リーバイスのジーンズやジージャンは、年代によって異なるディテールを備えているのが特徴です。ディテールは、年代やモデルを推測するための材料にもなります。
ディテールを調べたりすることも、ヴィンテージリーバイスの楽しみの一つです。ヴィンテージをお持ちの方は、大なり小なりディテールについて興味がある方が多いと(ほとんどだと)思います。
ヴィンテージリーバイスのジーンズでトップボタン裏が刻印16のものは、通常とは異なる古い年代のディテールを備えています。
興味深いディテールを備えている刻印16の70年代リーバイス517 66前期を紹介します。
517は、70年代の初めにサドルマンジーンズのブランドで登場した当時のリーバイスが力を入れた新作モデルのジーンズです。
シルエットは、膝から裾にかけて広がるブーツカットです。70年代の517は、裾の広がりの幅はそれほど大きくありません。
本品は裾詰めされていますが、全体から受ける印象は、まさに70年代のジーンズという感じです。
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刻印16は、古い年代の生地と思われる色落ちをするものが多いことでも知られています。
本品の場合、縦に筋状に色落ちする非常に明確な縦落ちをしているのが特徴です。
こちらは、明るめに写っていますが、色落ちの感じが良くわかると思います。
左ひざ周辺の写真です。明確な縦(写真では横)に筋状に色落ちしています。
66前期は、明確な縦落ちをすることで有名です。しかし、ここまで明確なものは珍しいです。
トップボタンの裏側に、16の刻印があります。
70年代以降のリーバイスジーンズ(501/505/517)の取り扱い説明タグは、通常、左のアウトシーム内側のヒップ周辺に取り付けられています。
しかし、刻印16の場合、通常の左ではなく、右に取り扱い説明タグが付いています。
517-0217の表記が読み取れます。517は、ロット(モデル)番号。0217は、生地色番号を意味します。02が防縮加工、17が(自然な伝統的)インディゴ・カラーを意味します。
その下に、"8", "5", "16"の数字が読み取れます。
これらは、1975年8月、16番工場製であることを意味します。
通称紙パッチと呼ばれる紙製のパッチです。
読み取りづらくなっていますが、517-0217の表記があります。
ロット番号表記の上に"CARE INSTRUCTION INSIDE GARMENT"の表記で、内側に取り扱い説明が記載されていることを示す小さなプリントがあります。
(読み取れませんが、70年代から80年代前半のリーバイスジーンズのパッチ表記の特徴です。)
バックポケットは、縦横がほぼ同じで、少し下が狭い501と似た感じの形状です。
®のみの通称ブランクタブと呼ばれる赤タブです。
リーバイスは、ジーンズの右バックポケットに小さな布を取り付けるタブの商標登録を取得しています。
この商標登録は、会社、ブランド名など文字表記は含まず、小さな布を使用したタグを取り付けることに対するものです。
赤タブ10枚に一枚の割合で、商標登録を示す®のみの無地のタブが使用されています。(割合は年代によっても異なりますが、平均すると10%です。リーバイスの公式な表明にもブランクタブの比率は1割となっています。)
バック裏のステッチは、シングルステッチが2本、平行に入れられています。
このステッチディテールは、1976年ごろまで製造された66前期までのヴィンテージリーバイスジーンズの特徴の一つです。
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ここまでは、通常のディテールと大きな差がありません。以下に、同年代の同モデルと比べて、刻印16ならではの特徴を紹介します。
ディテールを調べたりすることも、ヴィンテージリーバイスの楽しみの一つです。ヴィンテージをお持ちの方は、大なり小なりディテールについて興味がある方が多いと(ほとんどだと)思います。
ヴィンテージリーバイスのジーンズでトップボタン裏が刻印16のものは、通常とは異なる古い年代のディテールを備えています。
興味深いディテールを備えている刻印16の70年代リーバイス517 66前期を紹介します。
517は、70年代の初めにサドルマンジーンズのブランドで登場した当時のリーバイスが力を入れた新作モデルのジーンズです。
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70年代 リーバイス517 66前期 |
本品は裾詰めされていますが、全体から受ける印象は、まさに70年代のジーンズという感じです。
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縦落ちが目立つ色落ち
刻印16は、古い年代の生地と思われる色落ちをするものが多いことでも知られています。
本品の場合、縦に筋状に色落ちする非常に明確な縦落ちをしているのが特徴です。
こちらは、明るめに写っていますが、色落ちの感じが良くわかると思います。
左ひざ周辺の写真です。明確な縦(写真では横)に筋状に色落ちしています。
66前期は、明確な縦落ちをすることで有名です。しかし、ここまで明確なものは珍しいです。
ボタン裏刻印16
トップボタンの裏側に、16の刻印があります。
内側のタグ
