通称ファーストと呼ばれるヴィンテージ・リーバイスのジージャンは、背部のウエストバンドの少し上にサイズを調節するシンチバックベルトが付いているのが特徴の一つです。
506xxは、背中下部中央、ウエストバンドの少し上にシンチと呼ばれるサイズ調整用のベルトが付いているのが特徴の一つです。ベルトの取り付けはリベットで行っています。
ベルトを固定するバックルは、2本の針付きのものと針なしのものがあります。古い年代のモデルは、針付きのバックルを使用しています。
この針付きバックルは、鞍や車の椅子、家具などを傷つけると不評だったため、1940年代後半から針なしのバックルに変更になりました。
このシンチバックのバックルは、針付きのものと針なしのものがあります。前者が古く、後者は1940年代の後半から採用されています。
針付きのシンチバックの506xxを紹介します。
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針シンチのヴィンテージリーバイス506xx |
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506xx 外観・仕様上の主な特徴
506xxは、フロント胸ポケットが左に一つ(写真では向かって右)付いているのが外観上の大きな特徴です。
古い年代のデニムジャケットでは、フロントボタンの両脇にプリーツが入るのが伝統的な仕様です。リーバイスのファーストとセカンドでは、プリーツを固定するために横に細長い四角・ボックス型のステッチが左右6カ所に入ります。
レッドタブ
通称片面タブと呼ばれる最初期の赤タブが付いています。片面タブは、表側はLEVI'Sの表記が入り裏側はブランクであることから呼ばれるようになったと思われます。
片面タブには、商標登録を示す®は入りません。
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- ##hand-o-right## 備考
- 赤タブが最初にジーンズ(当時の呼称オーバーオール=501)に取り付けられたのは1936年9月1日、デニムジャケットに取り付けられたのは1937年7月1日であるとリーバイスの赤タブの特許申請書類に記載されています。
リベットによる胸ポケットの取り付け強化
506xxは、胸ポケットの取り付け強化にリベットを使用しているのが特徴の一つです。後継モデル507xxからは、リベットからバータックに仕様変更となります。
ボタン裏の形状
ボタン裏は、取り付けされた際、ボタン雄部にある二つ爪(ツープロング)が少し隆起した状態になっています。1940年代以前の製品のボタン裏で比較的良く見られる形状です。
ボタンの脇にセルビッジが見えます。前立ての裏にセルビッジがあるのは、ファーストとセカンドの特徴です。
パッチ部
パッチは取れてしまっていますが、パッチ取り付けステッチに部分的に革パッチの破片が残っています。また、パッチ取り付け取り付けステッチの上(辺)に取り付けられた白い布が残っています。この白い布にはサイズがスタンプされるものです。
革パッチは、ステッチを綺麗に外さない限り、上の写真のようにパッチの断片がステッチに残ることが多いです。本品は、下側のパッチ取り付けステッチは一部外れています。
背中側
506xxは、着丈が短く、ウエストに絞りが入らないボックス型のシルエットが特徴です。アームホールも細めです。
下の画像は1934年頃に撮影されたカウボーイの後ろ姿です。シンチバックベルトで少し絞って着ています。脚にはチャップスを付けています。とても雰囲気を感じさせる写真です。
ジャケットのシルエット、シンチバック、バックヨークの形状とその下のギャザー、パッチのステッチなどから506xxと思われます。上の写真と見比べて見ると共通の特徴を持つことが、お分かり頂けるますでしょうか?
ジャケットのシルエット、シンチバック、バックヨークの形状とその下のギャザー、パッチのステッチなどから506xxと思われます。上の写真と見比べて見ると共通の特徴を持つことが、お分かり頂けるますでしょうか?
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Photo: McCormick Co., Amarillo, Texas |
シンチベルトとバックル
506xxは、背中下部中央、ウエストバンドの少し上にシンチと呼ばれるサイズ調整用のベルトが付いているのが特徴の一つです。ベルトの取り付けはリベットで行っています。
ベルトを固定するバックルは、2本の針付きのものと針なしのものがあります。古い年代のモデルは、針付きのバックルを使用しています。
この針付きバックルは、鞍や車の椅子、家具などを傷つけると不評だったため、1940年代後半から針なしのバックルに変更になりました。
現代では衣料品に尖った針が付いているバックル(と言ってもそれほどシャープではないです。)と言うのは考えられないと思います。
針付きと針なしを見比べると、やはり針付きに魅力を感じてしまいます。古ければ良いというものではないですが、針付きシンチは、古き良き時代のアメリカ西部文化を連想させてくれるところも大きな魅力の一つです。
針付きと針なしを見比べると、やはり針付きに魅力を感じてしまいます。古ければ良いというものではないですが、針付きシンチは、古き良き時代のアメリカ西部文化を連想させてくれるところも大きな魅力の一つです。
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