ジーンズ誕生の原点であるデニムパンツのポケットにリベットを取り付ける伝統的仕様は、現行の製品にも引き継がれています。リーバイスのデニム製品に取り付けられているリベットは、年代によって表記・刻印などに特徴があります。リベットも年代・モデルを判定する上で重要な判断材料となります。
501などのリーバイスデニム製品に取り付けられているリベットは、伝統的に"L.S & CO. - SF. -”と社名と本社地元サンフランシスコの略語が刻まれているのが特徴です。
リーバイスリベットの伝統的表記形式
501などのリーバイスデニム製品に取り付けられているリベットは、伝統的に"L.S & CO. - SF. -”と社名と本社地元サンフランシスコの略語が刻まれているのが特徴です。
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50年代リーバイス501革パッチのリベット |
これから1930年代から1950年代のリーバイス501xx/506xx/507xxに使用されているリベットを順を追って紹介します。
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1930年代後半以前のバックルバックの501XXや506xxのリベットは、L.S & Coとoが小文字になっているのが表記上の特徴です。oの下にアンダーバーがあるものと無いもの2種類の存在が確認されています。
下は針シンチ506xxの胸ポケット部のリベットです。oが小文字でアンダーバーの入るタイプのリベットです。
1940年代前半は第二次世界大戦中です。通称大戦モデルと呼ばれる簡素化したデザインの501xxや506xxには、汎用品と思われる無刻印のリベットが使われているものが少なからずあります。
大戦モデルの501xxには、文字が全体的に小さく中心によった表記タイプのリベットが使用されているものがあります。この表記タイプのリベットは、片面タブ501xxの前期と506xxの針シンチとその後継の針無しシンチのモデルに使用されているのが特徴の一つです。
片面タブの501xxの場合、この表記タイプのリベットであれば、前期(1940年代)の可能性が高いです。
片面タブの501xxの後期のモデルのリベットは、文字が大きく彫りが浅めの表記の特徴を備えています。
片面タブの501xxの場合、リベットの文字が小さく中央寄りの場合は1940年代後半、彫りが浅く文字が大きいリベットの場合は、1950年代初め頃と判定するケースが多いです。
この彫りが浅く文字が大きいリベットは、後継モデル両面タブ、革パッチベルトループセンターセットの501xxにも使用されています。
このリベットは、1953年に登場した通称セカンドと呼ばれる革パッチ507xxとブランケット付きバージョンの517xxにも使用されています。
革パッチ501XXのベルトループは、センターセットからオフセットに移行する前にベルトループは、それまでの極太から通常の太さになります。(革パッチ501XX中期)
この仕様変更とほぼ同時期頃から、リベットのオス部の素材が銅から鉄に変更になります。下の写真は、革パッチ501XX通常幅のベルトループセンターセットのリベットです。
この年代のリベットから、(鉄分が含まれるため)磁石にくっつくようになります。
[ヴィンテージ 501XX 革パッチ センターセット 通常ベルトループ ##link##]
ベルトループが通常幅に変更後、比較的すぐにセンターバックのベルトループはオフセットに変更となります。
[50年代 501XX オフセットベルトループ 推定革パッチ ##link##]
上の画像のベルトループオフセットの革パッチのリベットは、少し彫りが深い感じがします。革パッチ前期に比べると、刻印が読み取りやすくなっています。(誤差の範囲かもしれません。)
手元には紙パッチギャラ入り501XXはありませんが、同年代の推定紙パッチの507xxがあります。(507xxの紙パッチは基本的に全てギャラ入りです。例外はありますが、ここでは割愛します。)上の通常幅ベルトループセンターセット501XXのリベットと似た感じの変色をしています。
もう一つの紙パッチの507xxのリベットです。リベットの変色の傾向は似ています。
本記事でここまで紹介してきたリベットの中で一番新しい年代のギャラ入り紙パッチからさらに55年以上後の現行501STFに取り付けられているリベットです。
表記は、"L.S & CO. - SF. -”で変わっていません。長い年月を経てもジーンズの原点であるリベットの刻印は、リーバイスの伝統を引き継いでいる証と言えると思います。
関連記事:
[リベット取り付け特許発明者Jacob Davisについて ##link##]
