ヴィンテージのデニム製品には、Sanforizedとタグに記載されたものを比較的よく目にします。
下は、50年代のラングラーの27MWのタグです。ブルーベルのロゴとWranglerのロープロゴの下にSANFORIZEDの表示があります。
Lee 101-JのタグにもLeeのロゴマークの下にSANFORIZEDと表示されています。
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サンフォライズは、1920年代に開発された防縮加工技術の名前です。Sanforized Companyが持つ登録商標名でもあります。
以下は、Sanforized CompanyのホームページにあるWhat is "Sanforized"?(サンフォライズとは?)の説明から、一部抜粋したものです。
元来、綿素材の生地で作られた製品は、洗濯すると大幅に縮みます。サンフォライズは、1920年代にSANFORD CLUETTと言う人が、開発した防縮加工技術です。
1930年に開発者サンフォードさんの名前を元にSanforizedとして、登録商標されました。世界の100以上の国々で商標が登録されています。
サンフォライズドは、綿100%と綿が含まれた混紡の生地の防縮加工(あらかじめ縮ませる)工程のことです。工程の正確な意味としては、compressive shrinkage process(圧力をかけて縮ませる工程)になります。
簡単に工程を説明すると、生地をスカイヤー(S)の中で(約15%)水分を含ませた後、ラバーベルト(R)とプレッシャーロール(P)、ラバーベルトシリンダー(RB)で構成されるプレッシャーゾーンで圧力をかけます。
プレッシャーゾーンを出ると生地は縮みだします。そして、ドライヤー(D)で、生地から水分を取り除くことで、内部の繊維は縮んだ状態で固定されます。
上記コンプレッシブ・シュリンケージプロセスが完了後、生地サンプルを取り出します。このサンプルは、ウォッシュテストです。
このテストの最終的な結果は、サンフォライズドの基準の長さと幅を満たさなければなりません。基準を満たしたもののみ、サンフォライズドのレーベルを使用することができます。
サンフォライズドの説明は以上です。
コットンの襟付きシャツは、基本的に全て、防縮加工が施されています。
リーバイスも、シャツではサンフォライズ加工が施された生地を使用し、タグにも表示しています。下は、40年代後半から50年代初めのショートホーンのデニムウエスタンシャツのタグです。
AUTHENTIC WESTERN WEARと書かれたショートホーンのロゴマークの下に、SANFORIZEDの表記があります。
サンフォライズド加工は、現在も幅広く普及している代表的な綿の生地の防縮加工技術です。
防縮加工はジーンズの生産工程の前段階、生地の前工程で行われるものです。洗い加工はジーンズの形になった後に行われるもので、防縮加工とは異なります。
通常、デニム生地は、防縮加工を施した後、糊付けを行い、ロール状で保管され、縫製工場に出荷されます。
生デニムは、防縮加工が施されていないデニム生地のことです。50年代以前のリーバイス 501は、全て生デニムを使用しています。
一方、ライバルのLeeとラングラーは、防縮加工、サンフォライズドであることを強調しています。
下は1949年のカウボーイ用品カタログ内のLeeのジーンズの商品説明です。
箇条書きされた特徴の一番最初に、Sanforized Shrunkと記載されています。最初からパーフェクトフィットする様に予め縮めてあると説明があります。
ラングラーは、商品のタイトルに"11-OZ. HEAVY WEIGHT Sanforized Denim SADDLE PANTS"と表示しています。
商品説明には、
"Wranglers are Sanforized. Order your exact size. They'll fit when you first put them on and shrinkage won't exceed 1%."
(訳)
ラングラー(のジーンズと全てのデニム製品)は、サンフォライズドされています。丁度良いサイズそのものをご注文ください。最初に着た時、フィットします。縮みは1%未満です。
(訳終わり)
Leeとラングラーが、リーバイスに対抗する上でサンフォライズされたデニムであることを特徴として、強調していることが分かります。
これらの説明やタグの表記にも加えられていることは、いかにサンフォライズドの名称が普及していて、製品の特徴の売り文句となっていたかを示しています。
下は、50年代のラングラーの27MWのタグです。ブルーベルのロゴとWranglerのロープロゴの下にSANFORIZEDの表示があります。
Lee 101-JのタグにもLeeのロゴマークの下にSANFORIZEDと表示されています。
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Sanforized(サンフォライズド)とは?
