1988年秋冬向けカタログ、リーバイスブックVol. 6 の概要と見所、注目点を紹介します。Vol. 5で変更された表紙と裏表紙が異なる構成、ロゴ・コピー配置を継承しています。

Vol.5と同様に裏表紙に"The World's Most Famous Brand"のコピーがリーバイスのロゴの上に入ります。裏表紙のロゴのバックグラウンド・カラーを暗めの茶色にしたことで、季節感を演出しています。
表紙をめくった見開きページは、それまでの構成を継承した主要ラインカテゴリーの一覧説明ページですが、それまでの号で使用していたジェームス・ディーンの写真ではなく、中央に非常に古い年代のリーバイスの広告が描かれた壁の写真が掲載されています。

古い壁のサインの写真の使い方も上手です。古い年代のリーバイスのサインは、米国の各地に今も残っているものもあります。アメリカの歴史とともに歩んできたブランドであることを明確に示すものです。
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見開きでプロダクト・ライン・カテゴリー毎に簡単な説明と代表モデルなどが表示されています。とても見やすい構成です。
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この503の商品説明は色々と注目に値する点があります。
「マニアも驚く復刻版ヴィンテージ503型」と言うサブタイトルが付いています。
リーバイスブックで、「復刻」と言う言葉はこれまでのリーバイスブックの中でも502の説明などに使われていましたが、サブタイトルのような目立つ形で使用されたのは、Vol. 6 での503が初めてです。恐らく、復刻という呼び名の元となったのは、リーバイスジャパン発行のリーバイスブックではないかと推測しています。
以下は、リーバイスブックの503の商品説明です。
この時代は、「501」と言う名前は、米国製の501以外に使用することをリーバイス本社が認めていませんでした。(501は基本的に1種類で、生地の洗い加工などの派生版があるのみ。)そのため、リーバイスジャパンは、オリジナルヴィンテージ時代(1960年代以前)に501のユース・ボーイズ版として使用されていたロット番号503Bを使用して日本市場向けの復刻新製品として投入しました。
503では、フライボタンがドーナッツ型の形状をしていたり、1890年以前の特徴だったポケットの内袋にギャランティー表記が印刷されている仕様などを備えていることは、当時の「復刻」と呼ぶ製品のデザインコンセプトは、過去のモデルを忠実に再現するのではなく、色々な年代の過去のディテールなどをヒントに味付けする手法であったことを物語っています。
オリジナル・リーバイスのラインのページに、505-02と70506-02に加えて、70609-02と70506-03が加えられています。

70609はボア付き、70506-03はブランケット付きのデニムジャケットです。リーバイスは、ヴィンテージ時代から長年、ブランケット付きジージャンを提供していました。リーバイスブックではボア付き、ブランケット付き共、初登場です。
ボア付きの70609が一番上に配置されているのは、日本ではボア付きの方が人気が高かったためではないかと推測しています。看板モデルの505と肩を並べるような形で掲載されているのも興味深いです。
Vol. 6では、Vol. 5よりも少し多く過去の写真を使用したページがあります。掲載する製品数も多く、ページのスペースも限られているなかで、過去の写真を上手に使用しているのが印象的です。
以下はクラシックリーバイスのラインからオーセンティックのラインのページに移る途中に、黒字の背景にカウボーイスタイルの古い写真をフルの1ページを使っています。

上部に「リーバイスがあればいい」と比較的小さめのコピーが入り、下には"The Trend Is Back To Quality"のメッセージ、青字でTRUE ORIGIN、バットマークが続いて表示されています。
製品ライン間の間にこの様なページが間に入ることで、全体的にも締まった感じになり、ブランディングイメージを上げる効果もあると思います。
Lady's Levi'sのセクションの初めに、Vol. 5でもとても魅力的な写真を掲載していましたが、Vol. 6でも雰囲気がある良い感じの写真を掲載しています。

