。
現時点では戦後、501のモデルチェンジが行われたのは1947年との見方が一般的ですが、実際には47年より前にモデルチェンジが行われた可能性もあります。
また、通常、1950年前半に製造された(と推測される)501でも、タブが片面タブであれば、47モデルとして扱われるのが通例です。1960年代以前のヴィンテージ製品の製造年を特定することは、基本的に難しいです。
片面タブの501XXは、通常、ディテールなどから(最)初期、中期、後期に分類することができます。
本記事では、片面タブの初期モデルをディテール等の特徴や魅力を含めて紹介します。
本品はウエストに比べてレングスが長めです。ほとんどテーパードがかかっていません。
501XXは、ヒップ周りがゆったりしたシルエットのものが多いのですが、本品のようにヒップ周辺が細身のものもあります。
とても魅力的な色落ちをしています。写真ではあまり分かりづらいかもしれません。穴や補修などのダメージもありますが、それらを含めて、さすが片面と思わせる格好良さ、佇まい、醸し出すオーラを備えています。
ヒゲはあまり明確でなく、その代わり左右のポケットの中に財布か何かを入れていたと思われるアタリ・色落ちが形成されています。
実際に穿いてみると、かなりカッコ良いです!ヒゲが明確でなくても、格好良いなと思いました。(この写真ではあまりそう見えないです。実際に穿くとそう思うのです。)
ボタン裏はドーム型と呼ばれる形状がフラットではなく起伏があり、さらにツープロングと呼ばれるボタンの取り付け用の爪が内側から隆起しているタイプです。比較的年代が古いモデルのボタン裏で見られる形状です。
リベットは、小さめの字体で中央によったタイプです。このリベットは、主に40年代に使用されました。
片面タブの終わり頃に、大きめの字体で彫の浅い刻印のリベットに移行します。
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[1930年代から1950年代のリーバイス・ジーンズとジージャンに使用されているリベット ##link##]
ウォッチポケットの入り口裏は、セルビッジです。
ウォッチポケット入り口裏は、セルビッジとそうでないものと両方が存在します。
フライボタンは、文字のバックグラウンドがフラットなタイプです。Rは通常Rです。このフライボタンのタイプは、初期革パッチ両面タブタブまで使用されました。基本的に片面タブの場合は、全てこのタイプのフライボタンです。
一般的に、内側のフライ部の下、”持ち出し”と呼ばれる部分が切りっ放しになっているディテールを備えていると片面タブの初期モデルと判定します。
持ち出しが切りっ放しのディテールは、大戦モデル以前に見られるディテールで、戦後の片面タブの多くは、この部分が折り込まれてステッチが入れられています。
持ち出し切りっ放しのディテールで、通称”大戦リベット”と呼ばれる大戦モデルでよく見られる隠しリベットの角が滑らかになっているリベットが使用されているものは、大戦直後のモデルと判定することが多いです。
後ろ全体の写真です。ロールアップの痕が目立ちます。
古い年代(50年代以前)はロールアップして穿くのが一般的だったので、多くのユーズドの革パッチ501XXは、このようなロールアップ痕があります。
現行のLVCのユーズド加工で、ロールアップ痕を付けられているものを見たことがありません。また、色落ち追求のレプリカ愛好家で、わざとロールアップ痕を作る人はあまりいないように思います。
裾はオリジナルのチェーンステッチです。チェーンステッチのねじれはあまり明確にできていません。
普通のヴィンテージ501だったら、裾のチェーンステッチによるねじれはやっぱりあって欲しいと思います。「ねじれがなくてもいいや」と思ってしまうから不思議です。
本品で興味深いと思ったのが、全体的に色落ちがかなり進行しているにも関わらず、裾に近い方は、色が濃紺なことです。途中で折り返して、裾付近とヒップ付近を比べてみると、色の違いが驚くほどあります。
下は境界部の拡大写真です。
同じジーンズとは思えないくらい差があります。
一般的に、色落ちが進行したヴィンテージは、裾付近は色がかなり残っていることが多いのですが、ここまで差があるのはとても印象的です。
もう一つ上の写真をご覧いただければ、ロールアップの部分が色が残っているというだけではないことがお分かり頂けるかと思います。
手持ちのもう一本の片面タブ(右)と一緒に撮ってみました。
生地の色落ちの傾向は似ています。しかし、左は青みが強い色味、右はくすんだ感じの色をしています。アーキュエットステッチの形状も異なります。
ヴィンテージはそれぞれが本当に個性的です。
右の片面タブに最初に出会った時、片面タブはやはり良いなと感動しましたが、今回の片面タブと出会って、ダメージがあっても魅力的だな感じました。
ヴィンテージは、実際に手にしてみないと分からない魅力があります。そして、出会って考えを改めたりすることもあったりします。ヴィンテージでは、出会いの妙を感じることが多いです。
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[ヴィンテージ 501XX 革パッチ 片面タブ ##link##]
501XXは、製造年代とディテールの特徴などからいくつかのモデルに分類されます。ヴィンテージ リーバイス 501の種類については、以下の記事をご参照下さい。
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ヴィンテージ 501xx 片面タブとは?
