ヴィンテージやオールドのリーバイスのジーンズやジージャンのボタン裏の刻印は、年代等を判定する重要な材料、情報の一つです。ボタン裏刻印はその製品が作られた工場、またはラインを示すと一般的に認知されています。
ボタン裏刻印が555は、サンフランシスコのバレンシア工場製であることを意味するのは、比較的広く知られています。555は復刻(LVC)の製品で使われるボタン裏として特に有名です。
ボタン裏の刻印に3桁の数字が使用される様になったのは、ジージャンでは1960年代の後半のビッグEの70505から、ジーンズでは80年代の初頭の赤耳からです。赤耳以降の米国製501のボタン裏には、基本的に最初が5または6で始まる3桁の数字が刻まれています。
[post_ads]
ボタン裏刻印が製造工場を意味する事は一般的に認知されていましたが、555以外の番号についてどこの工場なのか等の情報は今まで見た事がありませんでした。
しかし今回、555以外のボタン裏刻印が示す資料を発見しました!!それは、今回入手した80年代前半の501のポケットの中に入っていた2枚の紙の一枚です。
一枚は、リーバイスの会社名と"Thank you"の印刷、もう一枚は"Levi's Promise"とプリントされた紙です。一枚目は、いわゆるサンキューカードの様なものです。もう一枚の拡大写真を以下に添付します。
リーバイスはジーンズを発明、販売開始した当初から品質保証を謳っています。この紙に書かれている事は、リーバイスのジーンズを購入した人が満足いかない場合、全額返金、または、新品と交換する品質保証の説明です。
楕円形の外側の枠には、『リーバイス社の品質基準であることを検査し、それを保証します。』と言った意味の記載("Inspected to insure, Levi's Quality Standards")があります。
そして、中央に"EL PASO 524M TX"と記されています。この品質検査を行った場所はテキサス州のエルパソ(工場)であることを示しています。
これを見た時、私の目はEL PASOとTX(テキサス州の略)の間にある524(M)の数字が目に飛び込んできました。
この紙の存在に気づく前に、既にこの501のボタン裏はチェックしていました。刻印は524でした。内側の取り扱い説明タグにもボタン裏刻印と同じ番号が記載されています。
ボタン裏刻印の番号と上で紹介した品質保証の紙に書かれているエルパソ524の番号が一致します。
上の品質保証の紙は、本品が524=エルパソ工場で製造された事を示す資料と言えます。
80年代、リーバイス社はエルパソにかなりの規模の生産拠点を持っていました。524が全てのエルパソの工場を意味するのかは不明ですが、少なくとも524がエルパソ工場を意味する事は分かりました。
また、今回発見した情報から、ボタン裏刻印の番号は製造ラインと言うよりも、工場、または生産拠点の地域(場所)を示す可能性が高いと考えられます。さらに突き進めて言うと、当時、主要な生産拠点では複数の工場があったため、特定の工場ではなく(複数の)工場がある場所(街)を意味する可能性が高いと思います。
リーバイス社内には、ボタン裏刻印番号についての資料や情報が保管されていると思いますが、具体的な内容について外部に明らかになる様な情報・資料は今まで見た事がありませんでした。
これから他の番号が意味する内容、そして、さらに古い年代のアルファベットや一桁や二桁の数字の具体的な意味が判明すると良いなと思っています。
COMMENTS