リーバイス本社の公式ブログに、1930年代のリーバイス213と寄贈したオーナーの女性についての記事が投稿されました。とても興味深い内容のため、概要を紹介します。
本記事は、リーバイス公式ブログ記事、GROWING UP IN LEVI’S®: THE STORY BEHIND THIS CHILDHOOD JACKETを元に注釈などを加えています。
写真からもとても魅力的な色、雰囲気が感じられます。襟部や肘から袖にかけて部分的に色落ちしていることなどから、愛用されていたことが良く分かります。着用感に対して、素晴らしいコンディションです!
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寄付された213のディテール・特徴
500番台の製品はNo.1、200番台はNo.2 と呼ばれたりしていました。
[501の呼称の変化:昔は単にリーバイス(オーバーオール)だった! ##link##]
古い年代(1920年代以前)の201のパッチには、ツーホースマークの両脇に大きな文字でNo.2の表記が入ります。
[リーバイス 201についての話 - 米リーバイス本社のブログ記事の紹介 ##link##]
213は、No.2 (200番台)のラインのデニムジャケットです。No.1のラインは革パッチが取り付けられているのに対して、No.2のラインはリネン(麻)素材、布製のパッチを使用しているのが特徴の一つです。
ロット番号213、サイズ38、リーバイスのパッチに伝統的に表示されるツーホースマークの表示が読み取れます。
襟の下、パッチの上に赤字でこのジャケットの持ち主の”Phyllis M. Starkey”の名前の入った小さな布が取り付けられています。ヴィンテージデニムジャケットなどでこの様な名前の入ったタグが付いたものを時折見かけることがあります。
[Lee 101-J 黒タグ サイズ40 / ロングホーンインポート ##external-link##]
パッチ(布のレーベル)の下側に別の布タグが縫い付けられています。このタグは、1930年代の大恐慌下でフランクリン・ルーズベルト大統領によって行われたニューディール政策の一環であるNational Industrial Recovery Act (NIRA)に準拠することを示すブルーイーグルと呼ばれるロゴマークの入ったものです。
ブルーイーグルの(National Recovery Administration, NRAのメンバーであることを示す)ロゴデザインは、NIRAが実施された1933年に登場しました。ブルーイーグルのタグが付いていることから、このジャケット213の年代は1933年頃から30年代の半ば頃の製品と思われます。
以下に、大恐慌時代のデニムを着た若者の写真についての考察記事へのリンクを添付します。
[ヴィンテージの楽しみ方例:古い写真を見て調べて知った事 ##link##]
1930年代の213をリーバイスに寄付したPhyllis Starkey Davisさんは95才です。誕生年は1921年の可能性が高いです。Phyllisさんが子供の時、一家はミネソタからアリゾナに引っ越しました。ミネソタはアメリカ中東部、アリゾナは中西部です。
Phyllisさんは、直ぐに西部の風習に馴染んだそうです。彼女は、馬に乗って砂漠を探検したり、ウエスタンドレスを着たりしていました。服はもちろん、リーバイスのデニムです。
当時は、大恐慌(1929年から1930年代終わりごろまで)の最中でした。Phyllisさんの両親は、質屋(Thrift shop)で中古の213を彼女に買いました。彼女のお兄さんのChesterは、リーバイスのコートを買ってもらったそうです。
213の年代とPhyllisさんの話から、彼女が213を買ってもらったのは、10代の半ば頃のことだったと推測しています。213は直ぐにPhyllisさんのお気に入りの普段着となったそうです。
この213は、Phyllisさんに合うようにデニム生地を追加して袖を長くするカスタムが施されています。
写真から、カフス部を一旦解いて、デニム生地を追加して縫い合わせたと思われます。追加されたデニム生地は赤耳(赤いストライプの入ったセルビッジ)付きです!赤耳のためリーバイス・ジーンズの生地を流用した可能性が高いです。
下の写真は、Phyllisさんと彼女の従兄弟のMarcia Congdonさんです。Marciaさんは、リーバイ・ストラウス社のサウスウェストエリアのセールスマネージャーだったそうです。
恐らく、Marciaさんの関係もあって彼女が勤務していたリーバイス社に、Phyllisさんは213を寄贈することにしたのではと思います。
Phyllisさんが、約80年間もの長い間、所有していた若き日の大切な思い出の詰まった愛用のリーバイスのデニムジャケット 213。写真からも特別なものであることが感じられます。
オーナーが健在で、オーナーの話も含めて知ることができるというのは本当に特別なことだと思います。これは、アメリカの歴史、西部文化との関わりが深いリーバイスならではのエピソードだとリーバイスのブログ記事を読んで、感慨深く思いました。
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[1900年代初めのリーバイスのサインがアリゾナで発見される! ##link##]
[古いリーバイス販売店の看板(サイン):伝統と歴史を大切に引き継ぐお店 ##link##]
本記事は、リーバイス公式ブログ記事、GROWING UP IN LEVI’S®: THE STORY BEHIND THIS CHILDHOOD JACKETを元に注釈などを加えています。
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1930年代リーバイス デニムジャケット 213 Photo: LS&Co. |
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寄付された213のディテール・特徴
- No. 2 デニム
- リネンパッチ
- NRA Blue Eagleのタグ付き
- 左胸1ポケット、フラップ付き
- フロントプリーツ
- シンチバック
- ドーナツボタン
リバース213とは?
