デニム生地は、伝統的に重量で分類(区分け)されます。重量の単位は、一平方ヤード当たりのオンスで表します。オンスは、約28gです。一平方ヤードは、0.83612736平方メートルです。正方形の場合、一辺が0.9144mの大きさです。
伝統的なセルビッジデニム生地の幅は29インチ(73.66cm)です。一平方ヤードは、幅が29インチ固定と考えると長さは約44.68インチ(約113.4cm)になります。
現在の市場においては、12オンス未満のデニムをライトオンス、12オンスから16オンスのデニムをミッドウェイト、16オンス以上をヘビーウェイトと区分けされるのが一般的です。
(メーカーによって、区分け・呼び名は異なる場合があります。)
単純に言うと、軽ければ薄く、重ければ厚みがあります。しかし、デニムのオンス数、特にヴィンテージリーバイスの場合、それほど単純明快なものではありません。
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一般的に、14オンスが理想的なデニムの重さとされています。その理由は、リーバイスの501が長年(1960年代後半頃以降、2000年代初めまでの40年位)14オンスのデニムを使用していたためと思われます。
リーバイスの501は、1873年の誕生時(当時の名称は単にXX)は9オンスデニムを使用していました。1927年にデニムメーカーのコーンミルズは、501専用の29インチ幅10オンスの赤耳デニムを開発します。以降、10オンスとなります。
新品の501には、伝統的にギャランティーチケットと呼ばれる製品保証書が取り付けられています。下の画像は、推定年代1940年代から50年代の前半に使用されていた"FOR OVER 80 YEARS"表記のギャランティーチケットです。
このチケットには、"THEY ARE MADE OF SELECTED TEN OUNCE AMERICAN DENIM"(訳: 本品は厳選された10オンスの米国製デニムで作られています。)の記載があります。(写真で赤字で囲った箇所)
10オンスデニム使用の表記は、FOR OVER 60 YEARSから80YEARSまでのギャランティーチケットに見られます。オンス表記の前にはアメリカ製デニムと表示がされています。コーンミルズの名前は記載されていません。
コーンミルズの名前が記載されていない理由は、コーンミルズは他社にもデニムを供給しているので、コーンミルズの生地を使用していることは、リーバイスにとって、特に売り文句にはならないためであること、デニムの供給元の宣伝をジーンズメーカーがする必要はなかったためなどの理由が考えられます。
ギャランティーチケットの中央には、"This is a pair of Levi's."の表示があります。リーバイスであることを強調する文言です。
現在、日本ではリーバイスジャパンが、積極的にコーンミルズ製であることを商品説明などでも謳っていますが、米国リーバイスの商品説明では、伝統的にコーンミルズの名前の露出は非常に少ないです。
日本では、生地メーカーがどこなのか?オンスは?と言うようなスペックを気にする人が多いので、日本市場に合わせた対応だと思います。
ギャランティーチケットは、大戦モデルではFOR OVER 70 YEARSであること、その他の材料から、このFOR OVER 80 YEARSの第二次世界大戦後の片面タブの501(通称47モデル)に付けられていたものと判定できます。
次の年代のギャランティーチケットFOR OVER 85 YEARSからは、オンス数の表記がなくなります。記載は、"EXCLUSIVE XX TOP WEIGHT DENIM TESTS STRONGEST WEARS LONGEST"
((リーバイス)専用のXXトップウェイトデニムは、最も長い期間着用できる最も強いことがテスト済みです。)の文言になります。
このFOR OVER 85 YEARSのギャランティーチケットは、50年代の前半(恐らく53-54年頃)に登場したと推定しています。以降のギャランティーチケットにも、オンス数の表記はありません。
なぜ、オンス数の表記をしなくなったかについては、競合との関係ではないかと考えています。
1940年代の後半から1950年代の初め頃の、カウボーイ用品カタログには、Leeは11.5オンス、ラングラーは11オンスのデニムを使用している旨の説明があります。
一部のカタログには、506XXは501XXと同じデニムで10オンスと書かれているものもありました。
リーバイスは生デニム、Leeとラングラーは、防縮加工デニムを使用しています。防縮加工デニムは、あらかじめ縮めているので、オンス数が大きくなります。
数字だけで、比較すると生デニムのリーバイスの方が分が悪いです。そのため、リーバイスはオンス数を表記(公開)するのをやめたのではないかと考えています。
実際のところ、片面タブの501XXや506XXの生地を触ったり、着た印象としては、薄いとは全く感じません。50年代のラングラーのジージャン、111MJと比べると、明らかに506XXの生地の方が厚みがあります。
現行の12オンス生デニム使用の501 ロングデイと比べても、厚みを感じます。オリジナルの革パッチの501XXを持っていらっしゃる方で、生地が薄いと思う人はまずいないと思います。
下の写真は、551ZXX/505のダブルネームのフラッシャーです。推定年代は、1967年頃です。"Over 14 oz. Denim"(14オンス超のデニム)の表示があります。
551ZXXとその後継505モデルは、リーバイス独自のプロセス686と呼ぶ防縮加工が施されています。
縮みは1%以下と説明があります。この551ZXX-505のダブルネームは、赤耳デニムです。501XXと基本的に同じデニムの防縮加工版であると推測できます。
縮み前、生デニムのオンス数は14オンスよりも小さくなります。恐らく、60年代後半の生デニム501のオンス数は、12.5オンス前後ではないかと推定しています。
ヴィンテージリーバイスのデニムのオンス数の推定に関しては、もう少し詳しく、検討、考察した記事を投稿する予定です。