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1930年代以前のリベットの特徴
1930年代後半以前のバックルバックの501XXや506xxのリベットは、L.S & Coとoが小文字になっているのが表記上の特徴です。oの下にアンダーバーがあるものと無いもの2種類の存在が確認されています。
下は針シンチ506xxの胸ポケット部のリベットです。oが小文字でアンダーバーの入るタイプのリベットです。
1940年代前半のリベットの特徴
1940年代前半は第二次世界大戦中です。通称大戦モデルと呼ばれる簡素化したデザインの501xxや506xxには、汎用品と思われる無刻印のリベットが使われているものが少なからずあります。
1940年代前半から片面タブ501xx前期に使われたリベットの特徴
大戦モデルの501xxには、文字が全体的に小さく中心によった表記タイプのリベットが使用されているものがあります。この表記タイプのリベットは、片面タブ501xxの前期と506xxの針シンチとその後継の針無しシンチのモデルに使用されているのが特徴の一つです。
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推定1940年代後半リーバイス501xx 片面タブのリベット |
- [message]
- ##hand-o-right## 備考
- 片面タブの501xxの場合、リベットと他のディテールで前期か後期かの判別ができます。
1950年代初め頃からのリベットの特徴
片面タブの501xxの後期のモデルのリベットは、文字が大きく彫りが浅めの表記の特徴を備えています。
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ヴィンテージリーバイス 片面タブ後期501XXのリベット |
この彫りが浅く文字が大きいリベットは、後継モデル両面タブ、革パッチベルトループセンターセットの501xxにも使用されています。
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ヴィンテージリーバイス 両面タブ革パッチ初期501XXのリベット |
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ヴィンテージリーバイス 革パッチ517xxのリベット |
革パッチ中後期頃からのリベットの特徴
革パッチ501XXのベルトループは、センターセットからオフセットに移行する前にベルトループは、それまでの極太から通常の太さになります。(革パッチ501XX中期)
この仕様変更とほぼ同時期頃から、リベットのオス部の素材が銅から鉄に変更になります。下の写真は、革パッチ501XX通常幅のベルトループセンターセットのリベットです。
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革パッチ501XXセンターセット通常幅ベルトループのリベット |
[ヴィンテージ 501XX 革パッチ センターセット 通常ベルトループ ##link##]
ベルトループが通常幅に変更後、比較的すぐにセンターバックのベルトループはオフセットに変更となります。
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革パッチ501XXオフセットベルトループのリベット |
上の画像のベルトループオフセットの革パッチのリベットは、少し彫りが深い感じがします。革パッチ前期に比べると、刻印が読み取りやすくなっています。(誤差の範囲かもしれません。)
紙パッチギャラ入りのリベット
手元には紙パッチギャラ入り501XXはありませんが、同年代の推定紙パッチの507xxがあります。(507xxの紙パッチは基本的に全てギャラ入りです。例外はありますが、ここでは割愛します。)上の通常幅ベルトループセンターセット501XXのリベットと似た感じの変色をしています。
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507xx 紙パッチのリベット |
ギャラ入りかから55年以上後の現行501のリベット
本記事でここまで紹介してきたリベットの中で一番新しい年代のギャラ入り紙パッチからさらに55年以上後の現行501STFに取り付けられているリベットです。
表記は、"L.S & CO. - SF. -”で変わっていません。長い年月を経てもジーンズの原点であるリベットの刻印は、リーバイスの伝統を引き継いでいる証と言えると思います。
関連記事:
[リベット取り付け特許発明者Jacob Davisについて ##link##]
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