1890年頃、リーバイスは最上級のXXデニムを使用するオーバーオールに501のロット番号を付与しました。同時期に廉価版のラインには200番代のロット番号が付与されました。500番台の製品はNo.1、200番台はNo.2 と呼ばれたりしていました。
[501の呼称の変化:昔は単にリーバイス(オーバーオール)だった! ##link##]
古い年代(1920年代以前)の201のパッチには、ツーホースマークの両脇に大きな文字でNo.2の表記が入ります。
[リーバイス 201についての話 - 米リーバイス本社のブログ記事の紹介 ##link##]
213は、No.2 (200番台)のラインのデニムジャケットです。No.1のラインは革パッチが取り付けられているのに対して、No.2のラインはリネン(麻)素材、布製のパッチを使用しているのが特徴の一つです。
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1930年代リーバイス213のパッチ Photo: LS&Co. |
襟の下、パッチの上に赤字でこのジャケットの持ち主の”Phyllis M. Starkey”の名前の入った小さな布が取り付けられています。ヴィンテージデニムジャケットなどでこの様な名前の入ったタグが付いたものを時折見かけることがあります。
[Lee 101-J 黒タグ サイズ40 / ロングホーンインポート ##external-link##]
パッチ(布のレーベル)の下側に別の布タグが縫い付けられています。このタグは、1930年代の大恐慌下でフランクリン・ルーズベルト大統領によって行われたニューディール政策の一環であるNational Industrial Recovery Act (NIRA)に準拠することを示すブルーイーグルと呼ばれるロゴマークの入ったものです。
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NRA Blue Eagle |
以下に、大恐慌時代のデニムを着た若者の写真についての考察記事へのリンクを添付します。
[ヴィンテージの楽しみ方例:古い写真を見て調べて知った事 ##link##]
213のオーナー Phyllis M. Starkeyさん
1930年代の213をリーバイスに寄付したPhyllis Starkey Davisさんは95才です。誕生年は1921年の可能性が高いです。Phyllisさんが子供の時、一家はミネソタからアリゾナに引っ越しました。ミネソタはアメリカ中東部、アリゾナは中西部です。
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(1934年頃描かれた)13才のPhyllis Starkeyさん |
当時は、大恐慌(1929年から1930年代終わりごろまで)の最中でした。Phyllisさんの両親は、質屋(Thrift shop)で中古の213を彼女に買いました。彼女のお兄さんのChesterは、リーバイスのコートを買ってもらったそうです。
213の年代とPhyllisさんの話から、彼女が213を買ってもらったのは、10代の半ば頃のことだったと推測しています。213は直ぐにPhyllisさんのお気に入りの普段着となったそうです。
この213は、Phyllisさんに合うようにデニム生地を追加して袖を長くするカスタムが施されています。
写真から、カフス部を一旦解いて、デニム生地を追加して縫い合わせたと思われます。追加されたデニム生地は赤耳(赤いストライプの入ったセルビッジ)付きです!赤耳のためリーバイス・ジーンズの生地を流用した可能性が高いです。
下の写真は、Phyllisさんと彼女の従兄弟のMarcia Congdonさんです。Marciaさんは、リーバイ・ストラウス社のサウスウェストエリアのセールスマネージャーだったそうです。
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Phyllis Davis (right) and Marcia Congdon (left) |
Phyllisさんが、約80年間もの長い間、所有していた若き日の大切な思い出の詰まった愛用のリーバイスのデニムジャケット 213。写真からも特別なものであることが感じられます。
オーナーが健在で、オーナーの話も含めて知ることができるというのは本当に特別なことだと思います。これは、アメリカの歴史、西部文化との関わりが深いリーバイスならではのエピソードだとリーバイスのブログ記事を読んで、感慨深く思いました。
関連記事:
[1900年代初めのリーバイスのサインがアリゾナで発見される! ##link##]
[古いリーバイス販売店の看板(サイン):伝統と歴史を大切に引き継ぐお店 ##link##]
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