サンフォライズは、1920年代に開発された防縮加工技術の名前です。Sanforized Companyが持つ登録商標名でもあります。
以下は、Sanforized CompanyのホームページにあるWhat is "Sanforized"?(サンフォライズとは?)の説明から、一部抜粋したものです。
元来、綿素材の生地で作られた製品は、洗濯すると大幅に縮みます。サンフォライズは、1920年代にSANFORD CLUETTと言う人が、開発した防縮加工技術です。
1930年に開発者サンフォードさんの名前を元にSanforizedとして、登録商標されました。世界の100以上の国々で商標が登録されています。
サンフォライズドは、綿100%と綿が含まれた混紡の生地の防縮加工(あらかじめ縮ませる)工程のことです。工程の正確な意味としては、compressive shrinkage process(圧力をかけて縮ませる工程)になります。
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サンフォライズ工程 (Source: The Sanforized Company) |
プレッシャーゾーンを出ると生地は縮みだします。そして、ドライヤー(D)で、生地から水分を取り除くことで、内部の繊維は縮んだ状態で固定されます。
上記コンプレッシブ・シュリンケージプロセスが完了後、生地サンプルを取り出します。このサンプルは、ウォッシュテストです。
このテストの最終的な結果は、サンフォライズドの基準の長さと幅を満たさなければなりません。基準を満たしたもののみ、サンフォライズドのレーベルを使用することができます。
サンフォライズドの説明は以上です。
コットンの襟付きシャツは、基本的に全て、防縮加工が施されています。
リーバイスも、シャツではサンフォライズ加工が施された生地を使用し、タグにも表示しています。下は、40年代後半から50年代初めのショートホーンのデニムウエスタンシャツのタグです。
AUTHENTIC WESTERN WEARと書かれたショートホーンのロゴマークの下に、SANFORIZEDの表記があります。
サンフォライズド加工は、現在も幅広く普及している代表的な綿の生地の防縮加工技術です。
防縮加工はジーンズの生産工程の前段階、生地の前工程で行われるものです。洗い加工はジーンズの形になった後に行われるもので、防縮加工とは異なります。
通常、デニム生地は、防縮加工を施した後、糊付けを行い、ロール状で保管され、縫製工場に出荷されます。
サンフォライズ加工のLeeとラングラー vs 生デニムのリーバイス
生デニムは、防縮加工が施されていないデニム生地のことです。50年代以前のリーバイス 501は、全て生デニムを使用しています。
一方、ライバルのLeeとラングラーは、防縮加工、サンフォライズドであることを強調しています。
下は1949年のカウボーイ用品カタログ内のLeeのジーンズの商品説明です。
箇条書きされた特徴の一番最初に、Sanforized Shrunkと記載されています。最初からパーフェクトフィットする様に予め縮めてあると説明があります。
ラングラーは、商品のタイトルに"11-OZ. HEAVY WEIGHT Sanforized Denim SADDLE PANTS"と表示しています。
商品説明には、
"Wranglers are Sanforized. Order your exact size. They'll fit when you first put them on and shrinkage won't exceed 1%."
(訳)
ラングラー(のジーンズと全てのデニム製品)は、サンフォライズドされています。丁度良いサイズそのものをご注文ください。最初に着た時、フィットします。縮みは1%未満です。
(訳終わり)
Leeとラングラーが、リーバイスに対抗する上でサンフォライズされたデニムであることを特徴として、強調していることが分かります。
これらの説明やタグの表記にも加えられていることは、いかにサンフォライズドの名称が普及していて、製品の特徴の売り文句となっていたかを示しています。
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