リーバイスブックは、掲載する写真の選び方、掲載の仕方もセンスが良いと思います。
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1年前の秋冬向けカタログ、1987年発行リーバイスブック Vol. 4 と見比べると、掲載モデル数が増えたり、構成にも変化があり、興味深いです。
[1987年 リーバイスブック Vol. 4: 編集室発足、海外取材記事などが加わる ##link##]

Vol.5と同様に裏表紙に"The World's Most Famous Brand"のコピーがリーバイスのロゴの上に入ります。裏表紙のロゴのバックグラウンド・カラーを暗めの茶色にしたことで、季節感を演出しています。
表紙をめくった見開きページは、それまでの構成を継承した主要ラインカテゴリーの一覧説明ページですが、それまでの号で使用していたジェームス・ディーンの写真ではなく、中央に非常に古い年代のリーバイスの広告が描かれた壁の写真が掲載されています。

古い壁のサインの写真の使い方も上手です。古い年代のリーバイスのサインは、米国の各地に今も残っているものもあります。アメリカの歴史とともに歩んできたブランドであることを明確に示すものです。
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[1900年代初めのリーバイスのサインがアリゾナで発見される! ##link##]
見開きでプロダクト・ライン・カテゴリー毎に簡単な説明と代表モデルなどが表示されています。とても見やすい構成です。
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ページ構成
Vol. 6は、Vol. 5と同じ42ページ構成です。掲載される製品数が多いため、Vol. 5と同様に、コラム記事などはなく、製品カタログに近い構成になっています。
- This is a pair of Levi's 主要ライン概要紹介 (p.2-3)
- Original Levi's
- 501-01 (p.4-5)
- US505-02 (p.6)
- 70506-02 (p.6-7)
- 70609−02 & 70506-03 (p.7)
- Vintage Levi's
- 502-xx (p.8)
- 70701xx (p.8-9)
- 70702xx (p.9)
- 701xx & 503B-xx (p.9)
- Classic Blue Levi's
- 503-02 & 503-0259 (p.10)
- 603-02 & 603-0259 (p.11)
- 508-02 & 608-02 (p.12)
- The Trend Is Back To Quality(リーバイスがあればいい:カウボーイスタイルの古い写真: p.13)
- Authentic Blue Levi's
- 510-02 & 610-02 (p.14)
- 505-02, 606-02, 506-02, & 606-10 (p.15)
- 506-02 & 606-02 (p.15)
- New Generation Blue Levi's
- 525-02, 626-02, 525-10 & 626-53 (p.16)
- 520-02 & 620-02 (p.17)
- 627-02 & 656-02 (p.18)
- 636-02 (p.19)
- 637-02 & 635-02 (p.20)
- 635-54 & 70649-02 (p.21)
- 1988 Fall & Winter Basic Line (p.22-23)
- Levi's Shirts
- 51665-04, 51665-29, & WW100-30 (p.24)
- 54732-04, 54732-29 & 54720-04 (p.25)
- 54652-41, 54652-49 & 54720-24 (p.26)
- 52720-76, 52740-30, 54732-75, 96838-72 & 71649-02 (p.27)
- Levi's Fun Basic Jeans
- 720-02 & 740-02 (p.28)
- 730-02 & 730-54 (p.29)
- 760-02 & 738-02 (p.30)
- That's Our Brand - Levi's Fun Basic Jeans 紹介 (p.31)
- Levi's For Men (650 Jeans)
- 27650-60 & 27650-89 (p.32)
- Levi's Cords
- 503-15 & 515-88 (p.33)
- Levi's Fashion Pants
- 25202-70 & 25202-48 (p.34)
- 23411-70 & 23411-47 (p.35)
- Lady's Levi's
- リーバイスには女性専用モデルがあります - イメージ画像 (p.36)
- W626-02 & W626-10 (p.37)
- W525-02 & W603-02 (p.38)
- W606-06 & W730-02 (p.39)
- History of Levi's Jeans (歴史概略: p.40)
- パッチ徹底解説 (p.41)
リーバイスブックVol. 6の見所と注目点
503B-XXがヴィンテージラインに加わる。
1988年の秋冬から503B-XXがヴィンテージラインに加わりました。
この503の商品説明は色々と注目に値する点があります。
「マニアも驚く復刻版ヴィンテージ503型」と言うサブタイトルが付いています。
リーバイスブックで、「復刻」と言う言葉はこれまでのリーバイスブックの中でも502の説明などに使われていましたが、サブタイトルのような目立つ形で使用されたのは、Vol. 6 での503が初めてです。恐らく、復刻という呼び名の元となったのは、リーバイスジャパン発行のリーバイスブックではないかと推測しています。
以下は、リーバイスブックの503の商品説明です。
502に続いてリーバイスの歴史的モデル503B-XXが復刻された。同ロットながらクラシックのそれとは違いボタン仕様。オールド・スタイルのタブとレザーパッチ付きだ。クラシックのラインにも503-02と503-0259言うモデルがありますが、仕様が異なります。クラシックとの大きな違いは、ボタンフライであることです。
この時代は、「501」と言う名前は、米国製の501以外に使用することをリーバイス本社が認めていませんでした。(501は基本的に1種類で、生地の洗い加工などの派生版があるのみ。)そのため、リーバイスジャパンは、オリジナルヴィンテージ時代(1960年代以前)に501のユース・ボーイズ版として使用されていたロット番号503Bを使用して日本市場向けの復刻新製品として投入しました。
この時代(80年代後半)の復刻のコンセプトは過去のモデルの忠実な再現をすることではなかった
503では、フライボタンがドーナッツ型の形状をしていたり、1890年以前の特徴だったポケットの内袋にギャランティー表記が印刷されている仕様などを備えていることは、当時の「復刻」と呼ぶ製品のデザインコンセプトは、過去のモデルを忠実に再現するのではなく、色々な年代の過去のディテールなどをヒントに味付けする手法であったことを物語っています。
ボア付きとブランケット付きジージャン
オリジナル・リーバイスのラインのページに、505-02と70506-02に加えて、70609-02と70506-03が加えられています。

