現在リーバイス・ジャパンが日本国内で販売する501は、2013年モデルと呼ばれるものです。”2013年モデル”の名をご存知の方も多いと思います。
2013年モデルのシルエットはかなり評判が良い意見を聞きます。本記事では、リーバイスジャパンの2013年モデルに関連したマーケティングのアプローチについて考察しています。シルエットについての考察は別途後ほど行う予定です。
ジーンズの元祖、リーバイス501は19世紀に誕生し、誕生以来基本的な特徴、仕様は変わらない衣料品として例を見ない驚異的な歴史を誇る超定番です。
501の品番、そして、生デニム、ボタンフライ、リベット、ツーホースマークのパッチ、アーキュエットステッチ、5ポケット、レッドタブ等、全て長い伝統ある歴史を持つ特徴を備えています。
(注:日本で正規販売されるレギュラーの501は、生デニムは使用していません。生デニムはLVC(通称:復刻)の一部製品のみになります。)
一方で、501は定期的に細部の若干の変更が行われ、その時代や諸事情に沿った修正も加えられています。
2013年に行われたモデルチェンジの際、リーバイスジャパンは『ジーンズ生誕から140周年、501®が変わる。』と言うコピーを全面的に打ち出しました。
さらに、以下の様な記述もあります。
元来、米国において501の様な伝統ある製品のモデルチェンジは、大々的に発表、宣伝する様なことはありません。これは、文化や国民性等の差もあるかと思います。
米国で流通している501は、大きく分けて501 シュリンクトゥフィットと501 オリジナルに分かれます。前者は伝統的な未洗い、未加工の生デニムを使用するラインです。後者は、防縮加工デニムを使用しています。
501シュリンクトゥフィットは、リーバイスジャパンの取り扱う2013年モデルの501とは一見して異なります。生地も違います。
501オリジナルに関しても、通常のインディゴカラーのリンス等、主力製品はどうみても2013年モデルとは異なります。
2013年に501シュリンクトゥフィットはステッチ等の仕様が変更となりました。シルエットについては、現時点では変わっていないと認識しております。少なくとも、各部の実寸サイズを比較した限りでは、ほぼ同じです。
関連記事:現行米国流通モデル 501STF(シュリンクトゥフィット) 新仕様と従来仕様のシルエット・サイズ比較
尚、米国内流通の一部インディゴ以外の色では、2013年モデルと同じと思われる製品もあります。ロングホーンインポートWebストアで取り寄せた501 Rinse Blackは、2013年モデルと判定しています。
話をリーバイスジャパンの商品説明に戻すと、「世界中で革命を起こす。」様な主力製品のシルエット変更は行われてはいないと思います。
現在、リーバイスジャパンのWebサイトには、"140 Years of the 501®"のページがあります。
このページでは、501のロット番号が授けられたとされる1890年から始まります。
下は1890年のページです。英語の説明があり、その下に日本語で同内容の記述があります。
2013年モデルのシルエットはかなり評判が良い意見を聞きます。本記事では、リーバイスジャパンの2013年モデルに関連したマーケティングのアプローチについて考察しています。シルエットについての考察は別途後ほど行う予定です。
ジーンズの元祖、リーバイス501は19世紀に誕生し、誕生以来基本的な特徴、仕様は変わらない衣料品として例を見ない驚異的な歴史を誇る超定番です。
501の品番、そして、生デニム、ボタンフライ、リベット、ツーホースマークのパッチ、アーキュエットステッチ、5ポケット、レッドタブ等、全て長い伝統ある歴史を持つ特徴を備えています。
(注:日本で正規販売されるレギュラーの501は、生デニムは使用していません。生デニムはLVC(通称:復刻)の一部製品のみになります。)
一方で、501は定期的に細部の若干の変更が行われ、その時代や諸事情に沿った修正も加えられています。
2013年に行われたモデルチェンジの際、リーバイスジャパンは『ジーンズ生誕から140周年、501®が変わる。』と言うコピーを全面的に打ち出しました。
主な変更点はシルエットです。
以下、リーバイスジャパンのWebストアの501 2013モデルの商品説明からの抜粋です。
501(2013 モデル)の特徴:・ウエストが広がり、すっきりとしたヒップ周り・バックポケットの開口が大きくなり、利便性アップ・膝から裾にかけて、スリムになり、よりモダンなシルエットに
モダンストレートという完成されたプロポーションで永遠のロットナンバー501は2013年、世界中で革命を起こす。ところが、この様な2013年のモデルチェンジ、501が変更になった発表は米国内、リーバイス本社では行われていません。
元来、米国において501の様な伝統ある製品のモデルチェンジは、大々的に発表、宣伝する様なことはありません。これは、文化や国民性等の差もあるかと思います。
米国で流通している501は、大きく分けて501 シュリンクトゥフィットと501 オリジナルに分かれます。前者は伝統的な未洗い、未加工の生デニムを使用するラインです。後者は、防縮加工デニムを使用しています。
501シュリンクトゥフィットは、リーバイスジャパンの取り扱う2013年モデルの501とは一見して異なります。生地も違います。
501オリジナルに関しても、通常のインディゴカラーのリンス等、主力製品はどうみても2013年モデルとは異なります。
2013年に501シュリンクトゥフィットはステッチ等の仕様が変更となりました。シルエットについては、現時点では変わっていないと認識しております。少なくとも、各部の実寸サイズを比較した限りでは、ほぼ同じです。
