『ヴィンテージ リーバイスのファーストとセカンドはアームホールが小さいのがデザイン状の特徴です。』と書くと、アームホールが小さいというイメージが強くなってしまうかと思います。
より適切な表現としては、現代的なジャケットと比べて、アームホールが小さく、上腕部が細いデザインとなっていると表現すべきと考えます。
このファーストとセカンドのデザインは、腕の部分が細くスッキリしたシルエットになるのが特徴です。
上の写真は、1973年の映画"Badlands" のMartin Sheenです。(日本題は、地獄の逃避行という全く原題とは異なる名称です。)
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Badlandsは、1958年に起こった連続殺人事件を元にした芸術性の高い映画です。1993年に、アメリカのLibrary of Congressから、"文化的、歴史的、審美的に重要であるため”保存すべきとして、National Film Registryへの保存されるフィルムとして選出されています。
写真からも腕の部分がスッキリフィットしたシルエットの特徴がお分かりいただけるかと思います。
1940年代の後半に登場したラングラーは、カウボーイ専用のデニムジャケットを開発する上で、腕周りは細くし、アームホール側にプリーツとゴムをいれることで、タイトなフィットと可動性を実現しました。
1962年にセカンドの後継モデルとして登場した557/サードは、アームホールが大きいのが特徴です。
アームホールが大きい方が、インナーの選択肢が広がります。厚手のスウェットやフーディーズ(ヨットパーカー)などとも、組み合わせやすいです。
どちらが好みかは、意見が分かれるところだと思います。
セカンドがお好きな方の中には、「サードはモモンガみたい」とおっしゃる方(よっちんさん)もいます。
セカンドは、デニムジャケットが誕生時、プリーティッド・ブラウスと呼ばれていた頃の伝統を継承する最後のモデルです。
良くも悪くも、昔のデニムジャケットです。対して、サードは、現代的なデザインになっています。
日本人の標準体型よりガッチリした体格の方の場合、セカンド(とファースト)のアームホールの小さいことを気にされる方もいらっしゃると思います。
ファーストとセカンドの主要ユーザーは、労働者とグリーサーと呼ばれる若者です。白人の体型は、胸囲が大きく、腕周りが太い人が多いです。
当然のことですが、507や506は痩せている人用のジャケットではありません。
当時のユーザーが、薄手のインナーの上に着る分には、507や506はまず問題がなかったと思います。
アームホールの大きいジャケットに慣れている方は、肩や上腕部がタイトに感じる可能性は高いです。
ジーンズでも、ルーズなフィットやゆったりしたシルエットに慣れている方が、タイトなフィット、スリムなシルエットのジーンズを穿いた時、違和感を感じるのと似ていると思います。
この点は、ある程度、考慮するべきと思います。試着できれば、ベストですが、セカンドは流通数も少ないので、難しい場合もあると思います。
セカンドを検討する上で、アームホールの大きさが気になる、心配だと思われる方もいらっしゃるかと思います。
その場合は、お手持ちのシャツのアームホールの実寸を計ると参考になると思います。
厳密に言えば、型が異なりますが、目安や参考材料にはなります。
今回は参考までに、推定小さめの40、または大きめの507XXのアームホールと肩幅の実寸を計ってみました。
比較のためヴィンテージのペンドルトンのウールシャツも同様に計測しました。
今回比較のためにサイズを測ったペンドルトンは、60年代前半の表記サイズSとM、70年代の表記サイズM 2着です。
アームホールは、肩口上から脇下までの直線距離を測ったものです。肩幅は、両肩口上間の直線距離です。また、参考までに襟下中央部から肩口上までの長さも測りました。
以下、測定した結果を表にまとめたものです。
507XXのアームホールは、約21.5cmでした。(測り方で差は生じます。)
ペンドルトンのウールシャツと比べると、60年代前半の表記サイズMとほぼ同程度のアームホールの大きさでした。
70年代のペンドルトン表記サイズMでは、アームホールがかなり大きくなっています。
このペンドルトンのウールシャツは、ボードシャツと呼ばれるモデルです。シャツジャケットのような使い方もされる場合があります。