70609はボア付き、70506-03はブランケット付きのデニムジャケットです。リーバイスは、ヴィンテージ時代から長年、ブランケット付きジージャンを提供していました。リーバイスブックではボア付き、ブランケット付き共、初登場です。
ボア付きの70609が一番上に配置されているのは、日本ではボア付きの方が人気が高かったためではないかと推測しています。看板モデルの505と肩を並べるような形で掲載されているのも興味深いです。
ブランドイメージを高める効果的な過去の写真使い
Vol. 6では、Vol. 5よりも少し多く過去の写真を使用したページがあります。掲載する製品数も多く、ページのスペースも限られているなかで、過去の写真を上手に使用しているのが印象的です。
以下はクラシックリーバイスのラインからオーセンティックのラインのページに移る途中に、黒字の背景にカウボーイスタイルの古い写真をフルの1ページを使っています。

上部に「リーバイスがあればいい」と比較的小さめのコピーが入り、下には"The Trend Is Back To Quality"のメッセージ、青字でTRUE ORIGIN、バットマークが続いて表示されています。
製品ライン間の間にこの様なページが間に入ることで、全体的にも締まった感じになり、ブランディングイメージを上げる効果もあると思います。
Lady's Levi'sのセクションの初めに、Vol. 5でもとても魅力的な写真を掲載していましたが、Vol. 6でも雰囲気がある良い感じの写真を掲載しています。

リーバイスブックは、掲載する写真の選び方、掲載の仕方もセンスが良いと思います。
関連記事:
1年前の秋冬向けカタログ、1987年発行リーバイスブック Vol. 4 と見比べると、掲載モデル数が増えたり、構成にも変化があり、興味深いです。
[1987年 リーバイスブック Vol. 4: 編集室発足、海外取材記事などが加わる ##link##]
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