1998年にネバダで発見された通称ネバダ・ジーンズの発見からリーバイスがアーカイブとして入手するまでの話は、興味深く、そして面白いです。
本記事はサンフランシスコの新聞・メディア、SFGATEとロスアンジェルス・タイムズの記事、リーバイスの投稿したYouTubeビデオなどを元にまとめたものです。
2001年に、ネバダで発見された世界で最も古いとされるリーバイスのジーンズがオークションにかけられることを、オークション開催者が発表しました。
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新聞などのメディアでも取り上げられ、落札結果はテレビ番組のHistory Channelで放送されると報道されました。
オークションに出品されるジーンズは、1998年ネバダ州の炭鉱の街で、ある男性が所有する土地の採掘をしている時に見つかった物です。
男性は、古い服を集めている友人に発見したジーンズをあげました。そして2年後、その友人はもらったジーンズの鑑定をしてもらうことにしました。そして、彼はとても古びたジーンズがどんなものなのかを知ることになります。
オークションの担当者は、売主とその友人(発見者)は名前を公開しないことを望んでいること、彼らがオークションの売り上げをどのように分けるかについては不明であるとのコメントが記事に書かれています。
オークションにかけられる前にこのジーンズはリーバイスのヒストリアン、Lynn Downeyさんによる鑑定が行われました。
本記事はサンフランシスコの新聞・メディア、SFGATEとロスアンジェルス・タイムズの記事、リーバイスの投稿したYouTubeビデオなどを元にまとめたものです。
ネバダジーンズ発見からオークション出品まで
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2001年5月15日のSFGATEの記事 |
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新聞などのメディアでも取り上げられ、落札結果はテレビ番組のHistory Channelで放送されると報道されました。
オークションに出品されるジーンズは、1998年ネバダ州の炭鉱の街で、ある男性が所有する土地の採掘をしている時に見つかった物です。
- [message]
- ##hand-o-right## 備考
- リーバイスのヒストリアン(当時)のLynn Downeyさん曰く、ゴミの山の中に埋もれていたとインタビューで語っています。地中に埋もれていたのではなく、ゴミの中に混じっていた。私もそうだと思います。(笑)
男性は、古い服を集めている友人に発見したジーンズをあげました。そして2年後、その友人はもらったジーンズの鑑定をしてもらうことにしました。そして、彼はとても古びたジーンズがどんなものなのかを知ることになります。
オークションの担当者は、売主とその友人(発見者)は名前を公開しないことを望んでいること、彼らがオークションの売り上げをどのように分けるかについては不明であるとのコメントが記事に書かれています。
オークションにかけられる前にこのジーンズはリーバイスのヒストリアン、Lynn Downeyさんによる鑑定が行われました。
リーバイス・ヒストリアンLynn Downeyさんの鑑定結果・見解
- 年代は1880年代の製品と推定。
- ニューハンプシャーのアモスケーグミル製のデニムを使用し、リーバイス社の二つあるサンフランシスコ工場のどちらかで製造された。
- 501 モデルではなく、炭鉱労働者用のモデルである。
- 当時の販売価格は、高品質の501モデル(当時の呼び名はXX)の1ドル25セントよりも安い約75セント。
- 革パッチが付いていた痕跡がある。革パッチは1886年から付けられた。よって、1886年以降と推定。
- [message]
- ##hand-o-right## 備考
- 2011年に日本で公開された"XXc.1879"は、パッチが付いているので、パッチが取り付けられたのが1886年からという情報と合致しません。その後新たな情報が見つかった可能性があります。
世界最古と断定はできないものの、世界最古のジーンズの一つであることは明らかです。
オークションの落札価格は?
各メディアは、このジーンズについて、そして、それがオークションでいくらで落札されるかについての予想などを記事にしています。
LAタイムズでは、予想落札価格は25000ドル。SFGATEでは、35000ドルか?と報道しました。
この当時、リーバイスが所有する最も古いジーンズは、推定年代1890年でした。当時から遡ること3年前の1998年にリーバイスは、ニューヨークのディーラーからその1890年のペアを購入していました。購入価格は、25000ドルでした。
サンタモニカのデニムディーラーは、取材に対して、このジーンズは501ではないので25000ドルより大幅に低い値段となるのではないかとの見解を述べています。
また、98年にリーバイスに、推定年代1890年のペアを売却したディーラーは、その様な高額の入札を行う個人がどれほどいるのか疑問であると語っています。
「日本でヴィンテージブームが沸き起こっていた90年代前半であれば、日本人が投資のために買ったと思いますが、ブームは去ってしまいました。」とコメントしています。
リーバイスのヒストリアンのDowneyさんは、「リーバイスは入札するかもしれない。入札がどの様になるかモニターします。」と新聞の記事で語っています。
テレビでも放送され、注目されたオークションの結果は、予想を大幅に上回る46,532ドルでした。
ネバダ落札舞台裏話
落札したのはリーバイスです。後に、Downeyさんは、ネバダのオークションの時のことをテレビのインタビューで以下の様に語っています。
「このジーンズを初めて見た時、外面上は超プロフェッショナルに接しました。しかし、心の中では『これは私のものよ!!』と叫んでいました。入札して、我々のアーカイブに絶対に入れるべきものだと確信していました。」
「オークション終了の最後の最後、1分半から30秒前の時点で、25,000ドルから40,000ドルになりました。そして、我々はその上を行き、46,532ドルで落札しました!」
「その晩は、私は眠ることができませんでした。眠ろうとしてもできない。そんな問題を抱えて夜を過ごしたのは初めてのことでした。(笑)」
事前にDowneyさんは、鑑定依頼を受けて実物を見ているので、リーバイスのアーカイブにいれるべきものであるとの決断はしていたことが分かります。
オークション前のメディアの取材では、気持ちを表面に出さずに、淡々と鑑定の結果を語っていたのだろうと想像しています。
リーバイスがオークションに参加するとなると、入札者も増え、金額もさらに高騰する可能性があるので、強い興味があることを悟られないように努めていたことと思います。一方で、社内ではどんな価格でも手に入れるべきと経営陣に進言して、内諾を得ていたと推測しています。
上で紹介したLynn Downeyさんのネバダの話などが入っているYouTubeビデオを以下に添付します。
ネバダを入手後、リーバイスは2001年の11月の終わりに、Nevada ジーンスの復刻版を世界限定500本で販売しました。
日本では88本が割り当てられ、78,000円で販売され即日完売となりました。二日前から徹夜で並んで、やっと購入できる様な状況だったとのことです。
日本での販売価格7万8千円で販売数88本は、単純に計算して、売上686.4万円です。世界での平均単価が600ドルと仮定して、限定500本で300,000ドルです。
復刻を造って販売することも含めたら、リーバイスにとって、Nevadaは、アーカイブとしてはもちろん、ビジネスを含めた投資としても、とても良い買い物だったと思います。
関連記事:
2015年、リーバイスは、ネバダと似た特徴的仕様を備えるNew Nevadaジーンズをアーカイブに追加したと発表しました。
[リーバイスのアーカイブに追加された New Nevada Jeans ##link##]
復刻を造って販売することも含めたら、リーバイスにとって、Nevadaは、アーカイブとしてはもちろん、ビジネスを含めた投資としても、とても良い買い物だったと思います。
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2015年、リーバイスは、ネバダと似た特徴的仕様を備えるNew Nevadaジーンズをアーカイブに追加したと発表しました。
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