リーバイス本社のブログ, UNZIPPED, から面白い記事を見つけたので、内容を簡単にまとめて紹介します。
(元記事: Throwback Thursday: Flares ... 1880s Style)
今回は訳ではなく、記事の内容を元にこちらで編集して書いています。
1970年代に裾が広がるフレアのスタイル(当時の一般的な呼称はベルボトム等)が大流行したのをご存知の方は多いと思います。リーバイス社でも、デニム、コーデュロイ、アメリカ国旗のストライプ柄等あるゆる全ての生地で、男性用、女性用のフレアパンツを作りました。
しかし、その流行のスタイルは実は、ずっと以前にもあったのです。
1889年、リーバイス社はスプリングボトムパンツと呼ぶ新製品を発表しました。調査の結果によると、”スプリング(spring)"は”フレア(flare)"を意味する事だと分かりました。当時のカスタムテイラー(仕立て屋)は、希望のスプリング(フレア)の度合いに仕上げたとあります。
スプリングは、19世紀の終わり頃の流行のスタイルだったため、リーバイス社もブルーとゴールドのデニムでスプリングボトムパンツを作る子を決定しました。スプリングボトムパンツは、501と同様に銅リベットをポケット部の取り付け強化に使用していました。
尚、このパンツは、ジーンズ(当時の呼称はオーバーオール)と異なり、肉体労働者向けの物ではありませんでした。スプリングボトムパンツは、ブックキーパー(経理)や工場長等向け、中間管理職用のジーンズとして、広告されました。20世紀に入ってからのブラックデニムと似た様な所があります。
1889年の春にリーバイス社は西部全域の販売店にスプリングボトムパンツのサンプルを送りました。ワイオミングにある代理店に4月15日に、他の注文品と一緒に1ダースのスプリングボトムパンツをサンプルとして送った記録が残っています。
1991年にはフレアの流行は終息となり、スプリングボトムパンツは製造中止となりました。
リーバイス社には二つのスプリングボトムパンツがアーカイブとして保管されています。一つは1880年代もう一つは1900年頃のものです。両方共、スプリングボトムパンツ用のブルーとゴールドのデニムでできています。
以上、リーバイス社のブログ記事の内容からです。
以下は記事の中に添付されていた写真です。写真についてのコメントを以下に書きます。
(元記事: Throwback Thursday: Flares ... 1880s Style)
今回は訳ではなく、記事の内容を元にこちらで編集して書いています。
1970年代に裾が広がるフレアのスタイル(当時の一般的な呼称はベルボトム等)が大流行したのをご存知の方は多いと思います。リーバイス社でも、デニム、コーデュロイ、アメリカ国旗のストライプ柄等あるゆる全ての生地で、男性用、女性用のフレアパンツを作りました。
しかし、その流行のスタイルは実は、ずっと以前にもあったのです。
1889年、リーバイス社はスプリングボトムパンツと呼ぶ新製品を発表しました。調査の結果によると、”スプリング(spring)"は”フレア(flare)"を意味する事だと分かりました。当時のカスタムテイラー(仕立て屋)は、希望のスプリング(フレア)の度合いに仕上げたとあります。
スプリングは、19世紀の終わり頃の流行のスタイルだったため、リーバイス社もブルーとゴールドのデニムでスプリングボトムパンツを作る子を決定しました。スプリングボトムパンツは、501と同様に銅リベットをポケット部の取り付け強化に使用していました。
尚、このパンツは、ジーンズ(当時の呼称はオーバーオール)と異なり、肉体労働者向けの物ではありませんでした。スプリングボトムパンツは、ブックキーパー(経理)や工場長等向け、中間管理職用のジーンズとして、広告されました。20世紀に入ってからのブラックデニムと似た様な所があります。
1889年の春にリーバイス社は西部全域の販売店にスプリングボトムパンツのサンプルを送りました。ワイオミングにある代理店に4月15日に、他の注文品と一緒に1ダースのスプリングボトムパンツをサンプルとして送った記録が残っています。
1991年にはフレアの流行は終息となり、スプリングボトムパンツは製造中止となりました。
リーバイス社には二つのスプリングボトムパンツがアーカイブとして保管されています。一つは1880年代もう一つは1900年頃のものです。両方共、スプリングボトムパンツ用のブルーとゴールドのデニムでできています。
以上、リーバイス社のブログ記事の内容からです。
以下は記事の中に添付されていた写真です。写真についてのコメントを以下に書きます。
これは、当時のポスター・広告と思われます。LEVI STRAUSS & Co'sの社名の下に、"COPPER RIVETED"、続いて”OVERALLS - SPRING BOTTOM PANTS and BLANKET LINED CLOTHING"と書かれています。
19世紀の終わり頃から20世紀の初め頃の広告では、OVERALLS and BLANKET LINED CLOTHINGは何回か見た記憶があります。SPRING BOTTOM PANTSが入っているのは初めて見ました。
リーバイス社としてもスプリングボトムパンツを主力製品(にしたい)の位置付けだったのだと思います。
その下の左右のイラストでも、右はつるはしを肩に担いだ労働者、下に"RIVETED BLOUSE RIVETED OVERALLと書かれています。BLOUSEは当時のデニムジャケットの呼称です。
そして、左は管理職っぽい男性のイラスト、その下にSPRING BOTTOM PANTSと書かれています。
イラストを見る限り、それ程目立って、裾が広がっている感じではありません。しかし、リーバイス社には現物がある様なので、やはりある程度は裾が広がっている物と思われます。
また、名称も"SPRING" "BOTTOM"とあり、裾に特徴=スプリングがあることを示しています。
中央には有名なツーホースのイラストがあります。その他のイラスト、製品名等、とても興味深いポスター・広告です。
こちらは、スプリングボトムパンツ専用のものです。社名の後に新製品であることをを示唆する”SOMETHING NEW"、そして、既に大成功となっている”AND ALREADY AN IMMENSE SUCCESS"、特許取得済みのリベットを使用したスプリングボトムパンツ"PATENT RIVETED SPRING BOTTOM PANTS"とあります。
そして例の管理職っぽい感じの男性のイラスト。左下に"SAMPLE OF MATERIAL ENCLOSED" (サンプルが中に入っています。)右側に$13.5 per Dzとあるので、1ダース13.5ドルだったようです。
これは年代を判定・推定する上で非常に重要なキーワードが入っています。1890年にリベットの特許の期限が切れます。PATENT RIVETEDとあるので、1890年より前である事を示しています。
また、スプリングボトムパンツのサンプルが入っていると書かれていることから、実際の販売前のものと思われます。
リーバイス社の記事の中で、SPRING BOTTOM PANTSは1889年に発表されたとあります。この広告の記載内容は、年代的にも合致します。
この写真はポスター・広告ではなく、記事で述べられている1889年4月15日の消印のある送り状に含まれていたレターである様に思います。
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