70年代以降のリーバイスジーンズ(501/505/517)の取り扱い説明タグは、通常、左のアウトシーム内側のヒップ周辺に取り付けられています。
しかし、刻印16の場合、通常の左ではなく、右に取り扱い説明タグが付いています。
517-0217の表記が読み取れます。517は、ロット(モデル)番号。0217は、生地色番号を意味します。02が防縮加工、17が(自然な伝統的)インディゴ・カラーを意味します。
その下に、"8", "5", "16"の数字が読み取れます。
これらは、1975年8月、16番工場製であることを意味します。
ウエスト・ポケットエリア
後ろから見ても、縦落ちが目立ちます。通称紙パッチと呼ばれる紙製のパッチです。
読み取りづらくなっていますが、517-0217の表記があります。
ロット番号表記の上に"CARE INSTRUCTION INSIDE GARMENT"の表記で、内側に取り扱い説明が記載されていることを示す小さなプリントがあります。
(読み取れませんが、70年代から80年代前半のリーバイスジーンズのパッチ表記の特徴です。)
バックポケットは、縦横がほぼ同じで、少し下が狭い501と似た感じの形状です。
®のみの通称ブランクタブと呼ばれる赤タブです。
リーバイスは、ジーンズの右バックポケットに小さな布を取り付けるタブの商標登録を取得しています。
この商標登録は、会社、ブランド名など文字表記は含まず、小さな布を使用したタグを取り付けることに対するものです。
赤タブ10枚に一枚の割合で、商標登録を示す®のみの無地のタブが使用されています。(割合は年代によっても異なりますが、平均すると10%です。リーバイスの公式な表明にもブランクタブの比率は1割となっています。)
バックポケット裏シングルステッチ
バック裏のステッチは、シングルステッチが2本、平行に入れられています。
このステッチディテールは、1976年ごろまで製造された66前期までのヴィンテージリーバイスジーンズの特徴の一つです。
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ここまでは、通常のディテールと大きな差がありません。以下に、同年代の同モデルと比べて、刻印16ならではの特徴を紹介します。
ウォッチポケット・イエローステッチ
66前期のステッチは、基本的にオレンジ色のスパン糸が全面的に使用されているものがほとんどです。
本品は、ウォッチポケット(通称コインポケット)の入り口に横に入るステッチがイエローです。
ウォッチポケットにイエローステッチが使用されているのは、501XXの特徴の一つです。ビッグEでも初期を除くとオレンジステッチが多いです。
さらに本品は、ウォッチポケット裏もシングルステッチです。
このディテールも古い年代のモデル501XXの特徴で、ビッグEの後期からはチェーンステッチになります。
アウトシームの縫い付けシングル
517は、基本的に全てアウトシームは脇割りです。
66E以降の70年代の501や505では、アウトシームの取り付けステッチは、片側がシングルでもう片側はチェーンステッチになっているのが特徴の一つです。
本品は、ビッグE以前と同様にアウトシームの取り付けステッチが両側ともシングルになっています。
以上、ディテール上の特徴を紹介しました。
細かいところですが、古い年代のモデルに見られるディテールを備えているところが、刻印16の特徴です。
刻印16の工場については、将来、考察・推測の記事を投稿しようと考えています。
- [message]
- ##hand-o-right## 備考
- ここで紹介した刻印16 517は、後日、詳しいサイズ情報、商品説明記事を作成し、ロングホーンインポートWebストアに追加する予定です。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
関連記事:
リーバイス517のビックEなんですけど
返信削除内タグを見たら78年のビッグE
でした。
1971年にLEVI'S(キャピタルE)から72年以降はLevi's(スモールe)へと変更
したのでは。
つまり、517の初期にしかBIG”E”のタグしか付かないと思っていたのです。
しかし私のは後期の517でビッグEでした。
トップボタンの裏は16でした。
ポケット裏チェーンステッチです。
はじめまして。
返信削除現時点で持っている情報からの認識として、スモールeからビッグEの赤タブへの移行は、モデル(ロット番号)によって異なる可能性が高いと考えています。501の場合は、1973年の後半か1974年の初め頃に移行したと思われます。
517の場合は、最初期はビッグEのタブが付いているというのが定説としてあるため、517の場合はお書きになられた様に1971年頃に製造された517ではビッグEが使われ、1972年以降はスモールeとなった可能性が考えられます。(517の場合は、スモールeが多いため、501より早い時期からスモールeが使われていた可能性が考えられます。しかし、私自身は517のタブと製造年の関係が分かるサンプルデータはほとんど持っていません。501の場合は、相当数のサンプルがあるので、ビッグEからスモールeへの移行は早くて1973年後半というのは、ほぼ確定と言える確度の情報です。)
お持ちの517は、1978年製でビッグEのタブというのは非常に珍しいと思います。タブは時折、古い年代のものが後で使われることが稀にありますが、ビッグEでその様な事例は初めてです。貴重な情報、ありがとうございます。