1987年秋冬向けカタログ、リーバイスブックVol. 4 の概要と見所、注目点を紹介します。表紙はVol. 3と同様にジェームス・ディーンがベレー帽をかぶっていますが、画像の雰囲気は季節を感じさせる演出が上手に行われています。Vol.3に続いてVol.4でも、裏表紙に"My Mind, Levi's"のサブタイトルが入ります。

表紙をめくった見開きページは、前号の構成を継承した主要ラインカテゴリーの一覧説明ページです。Vol.4から、VINTAGE LEVI'SとLEVI'S SHIRTSのカテゴリー(ライン)が加わりました。


表紙をめくった見開きページは、前号の構成を継承した主要ラインカテゴリーの一覧説明ページです。Vol.4から、VINTAGE LEVI'SとLEVI'S SHIRTSのカテゴリー(ライン)が加わりました。

ページ構成
Vol. 1から3までは表紙を含めて全32ページの構成でしたが、Vol. 4では8ページ増え40ページとなっています。これまでの号では各ページに番号が入りましたが、ページ番号が廃止されました。
- This is a pair of Levi's 主要ライン概要紹介 (p.2-3)
- Original Levi's
- 501 (p.4-5)
- US505-02 (p.6)
- 70506-02 (p.6-7)
- US606-02 (p.7)
- History of Levi's Jeans & パッチ徹底解説 (p.8-9)
- Vintage Levi's
- 502xx (p.10)
- 70702xx (p.10-11)
- 70701xx (p.11)
- 701xx (p.11)
- Classic Blue Levi's
- 503-02 & 503-0259 (p.12)
- 503-0252 / 30 & 603-02 (p.13)
- 603-0252 & 603-0259 (p.14)
- Authentic Blue Levi's
- 505-02 & 515-02 (p.15)
- 506-02 & 606-02 (p.16)
- 70505-02 & 606-10 (p.17)
- Levi's Shirts
- 51665-04, 51665-29, & 54732-04 (p.18)
- 54740-07, 54740-09 & 54740-30 (p.19)
- The "Two Horse" Brand since 1850 (p.20-21)
- New Generation Blue Levi's
- 525-02, 525-10 & 525-53 (p.22)
- 626-02 & 626-53 (p.23)
- 627-02 & 628-02 (p.24)
- 636-02 / 52 (p.25)
- 656-02 & 70649-02 (p.26)
- 637-02 (p.27)
- ジーンズがファッションになった日 (p.28-29)
- Lady's Levi's
- W626-02 & W525-02 (p.30)
- W606-06 & W656-02 (p.31)
- リーバイスパッチ徹底解読 (p.32)
- LFM650 Jeans
- 25650-60 & 24650-89 (p.33)
- Levi's Fashion Pants
- 25202-70 & 23411-70 (p.34)
- 23720-47 & 23721-90 (p.35)
- リーバイスがあればいい。(p.36-37)
- 1987 Fall & Winter Basic Lineとウォッシュカラー 一覧 (p.38-39)
[post_ads]
リーバイスブックVol. 4の見所と注目点
Vintage Levi's ラインの追加
Vol. 4では、新たにVintage Levi'sのカテゴリーが新設されました。Vol. 3まではClassic Levi'sの中で紹介されていた502が、502xxとなりVintage Levi'sに移っています。加えて701xx, 70702xx, 70701xxの合計4モデルがVintage Levi'sのモデルとして紹介されています。
70701xxはタイプ1 ジャケット、70702xxはタイプ2 ジャケットと名付けられています。両モデルともフロントプリーツ、左胸1ポケット、シンチバックが付いているのが特徴です。両者の違いは、タイプ2はポケットにフラップが付き、タイプ1はフラップ無しとなります。