同じモデル、ボードシャツでも、60年代から70年代でアームホールの大きさが異なる、新しい年代は大きくなっているところは興味深いです。
私の手持ちのドレスシャツのアームホールも測ってみたところ、24cm位ありました。現代はアームホールはシャツも含めて大きめに作られているのが一般的だと思います。
備考:
襟下中央から肩口までの長さは、肩幅の長さと比べるともう少し長くなるはずと思って、何度も測り直したのですが、似たような値でした。
誤差が生じやすいところではありますが、納得がいかないので、数学的に検討してみました。
今回計測した507の肩幅は47.5cmでした。計算上は、襟下中央から肩口までの長さ24.5cmにcosθ を掛けた値が、肩幅の半分の値となります。
そこから計算すると、肩幅の直線と肩口から襟下中央への直線が交わる角度、θ は約14度でした。
見た感じでは、14度よりもう少し角度がありそうな気もしますが、誤差もあるので、計算上妥当な範囲内の数値だと思います。
より適切な表現としては、現代的なジャケットと比べて、アームホールが小さく、上腕部が細いデザインとなっていると表現すべきと考えます。
このファーストとセカンドのデザインは、腕の部分が細くスッキリしたシルエットになるのが特徴です。
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Badlands, Martin Sheen |
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Martin Sheen主演「Badlands」について
Badlandsは、1958年に起こった連続殺人事件を元にした芸術性の高い映画です。1993年に、アメリカのLibrary of Congressから、"文化的、歴史的、審美的に重要であるため”保存すべきとして、National Film Registryへの保存されるフィルムとして選出されています。
写真からも腕の部分がスッキリフィットしたシルエットの特徴がお分かりいただけるかと思います。
ヴィンテージ・ラングラーのジャケットデザインの特徴
1940年代の後半に登場したラングラーは、カウボーイ専用のデニムジャケットを開発する上で、腕周りは細くし、アームホール側にプリーツとゴムをいれることで、タイトなフィットと可動性を実現しました。
1962年にセカンドの後継モデルとして登場した557/サードは、アームホールが大きいのが特徴です。
アームホールが大きい方が、インナーの選択肢が広がります。厚手のスウェットやフーディーズ(ヨットパーカー)などとも、組み合わせやすいです。
どちらが好みかは、意見が分かれるところだと思います。
セカンドがお好きな方の中には、「サードはモモンガみたい」とおっしゃる方(よっちんさん)もいます。
セカンドは、デニムジャケットが誕生時、プリーティッド・ブラウスと呼ばれていた頃の伝統を継承する最後のモデルです。
良くも悪くも、昔のデニムジャケットです。対して、サードは、現代的なデザインになっています。
セカンドのアームホールのサイズについて
日本人の標準体型よりガッチリした体格の方の場合、セカンド(とファースト)のアームホールの小さいことを気にされる方もいらっしゃると思います。
ファーストとセカンドの主要ユーザーは、労働者とグリーサーと呼ばれる若者です。白人の体型は、胸囲が大きく、腕周りが太い人が多いです。
当然のことですが、507や506は痩せている人用のジャケットではありません。
当時のユーザーが、薄手のインナーの上に着る分には、507や506はまず問題がなかったと思います。
アームホールの大きいジャケットに慣れている方は、肩や上腕部がタイトに感じる可能性は高いです。
ジーンズでも、ルーズなフィットやゆったりしたシルエットに慣れている方が、タイトなフィット、スリムなシルエットのジーンズを穿いた時、違和感を感じるのと似ていると思います。
この点は、ある程度、考慮するべきと思います。試着できれば、ベストですが、セカンドは流通数も少ないので、難しい場合もあると思います。
セカンドを検討する上で、アームホールの大きさが気になる、心配だと思われる方もいらっしゃるかと思います。
その場合は、お手持ちのシャツのアームホールの実寸を計ると参考になると思います。
厳密に言えば、型が異なりますが、目安や参考材料にはなります。
今回は参考までに、推定小さめの40、または大きめの507XXのアームホールと肩幅の実寸を計ってみました。
比較のためヴィンテージのペンドルトンのウールシャツも同様に計測しました。