501XXの中でも、特に有名で人気が高いのが、片面タブの付いた革パッチの501XXです。(価格も高いです。)
リーバイスのジーンズに最初に赤いリボン(タブ)が取り付けられたのは1936年です。最初期のタブは、表側のみLEVI'Sの表記があり、裏側は無地(ブランク)になっているのが特徴です。表のみの表記なので、通称”片面タブ”と呼ばれています。
[ビッグE赤タブの種類と年代について ##link##]
片面タブ 501xxのモデル名、呼称について
片面タブの501XXは、”47モデル”、”47年モデル”とも呼ばれています。片面タブや47モデルと言ったヴィンテージ501のモデル名は、古着業界・ヴィンテージ市場で、慣用的に使われている名前です。
明確に定義されているものではなく、愛称のようなものです。人によって呼び方が若干異なったり、その人の解釈・定義が違ったりすることもあります。
また、47年モデルと言っても、1947年に製造された製品とは限りません。また、1947年にモデルチェンジが行われたと言うのが通説ですが、リーバイス社の資料には1947年ではなく、1947年頃と記載されています。
終戦は1945年です。大戦中以前に使われていた古いパーツが使用されている501XXは、終戦直後に製造されたモデルであると考えられています。戦後直後と思われる古いパーツを使用した501は、1946年モデルと呼ばれたりもしています。
古いパーツを使用している片面タブの501XXと47年モデルを一緒にする考えもあります。年によって仕様が変更になったとリーバイスが明確な資料を公開しているわけではありません。
60年代以前の501のモデルの区分け、年代は、推定になることがほとんどです。年代推定の根拠となる材料とその信頼度などによっても推定年代が変わる可能性があります。
現時点では戦後、501のモデルチェンジが行われたのは1947年との見方が一般的ですが、実際には47年より前にモデルチェンジが行われた可能性もあります。
また、通常、1950年前半に製造された(と推測される)501でも、タブが片面タブであれば、47モデルとして扱われるのが通例です。1960年代以前のヴィンテージ製品の製造年を特定することは、基本的に難しいです。
片面タブの501XXは、通常、ディテールなどから(最)初期、中期、後期に分類することができます。
501xx 片面タブの初期モデルの魅力とディテールの特徴
本記事では、片面タブの初期モデルをディテール等の特徴や魅力を含めて紹介します。
本品はウエストに比べてレングスが長めです。ほとんどテーパードがかかっていません。
501XXは、ヒップ周りがゆったりしたシルエットのものが多いのですが、本品のようにヒップ周辺が細身のものもあります。
とても魅力的な色落ちをしています。写真ではあまり分かりづらいかもしれません。穴や補修などのダメージもありますが、それらを含めて、さすが片面と思わせる格好良さ、佇まい、醸し出すオーラを備えています。
ヒゲはあまり明確でなく、その代わり左右のポケットの中に財布か何かを入れていたと思われるアタリ・色落ちが形成されています。
実際に穿いてみると、かなりカッコ良いです!ヒゲが明確でなくても、格好良いなと思いました。(この写真ではあまりそう見えないです。実際に穿くとそう思うのです。)
ボタン裏はドーム型と呼ばれる形状がフラットではなく起伏があり、さらにツープロングと呼ばれるボタンの取り付け用の爪が内側から隆起しているタイプです。比較的年代が古いモデルのボタン裏で見られる形状です。
リベットは、小さめの字体で中央によったタイプです。このリベットは、主に40年代に使用されました。
片面タブの終わり頃に、大きめの字体で彫の浅い刻印のリベットに移行します。
関連記事:
[1930年代から1950年代のリーバイス・ジーンズとジージャンに使用されているリベット ##link##]
ウォッチポケットの入り口裏は、セルビッジです。
ウォッチポケット入り口裏は、セルビッジとそうでないものと両方が存在します。
フライボタンは、文字のバックグラウンドがフラットなタイプです。Rは通常Rです。このフライボタンのタイプは、初期革パッチ両面タブタブまで使用されました。基本的に片面タブの場合は、全てこのタイプのフライボタンです。
片面タブ初期特有のディテールとは?
