通称ファーストと呼ばれるリーバイス506XXは1920年代頃から1953年(または1952年)までのかなり長い期間生産されたデニム・ジャケットです。506XXは、ファーストの呼び名で広く知られています。
しかし、現存する最も古いデニムジャケットは推定1880年代のものがあり、ジーンズ誕生と同時期からデニムジャケットは存在していたと思われます。
最初期のデニムジャケットは、リベティッド・ブラウス(Rivetted Blouse)と呼ばれていました。ブラウス(blouse)はフランス語のブルゾン(blouson)が語源です。トリプルプリーツ(Triple Pleat)を備え、オーバーオール(当時のジーンズの呼称)と同様にリベットが使用されているのが特徴で名前もリベットが付いたブラウスの意味となります。
下は1889年の春にリーバイス社が西部全域の販売店にスプリングボトムパンツのサンプルを送った際のブローシャー(カタログ・パンフレット)の写真です。
(関連記事:最初のフレア・ジーンズは1889年に登場!?)
このイラストから、ジーンズだけでなくジャケットもかなり初期の段階から提供されていたことが推定できます。
恐らく、ジーンズ誕生時とほぼ同時期にはデニムジャケット、当時の呼称でリベティッド・ブラウスも誕生したと思います。
こちらは2011年にリーバイス社がアーカイブとして入手した世界最古のデニムジャケット(リベティッド・ブラウス)です。
腕の動きや角度にもよりますが、作業をする上で袖口の継ぎ(合わせ)目が引っかかりにくいのは、恐らく507以降の通常のデニムジャケットの袖の合わせよりも、最初期のデニムブラウスや506XXの方だと思います。
しかし、現存する最も古いデニムジャケットは推定1880年代のものがあり、ジーンズ誕生と同時期からデニムジャケットは存在していたと思われます。
最初期のデニムジャケットは、リベティッド・ブラウス(Rivetted Blouse)と呼ばれていました。ブラウス(blouse)はフランス語のブルゾン(blouson)が語源です。トリプルプリーツ(Triple Pleat)を備え、オーバーオール(当時のジーンズの呼称)と同様にリベットが使用されているのが特徴で名前もリベットが付いたブラウスの意味となります。
下は1889年の春にリーバイス社が西部全域の販売店にスプリングボトムパンツのサンプルを送った際のブローシャー(カタログ・パンフレット)の写真です。
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(Levi Strauss & Co. Archive) |
中央最上部に社名と製品ライン名の表示下の右のイラストは、つるはしを肩に担いだ労働者のイラストがあります。イラストの下に"RIVETED BLOUSE RIVETED OVERALL"と表示があります。
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(Levi Strauss & Co. Archive) |
恐らく、ジーンズ誕生時とほぼ同時期にはデニムジャケット、当時の呼称でリベティッド・ブラウスも誕生したと思います。
こちらは2011年にリーバイス社がアーカイブとして入手した世界最古のデニムジャケット(リベティッド・ブラウス)です。
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(Levi Strauss & Co. Archive) |
リーバイス社のヒストリアン、Lynn Downeyさんは2012年の12月に行われたインタビューで99%の確率でリーバイス社の物で年代は1880年代だろうと答えています。尚、本ジャケットを元にしたトリプルプリーツの復刻ジャケットが既に作れており、その製品は1874年モデルであるとしています。
Downeyさんのインタビューは2012年の12月で、その前まで、このトリプルプリーツは1874年頃の製品であると言われていました。恐らく何らかの追加の発見があり、推定年代は1874年から1880年代の可能性が高くなったのではないかと推測しています。
このジャケットで注目すべき特徴の一つは、袖のボタンの取り付けの位置です。506XXは一般的なシャツやジャケット等の袖のボタンと反対側にボタンが付いており、袖のあわせが逆なのが特徴ですが、この最初期のデニムジャケットの袖のボタン位置は506と同じです。
なぜ最初期のデニムジャケットと506の袖のボタン合わせが近代から現代の一般的なシャツやジャッケットと逆かは使用用途が肉体労働向けで、機能、安全面を考慮していたためではないかと仮定しています。
探鉱等でバケツを持ったり、土砂や荷物を上げたり下ろしたりする動作、腕を内側に向けて動かしたりする時に袖口が引っかかるリスクを抑えるために袖口が通常とは逆の合わせなっていたと推測します。
腕の動きや角度にもよりますが、作業をする上で袖口の継ぎ(合わせ)目が引っかかりにくいのは、恐らく507以降の通常のデニムジャケットの袖の合わせよりも、最初期のデニムブラウスや506XXの方だと思います。
炭坑労働者、森林伐採者等の肉体労働者が初期のデニムジャケットの顧客層であり、重作業の用途を考慮した上で安全面等の理由から袖の合わせが通常とは逆の仕様になっていたではなかったのかと想像しています。
この様にディテールやデザインの特徴を分析したり、想像したりするのも自分にとっては、ヴィンテージの楽しさの一つです。
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