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現行501シュリンクトゥフィットと現行505リジッドのディテール比較

501と505の違い


「リーバイスの501と505の違いは?」と疑問を持たれる方も少なくないと思います。

また、501はボタンフライ、505はジップフライであることは比較的知られていますが、それ以外に何か差があるのか?については、意外と知られていないと思います。

さらに両者の仕様やシルエット等の差は年代によっても異なります。

今回、Webストアで501シュリンクトゥフィットと505リジッドを同時にご注文下さったお客様用の品が入荷しました。

お客様に「せっかくの機会なので、両製品のディテールやシルエット等について比較した記事を書いてもよろしいでしょうか?」と伺ったところ、ご快諾して頂きました。


Y様、ありがとうございました。


それでは、早速、両製品の比較を行います。




今回比較する2品は、501 Shrink-to-Fit のリジッドと505のリジッドです。501は以前紹介した新仕様です。


両製品共、糊付き未洗いの生地です。前者は、12.5オンスの生デニム、後者は防縮加工が施された14.75オンスのデニムです。


手にしてみた印象としては、生地の厚さは505の方が少し厚手かな?と言う程度で、それ程、明確に厚さの差は感じません。しかし、穿いてみると違う可能性はあります。



新品時の色は、501の方が若干濃く見えます。

バックポケット部



バックポケット周辺部の比較写真です。ポケットの501の方が若干幅広で、505は下に向けてより少し絞った形をしています。

アーキュエットは両方共、浅めです。以前の仕様は深めでした。


ポケット両端上部のバータックからのポケット縫い付けの2本のステッチの形は、501が少し湾曲した形状、505は直線的形状をしています。


前者は新仕様から採用された新しいタイプです。50年代前半以前のヴィンテージ501のステッチディテールを模倣していると思われます。後者は60年代頃からの伝統的で保守的な形です。



501のバックポケット裏のステッチはシングルステッチです。このディテールは新仕様で採用されました。これは66前期以前のディテールの特徴の一つです。ここもヴィンテージのステッチディテールを復活させています。

505は70年代後半の66後期以降の伝統的ディテールのチェーンステッチです。


フロントボタン周辺部



フロントトップボタン脇のステッチのディテールは、501は通称Vステッチ、505は同平行ステッチです。Vステッチは、60年代後半以前のヴィンテージ501のステッチのディテールの特徴の一つです。


501の前合わせ部フロントトップボタン周りは、通称”折り(切り)返しステッチ”と呼ばれるディテールです。このディテールは上記Vステッチと組み合わされる古い年代のヴィンテージの特徴的ディテールです。




ウォッチポケット部
ウォッチポケット(コインポケット)入り口裏のステッチは、501がシングル、505がチェーンです。この部分も501は古い年代のヴィンテージのステッチディテールを採用しています。


クロッチ付近のバータック処理
クロッチ部のバータックの処理の仕方は、501と505では異なります。現行505は伝統的な505のバータックの処理をしています。501の方は、(501XXはバータック処理はないのですが)少し501XXのステッチに似せた処理になっています。

次のページに続きます。
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パッチ
両製品とも紙パッチです。501は伝統的にパッチの右側がティアオフ(余白が付いていて、オプションで切り取る)になっています。ツーホースマーク等、パッチの表記デザインは簡略タイプです。

個人的には、この簡略パッチは好きではありません。501の従来の仕様は、基本的に簡略ではなかったのですが、新仕様では簡略タイプに一本化されました。新仕様で唯一残念に思う変更点です。


インシーム

インシームは501(写真左)がシングル、505(写真右)がダブルステッチです。ヴィンテージ・リーバイスのジーンズはインシームがシングルなのが特徴の一つです。

新仕様501の一つの大きな変更点であり、個人的にはとても魅力を感じる所です。

上の写真を見ると両製品の生地の違いが少し分かるかと思います。505の方が少し目が粗い感じです。501は生デニムなので、洗うとさらに目が詰まります。

確証はないのですが、新仕様の501の生地はオンスは同じですが、変更になった可能性があります。

アウトシームの処理と裾のステッチ
裾の裏のステッチ処理は、両製品ともシングルステッチです。ヴィンテージはチェーンステッチが使用されていました。チェーンステッチは部分的に切れたり、ほつれたりするとそこから全て外れてしまう難点があります。

新仕様の501はヴィンテージのステッチ処理をかなり多く採用していますが、裾裏部については従来通りシングルのままでした。これは、実用面を優先した判断と思われます。

アウトシームの処理は、501は脇割りです。従来の仕様に比べ、非常に目が詰まった脇割りになっています。このタイプだと、アウトシームのアタリがセルビッジの様に比較的明確にできるかもしれません。

これから新仕様の穿き込みを予定していますが、アタリがどうなるのか注目している箇所です。

505のアウトシームの処理はインターロックです。


  • [message]
    • ##exclamation-triangle## 追記・備考
      • 2015年にロングホーンインポートでお客様用に取り寄せたUS505リジッドは、501STFと同じく脇割りになっていたとの情報を頂いています。また、2016年第二四半期にご購入された方のUSモデル505 リジッドも脇割りとのことでした。2015年頃から、脇割りに変更になったと認識しています。 