関連記事:
[ヴィンテージ デニムのオンス数についての考察 ##link##]
伝統的なセルビッジデニム生地の幅は29インチ(73.66cm)です。一平方ヤードは、幅が29インチ固定と考えると長さは約44.68インチ(約113.4cm)になります。
現在の市場においては、12オンス未満のデニムをライトオンス、12オンスから16オンスのデニムをミッドウェイト、16オンス以上をヘビーウェイトと区分けされるのが一般的です。
(メーカーによって、区分け・呼び名は異なる場合があります。)
単純に言うと、軽ければ薄く、重ければ厚みがあります。しかし、デニムのオンス数、特にヴィンテージリーバイスの場合、それほど単純明快なものではありません。
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一般的に、14オンスが理想的なデニムの重さとされています。その理由は、リーバイスの501が長年(1960年代後半頃以降、2000年代初めまでの40年位)14オンスのデニムを使用していたためと思われます。
リーバイスの501は、1873年の誕生時(当時の名称は単にXX)は9オンスデニムを使用していました。1927年にデニムメーカーのコーンミルズは、501専用の29インチ幅10オンスの赤耳デニムを開発します。以降、10オンスとなります。
新品の501には、伝統的にギャランティーチケットと呼ばれる製品保証書が取り付けられています。下の画像は、推定年代1940年代から50年代の前半に使用されていた"FOR OVER 80 YEARS"表記のギャランティーチケットです。
このチケットには、"THEY ARE MADE OF SELECTED TEN OUNCE AMERICAN DENIM"(訳: 本品は厳選された10オンスの米国製デニムで作られています。)の記載があります。(写真で赤字で囲った箇所)
10オンスデニム使用の表記は、FOR OVER 60 YEARSから80YEARSまでのギャランティーチケットに見られます。オンス表記の前にはアメリカ製デニムと表示がされています。コーンミルズの名前は記載されていません。
コーンミルズの名前が記載されていない理由は、コーンミルズは他社にもデニムを供給しているので、コーンミルズの生地を使用していることは、リーバイスにとって、特に売り文句にはならないためであること、デニムの供給元の宣伝をジーンズメーカーがする必要はなかったためなどの理由が考えられます。
ギャランティーチケットの中央には、"This is a pair of Levi's."の表示があります。リーバイスであることを強調する文言です。
現在、日本ではリーバイスジャパンが、積極的にコーンミルズ製であることを商品説明などでも謳っていますが、米国リーバイスの商品説明では、伝統的にコーンミルズの名前の露出は非常に少ないです。
日本では、生地メーカーがどこなのか?オンスは?と言うようなスペックを気にする人が多いので、日本市場に合わせた対応だと思います。
ギャランティーチケットは、大戦モデルではFOR OVER 70 YEARSであること、その他の材料から、このFOR OVER 80 YEARSの第二次世界大戦後の片面タブの501(通称47モデル)に付けられていたものと判定できます。
次の年代のギャランティーチケットFOR OVER 85 YEARSからは、オンス数の表記がなくなります。記載は、"EXCLUSIVE XX TOP WEIGHT DENIM TESTS STRONGEST WEARS LONGEST"
((リーバイス)専用のXXトップウェイトデニムは、最も長い期間着用できる最も強いことがテスト済みです。)の文言になります。
このFOR OVER 85 YEARSのギャランティーチケットは、50年代の前半(恐らく53-54年頃)に登場したと推定しています。以降のギャランティーチケットにも、オンス数の表記はありません。
なぜ、オンス数の表記をしなくなったかについては、競合との関係ではないかと考えています。
1940年代の後半から1950年代の初め頃の、カウボーイ用品カタログには、Leeは11.5オンス、ラングラーは11オンスのデニムを使用している旨の説明があります。
一部のカタログには、506XXは501XXと同じデニムで10オンスと書かれているものもありました。
リーバイスは生デニム、Leeとラングラーは、防縮加工デニムを使用しています。防縮加工デニムは、あらかじめ縮めているので、オンス数が大きくなります。
数字だけで、比較すると生デニムのリーバイスの方が分が悪いです。そのため、リーバイスはオンス数を表記(公開)するのをやめたのではないかと考えています。
実際のところ、片面タブの501XXや506XXの生地を触ったり、着た印象としては、薄いとは全く感じません。50年代のラングラーのジージャン、111MJと比べると、明らかに506XXの生地の方が厚みがあります。
現行の12オンス生デニム使用の501 ロングデイと比べても、厚みを感じます。オリジナルの革パッチの501XXを持っていらっしゃる方で、生地が薄いと思う人はまずいないと思います。
下の写真は、551ZXX/505のダブルネームのフラッシャーです。推定年代は、1967年頃です。"Over 14 oz. Denim"(14オンス超のデニム)の表示があります。
551ZXXとその後継505モデルは、リーバイス独自のプロセス686と呼ぶ防縮加工が施されています。
縮みは1%以下と説明があります。この551ZXX-505のダブルネームは、赤耳デニムです。501XXと基本的に同じデニムの防縮加工版であると推測できます。
縮み前、生デニムのオンス数は14オンスよりも小さくなります。恐らく、60年代後半の生デニム501のオンス数は、12.5オンス前後ではないかと推定しています。
ヴィンテージリーバイスのデニムのオンス数の推定に関しては、もう少し詳しく、検討、考察した記事を投稿する予定です。
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