関連記事:現行米国流通モデル 501STF(シュリンクトゥフィット) 新仕様と従来仕様のシルエット・サイズ比較
尚、米国内流通の一部インディゴ以外の色では、2013年モデルと同じと思われる製品もあります。ロングホーンインポートWebストアで取り寄せた501 Rinse Blackは、2013年モデルと判定しています。
話をリーバイスジャパンの商品説明に戻すと、「世界中で革命を起こす。」様な主力製品のシルエット変更は行われてはいないと思います。
現在、リーバイスジャパンのWebサイトには、"140 Years of the 501®"のページがあります。
このページでは、501のロット番号が授けられたとされる1890年から始まります。
下は1890年のページです。英語の説明があり、その下に日本語で同内容の記述があります。
その後は、1922, 1933, 1937, 1944, 1947, 1954, 1955, 1966, 1978, 2013と続きます。501の主なモデルチェンジで過去に復刻した製品がある年のモデルの説明があります。尚、501が4ポケットから5ポケットに変更になった1901年の説明はありません。
下は2013年の部分のスクリーンコピーです。
1978年までの説明は英語と日本語がほぼ同内容でしたが、2013年については全く異なります。
以下、英語と日本語の記述です。
A lighter weight shrink-to-fit twill fabric offers and incredible buttery--soft hand feel. Look for finer fabric, reinforced stitching, larger pockets to store your latest smart phone, and updated belt loops, inseams and cuffs. We've done it all in the spirit of the original, with the same care, the same craftsmanship, and the same attention to every detail, it's the same Levi's® 501® as always, like never before....
(訳: 軽くなったウェイトのシュリンクトゥフィットのツイル生地は、バターの様な柔らかい手触りを実現します。細やかな生地、強化されたステッチ、最新のスマートフォンを入れられる様な大きめのポケット、そして、アップデートされたベルトループ、インシームと裾部にご注目下さい。我々は、オリジナルの精神に基づいて全ての作業を行いました。変わらぬ細心の工程、同じクラフツマンシップ、全てのディテールに同様の注意を払っています。常に変わらない(同じ)リーバイス® 501®であり続けています。)
日本語記述
2013年、Levi's® 501® ジーンスは、長い歴史の中で築き上げた本格的な部分においては昔のママである一方で、シルエットをスリムにしたて、現代の新たな世界基準のストレートとして新登場した。より直線的なラインを描くウエストと膝から裾にかけてスリムにモデルチェンジしたことで、現代におけるストレートの新基準を確立した。グローバルコレクションとして初めてのカラー展開を加え、次の時代へと新たな一歩を踏み出す。
引用、以上。
記載内容が大きく異なる事がお分かり頂けるかと思います。米モデルで取り扱うシュリンクトゥフィット(生デニム)が日本では採用されていないこともあるので説明が異なるのは当然とも言えます。
日本ではシルエット変更に焦点を当てています。一方、英語の記載では、同じである=変わらない501であることを強調しています。
日米の501の位置付け、マーケディング、コピーが相反する様なところが興味深い所です。
日本語記述にある「グローバルコレクションとして初めてのカラー展開」のところが色のバージョンによっては、米国を含めた海外のモデルと共通のカラーの製品の展開があることを示唆していると思います。
尚、8月の初め頃にリーバイスジャパンの運営するE-SHOPはリニューアルを行いました。501のラインナップには、単に501と表示されるものと501 (2013 モデル)の表示の2種類があります。基本的には、”NEW"の表示があるものは単に501と表示され、"再入荷”は2013 モデルの表示があるようです。
前者、NEWの501の商品説明には”フィットは、膝から裾にかけてスリムになり、よりモダンなシルエットになったレギュラーストレート「501」。”とあります。シルエットは2013年モデルのままだと思います。
なぜ2013年モデルと呼ばないのか?今後の呼称をどうするのか?現時点では不明です。もしかすると、2013年モデルの呼称を強調するのを辞める方向にあるのかもしれません。
日本では、定番でもモデル変更が行われた時、変更点に興味が集まります。変更を強調するマーケディングもある程度、理解できます。
しかし、「501が変わる」のコピーは、長年の501ユーザーの自分にはどうしても抵抗を感じてしまいます。
個人的には、昔からの伝統的な特徴を変わらずに引き継いでいるのが501の大きな魅力だと思います。
本記事ではマーケティング的なところに焦点をあてました。
次は、2013年モデルのシルエットについて考察を行う予定です。
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