一般的に、内側のフライ部の下、”持ち出し”と呼ばれる部分が切りっ放しになっているディテールを備えていると片面タブの初期モデルと判定します。
持ち出しが切りっ放しのディテールは、大戦モデル以前に見られるディテールで、戦後の片面タブの多くは、この部分が折り込まれてステッチが入れられています。
持ち出し切りっ放しのディテールで、通称”大戦リベット”と呼ばれる大戦モデルでよく見られる隠しリベットの角が滑らかになっているリベットが使用されているものは、大戦直後のモデルと判定することが多いです。
ダメージがあっても魅力的!
後ろ全体の写真です。ロールアップの痕が目立ちます。
古い年代(50年代以前)はロールアップして穿くのが一般的だったので、多くのユーズドの革パッチ501XXは、このようなロールアップ痕があります。
現行のLVCのユーズド加工で、ロールアップ痕を付けられているものを見たことがありません。また、色落ち追求のレプリカ愛好家で、わざとロールアップ痕を作る人はあまりいないように思います。
- [message]
- ##hand-o-right## コメント
- ジーンズの色落ちのユーザー嗜好や色落ち加工は、ヴィンテージ501の色落ちを元にしていることが多いですが、ロールアップ痕は好評ではないのか、再現されているのを見たことがありません。
裾はオリジナルのチェーンステッチです。チェーンステッチのねじれはあまり明確にできていません。
普通のヴィンテージ501だったら、裾のチェーンステッチによるねじれはやっぱりあって欲しいと思います。「ねじれがなくてもいいや」と思ってしまうから不思議です。
本品で興味深いと思ったのが、全体的に色落ちがかなり進行しているにも関わらず、裾に近い方は、色が濃紺なことです。途中で折り返して、裾付近とヒップ付近を比べてみると、色の違いが驚くほどあります。
下は境界部の拡大写真です。
同じジーンズとは思えないくらい差があります。
一般的に、色落ちが進行したヴィンテージは、裾付近は色がかなり残っていることが多いのですが、ここまで差があるのはとても印象的です。
もう一つ上の写真をご覧いただければ、ロールアップの部分が色が残っているというだけではないことがお分かり頂けるかと思います。
手持ちのもう一本の片面タブ(右)と一緒に撮ってみました。
生地の色落ちの傾向は似ています。しかし、左は青みが強い色味、右はくすんだ感じの色をしています。アーキュエットステッチの形状も異なります。
ヴィンテージはそれぞれが本当に個性的です。
右の片面タブに最初に出会った時、片面タブはやはり良いなと感動しましたが、今回の片面タブと出会って、ダメージがあっても魅力的だな感じました。
ヴィンテージは、実際に手にしてみないと分からない魅力があります。そして、出会って考えを改めたりすることもあったりします。ヴィンテージでは、出会いの妙を感じることが多いです。
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[ヴィンテージ 501XX 革パッチ 片面タブ ##link##]
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