前回投稿した記事では、ヴィンテージジージャンの基本的な留意点と手入れについて書きました。
本記事では、ヴィンテージリーバイス507xxに特化した手入れの仕方と留意点について紹介します。
尚、ここで紹介している手入れについての留意点は、オリジナルのヴィンテージ507xxについてのものです。
着用についての留意点・注意事項
薄手のインナーの上にタイト目に着るとその特徴が活きます。
下の写真は、1973年に上映されたBadlandsのMartin Sheenです。
そのままにしておくと、生地を傷めたりするので、当時は縮んだら外す。
濃紺の良好コンディションの507xxでも、革パッチが外されているものも少なくありません。パッチが縮む前に外すことが多かったと思われます。
上記が、革パッチが残存しているものが少ない理由だと推定しています。
Tシャツやクルーネックのニットの上に507xxを着る場合は、首が襟に直接接触することになります。
首が接触する箇所は、汗や皮脂が付着することになります。襟の部分的な退色を抑えたい、擦れを避けたい場合は、比較的、まめに洗濯した方が良いです。
尚、それほど神経質になる必要はないと思います。507xxは、普段使いにも向いています。
私は、Tシャツの上にジージャン(特に507xx)を着るのが好きです。
着用時間が長くなりそうな時は、夏であればポロシャツ、冬であれば、スタンドカラーのニットやウールシャツと組み合わせることが多いです。
これらのインナーであれば、首が襟に直接接触しません。
洗濯について
507xxは、フロントプリーツをボックスステッチで留めるデザインになっています。
ユーズドの507xxは、ボックスステッチの一部が切れていたり、消失しているものが多いです。
洗濯機で洗う場合、ボックスステッチに負担がかかることは避けられないと思っていた方が良いです。
デリケート衣類の洗濯モードやソフト水流のモードであれば、負担は軽減できますが、ボックスステッチは構造上、ダメージを受けやすいです。
洗濯機を使用する場合は、裏返しにして、ネットに入れて、デリケート衣類の洗濯モードを使用する等、配慮した方が、ボックスステッチのダメージの進行を抑制できると思います。
基本的には、裏返しにすればボックスステッチの損傷リスクを軽減できますが、その代わり、内側のステッチへの負荷がかかります。
洗濯機を使うと即座にダメージを受けるということでもないです。しかし、ステッチへの負荷はかかると考えておいた方がよろしいと思います。
ボックスステッチの状態が比較的良好で、その状態を維持したい、または、全体のステッチの状態を維持したいと思われるのであれば、手洗いをお勧めします。
手洗いであれば、ステッチに負担をかけずに洗濯できます。(負担をかけないように洗うため)
また、着用感があり、ステッチや生地の一部が損傷している場合、手洗いであればダメージの進行を最小限に抑えられます。
ダメージがあるものを洗濯機で洗うと、ダメージが進行するリスクは避けられません。
コンディションをできるだけ維持したいとお考えの場合、乾燥機の使用は絶対に避けるべきです。
507xxであっても、色落ちを早く進行させたいとお考えであれば、乾燥機を使用することも選択肢としてはあると思います。
乾燥機の使用は、ステッチにダメージを生じることは避けられないことは理解した上でのご判断になると思います。
私の場合、60年代以前のヴィンテージ品の洗濯は、全て自然乾燥です。
浴槽などを使用して、手洗いし、濯いだ後、バスタオルを敷いた上にジージャン(507xx)を置き、上からタオルをかけて挟んで、水分をある程度抜き取った後、ハンガーにかけて干すと乾燥にそれほど時間はかかりません。
ハンガーにかける時に、形を整えると、生地の不自然な折り目の矯正などもできます。
洗濯頻度について
どの位の頻度で洗濯するかは、着用時間、汚れの度合い、考え方によります。
基本的には、汗や汚れなどが付着したりしなければ、頻繁に洗う必要性はあまりないと思います。
冒頭で述べたような、首が襟部に直接接触する着用の仕方をしている場合は、着用20-30時間位が一つの目安かと思います。(その人の考え方によります。)
パッチが残っている場合
507xxの初期は革パッチ、中後期は紙パッチが付けられていました。パッチが残っているものは、非常に少ないです。
もしも、革パッチが残っている場合は、洗濯時に熱いお湯を使用するのは避けた方が良いです。
ヴィンテージの革パッチは、熱いお湯を使用すると(大きく)縮みます。
写真は506xxの革パッチです。507xxも基本的に同じパッチです。
革パッチが縮むと周辺の生地が引き付けを起こす状態になります。そのままにしておくと、生地を傷めたりするので、当時は縮んだら外す。
濃紺の良好コンディションの507xxでも、革パッチが外されているものも少なくありません。パッチが縮む前に外すことが多かったと思われます。
上記が、革パッチが残存しているものが少ない理由だと推定しています。
革パッチは、乾燥機にかけると確実に縮みます。
革パッチ付きの場合は、水を使用して洗濯することをお勧めします。
革パッチ付きの506xxを洗濯した時の記事を投稿しております。ご興味のある方はご覧下さい。
関連ブログ記事:
507xxの紙パッチは、硬化しやすく、硬化するとき裂がはいったり破損しやすくなります。
紙パッチは洗濯機や乾燥機を使用する場合、遅かれ早かれ自然に破損して、消失していきます。
通常、50~60年代のヴィンテージリーバイスの現在残存する紙パッチは、硬化していても水を含むと柔らかくなります。
そのため、洗濯機を使ってもそれほどダメージは発生しないこともあります。(しかし、最終的にはダメージが発生します。)
下のパッチの様に、部分的に破損している場合、洗濯機を使用すると、さらに損傷が進む可能性が高いです。
しかし、手洗いであれば、損傷の進行は防げます。
上の紙パッチの507xxの洗濯について、ロングホーンインポートのサイトに記事を投稿しております。ご興味のある方は、ご覧ください。
関連記事:
割れたパッチ付き507XXの洗濯 / ロングホーンインポート
紙パッチが破損していると着用している時も気を使うので、パッチを残したいか、パッチは諦めるかによっても、取り扱い、手入れの判断材料になると思います。
パッチがないと気を使わずに着れます。(笑)
ヴィンテージとの付き合い方や考え方は、人それぞれです。ご参考になれば、幸いです。
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