- [message]
- ##hand-o-right## 備考
- ヴィンテージ市場では、506xxをファースト、またはタイプ1。507xxをセカンド、またはタイプ2と言う呼称が普及しています。それらの呼び名の元となったのは、リーバイスジャパンのネーミングではないかと推測します。
701xxは、シンチバックとクロッチリベットなどを備えています。戦前の通称1937モデルがデザイン・ベースとなっていると思われます。(この年代のモデルは、忠実なディテールの再現を行うアプローチではありません。)
大幅増ページ
Vol. 4はVol.3に比べ8ページの増加となっています。ページ増加によって紙面のスペースができたため、Vol.3ではHistory of Levi'sと同じページに掲載されていたパッチ徹底解読が専用の1ページ一杯で掲載されています。
増やされたページを使って、以下の様な特集記事やイメージが追加されました。
リーバイスがあればいい。The "Two Horse" Brand Since 1850
ツーホースブランドをイメージさせる写真などを見開きページいっぱいに使用しています。ブランドイメージを高める効果的な手法だと思います。
ジーンズがファッションになった日
以下の2ページは、「ジーンズがファッションになった日」のタイトルで、写真とともに特集記事が掲載されています。
以下、導入部を引用します。
ジーンズが最初にファッションとして流行したのは1930年代末期といわれる。発祥地は西海岸のU.C.バークレー校かオレゴン大学のいずれか、と言うのが通説だった。しかし、ブームになるまでには何年間かの期間があるはず。私たちはリーバイスの本社がサンフランシスコにあることから、バークレーに的を絞り、バークレー校の協力を得て1900年代初期から1970年代初期まで資料を徹底的にチェック、そしてついに見つけ出したのが、ここに紹介する4枚の”歴史的写真”なのである。
この記事を書くために、サンフランシスコまで取材に行ったことを示しています。右ページ上段の2枚の写真は1924年のレーバー・デイ(労働者の日)の2年生達です。労働者の日なので、ジーンズ(当時の呼称オーバーオール)を穿くのは自然な流れだと思います。上に着ているシャツはこぎれいで、なかにはネクタイを締めている人もいますが・・・(笑)キャプションには「最新のファッション」と記載されているようなので、納得です。右ページ下の整列した写真は、その後の年代のもののようです。
左ページの女性二人の写真は1943年のもので、オシャレとしてジーンズを着こなす人達が登場したと紹介されています。左側の女性は、ジーンズに上は506xxを着ています。靴はサドルシューズです。サドルシューズは1930年代の後半に、大学生の間で人気となっています。
以下は1937年のLife Magazineの表紙です。
この号は、大学のキャンパスライフなどの特集記事が掲載されているものです。
詳しくは、以下のロングホーンインポートの記事をご参照下さい。
関連記事:
リーバイスがあればいい - 欧米の街中のファッション
『世界のファッション人間がはいているリーバイスのブルージーンズ』のサブタイトルが付けられ、パリ、ロンドン、カリフォルニア・バークレーの街中でジーンズを穿いている人達の写真が紹介されています。
80年代後半当時、インターネットなどは一般には普及しておらず、世界のファッション動向などは雑誌など限られたメディアのみで紹介されていました。
上で紹介したようにページを増やして追加された記事や写真特集などによって、リーバイスブックは、カタログという範疇を超えたファッション情報を提供するメディア的な面も当時のユーザーに提供するようになっていったことが伺われます。
LEVI'S BOOK 編集室 発足
Vol. 4 で特筆すべき事は、最後のページ、1987 Fall & Winter Basic Lineの一覧ページの右下に表示される”リーバイス・ストラウス ジャパン株式会社”の下に”LEVI'S®BOOK 編集室"の表示が加わっていることです。(以下の画像、赤の矢印で示した赤のアンダーライン部)

リーバイスジャパンが、専門の部署を設けてリーバイスブックに取り組み始めたことを示しています。Vol. 4は、リーバイスブックの進化の起点とも言える号だと思います。

リーバイスジャパンが、専門の部署を設けてリーバイスブックに取り組み始めたことを示しています。Vol. 4は、リーバイスブックの進化の起点とも言える号だと思います。
COMMENTS