今回比較のためにサイズを測ったペンドルトンは、60年代前半の表記サイズSとM、70年代の表記サイズM 2着です。
アームホールは、肩口上から脇下までの直線距離を測ったものです。肩幅は、両肩口上間の直線距離です。また、参考までに襟下中央部から肩口上までの長さも測りました。
以下、測定した結果を表にまとめたものです。
507XXのアームホールは、約21.5cmでした。(測り方で差は生じます。)
ペンドルトンのウールシャツと比べると、60年代前半の表記サイズMとほぼ同程度のアームホールの大きさでした。
70年代のペンドルトン表記サイズMでは、アームホールがかなり大きくなっています。
このペンドルトンのウールシャツは、ボードシャツと呼ばれるモデルです。シャツジャケットのような使い方もされる場合があります。
同じモデル、ボードシャツでも、60年代から70年代でアームホールの大きさが異なる、新しい年代は大きくなっているところは興味深いです。
私の手持ちのドレスシャツのアームホールも測ってみたところ、24cm位ありました。現代はアームホールはシャツも含めて大きめに作られているのが一般的だと思います。
備考:
襟下中央から肩口までの長さは、肩幅の長さと比べるともう少し長くなるはずと思って、何度も測り直したのですが、似たような値でした。
誤差が生じやすいところではありますが、納得がいかないので、数学的に検討してみました。
今回計測した507の肩幅は47.5cmでした。計算上は、襟下中央から肩口までの長さ24.5cmにcosθ を掛けた値が、肩幅の半分の値となります。
そこから計算すると、肩幅の直線と肩口から襟下中央への直線が交わる角度、θ は約14度でした。
見た感じでは、14度よりもう少し角度がありそうな気もしますが、誤差もあるので、計算上妥当な範囲内の数値だと思います。
デニムジャケットは今まで3rd派だったのですが今は2nd型に注目しています。Wranglerのジャケットはボタン留めの緑のチャンピオンジャケットだったかが素晴らしいシルエットでした。画像3枚目の左のカウボーイが着てるジャケットがまさにそれです。肩幅が広く、尚且つ肩が張り出していて角ばったボックス型のシルエットですね。シャツでも肩が張り出したシルエットがすごく好きなんです。LEVI'Sの2ndジャケットが気になりいくら調べてもシルエットについてがわからないんです。唯一知ってるのはボックス型であることだけですね。肩のシルエットがどうなのか非常に気になります。
返信削除コメントありがとうございます。デザインのお好みは人それぞれであること、また選択するサイズや感じ方などによっても異なるのでお答えしづらいのですが、古い年代のジャケットは肩が張り出すようなデザインではないと思います。その理由の一つは、デニムジャケットは元々ブラウスと呼ばれていた(リーバイスの製品がそうでした)様にシャツに近いフィットする感じでシャツジャケットと言うような感じがあるかもしれません。しかし、感じ方は人それぞれです。50年代のラングラーのデニムジャケットは、リーバイスとLeeに対抗し、差別化をする工夫が随所に施されています。基本的なデザインコンセプトはほっそりした感じに見せるため、腕の部分は細めでスッキリさせる代わり肩口にはプリーツをいれゴムで留めることにより、細い腕ながら、可動性は高いと言う様な特徴を備えています。リーバイスとリーのジャケットはボックス型に対して、ラングラーはウエストは少し絞る形になっています。肩のアクションプリーツなどの仕様とウエストが気持ち絞られていることから、シルエット的には肩が大きめに見えるかもしれません。着用者とサイズの関係もあると思います。50年代までのジャケットは、基本的にはアームは細め、肩は(ジャスト)フィットの着用を前提としているものが多いです。本記事の2枚めの写真のマーティン・シーンのセカンドのシルエットもそうだと思います。サードになるとアームホールが大きく取られるようになります。これにより、組み合わせるインナーの幅も広がります。アーム自体もアームホールが大きいので方から袖に向かって絞られる感じのラインとなるのが特徴です。大きめのサイズのサードであれば肩も大きめになりますが、張り出す様になるというよりは少し肩口の位置が体と腕のラインにそって落ちる感じになるように思います。しかし、これは感じ方によって違うと思います。
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