裾の縫い代の幅
両製品の裾を並べた写真です。左が501、右が505です。裾の縫い代の幅が501はかなり狭いです。ヴィンテージでは縫い代が狭い傾向があり、それを模倣した物と思われます。

505の縫い代の幅は、80年代頃からの標準的な長さです。

ベルトループの形状
両製品とも中央部が膨らんだベルトループをしています。501の従来仕様はフラット(平らな)形状のベルトループでした。

古い年代のヴィンテージのベルトループも中央部が膨らんでおり、中央部が縦に色が落ちる特徴的な色落ちをします。それを狙っているのかどうかは不明ですが、今回の比較で気づいた点です。

かなり細かいところですが、比較してみると、色々と面白い発見があったりします。

関連ブログ記事:

[##check## 現行USライン 501と505の各部サイズ、シルエット比較考察]


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COMMENTS

BLOGGER: 6
  1. はじめまして。私のリーバイスさんの記事をみて現行のUSリーバイスの501に興味をもちました。それで質問なのですが、スティーブジョブさんがいつも着用していた501はその時々に発売されていたUSラインのレギュラー501なのでしょうか?もしおわかりでしたら教えてください。よろしくお願いします。

    返信削除
  2. くるみさん、

    ほじめまして。コメントありがとうございます。

    私が見る限り彼が穿いていた501はレギュラーの501が主だと思います。

    2000年代にフォーブズかフォーチュンのインタビュー記事の時に穿いていたのは、生地の色味等から501プレミアムの様にも見えます。

    しかし、ほとんどはレギュラーの501です。ジョブズ氏は洗い加工されたものを穿いていた事が多い様に認識しています。

    彼はかなりまとめた数を一度に購入していた様なので、その時々に販売されていたものである場合もあったでしょうし、その前に販売されていたものもあったと思います。

    全くご質問とは論点がそれますが、私はJobs氏を深く尊敬しています。それが501を好きな理由ではありませんが、Jobs氏が501を愛用する理由は分かる気がします。

    返信削除
  3. お返事ありがとうございます!
    やはりレギュラーの501なんですね。合理的な考えのジョブスさんらしいですね。
    洗い加工の501とおっしゃっていましたが、それはワンウォッシュということでしょうか?それとも色落ち加工されている物ということでしょうか?

    余談ですがアメリカの人たちはSTFよりもワンウォッシュを買うことが多いんでしょうか?あまりこだわり無く履いているイメージなので面倒なSTFを選ぶ人は少数なのかなぁと思いまして。
    よろしくお願いします。

    返信削除
  4. ご存知の通りジョブズ氏はシンプルで完成度の高いものがお好みなので、501は当然の選択だと思います。ラングラーの13MWZもある意味その条件は満たしてはいると思いますが、カウボーイ向けなので、やはり501かと思います。

    洗い加工と言うのはリンスのことです。生デニムの状態から洗い加工を行う事で、糊が落ちて鮮やかなインディゴになります。

    Jobs氏は穿き込んだ感じのものも着用されていますが、色落ち加工のものではないと思います。本質的には彼はナチュラルなものへの志向があり、対極的な加工品は好まないと思います。ジーンズの洗い加工は許容範囲なのかと思います。

    生デニム(STF)よりもリンス(ワンウォッシュ)を買う事が多いかの質問、私は明確な回答は持っていません。

    しかし、501 STFがベストセラーで主力商品であることは疑う余地はありません。多分、最も売れているモデルだと思います。

    STFを買う人のほとんどは昔から穿いている人なので、面倒と思う人はあまりいないと思います。

    私は長年なにも考えず(知らず)に防縮加工の501を穿いてきましたが、生デニム(STF)と出会ってからは、生デニムが絶対に良いと思っています。

    返信削除
  5. 非常に勉強になります。お返事を読んでレギュラーのus501を履きたいという思いがより一層強くなりました。
    2013年からディテールが変わったこともとっても魅力的に思います。出来ればSTFを湯船で縮めたいですが、STFは経験が無いのでまずはワンウォッシュを購入してみたいと思います。ありがとうございました。

    返信削除
  6. レギュラーの501はジーンズの基本なので、一度は穿いてみるのは非常に良い事だと思います。STF(生デニム)は何か難しい様なイメージがありますが、一度試してみれば結構簡単です。別に糊落としをせずに、穿く前に普通に洗濯するのでも全くかまいません。実際のところ、ほとんどのアメリカ人のユーザーはそうしていると思います。ジーンズの選択、好みはひとそれぞれなので、まずはリンスで試してみるのも良いかもしれないですね。後で、良かったらご感想をお知らせ下さい。

    返信削除

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私のリーバイス: 現行501シュリンクトゥフィットと現行505リジッドのディテール比較
現行501シュリンクトゥフィットと現行505リジッドのディテール比較
現行米国流通501と505リジッドのディテールを写真付きで比較しています。501はヴィンテージ系のステッチディテール、505はオールドから現代に至るまでのクラッシックなディテールを継承しています。
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