先週、車のエンスージアストが集まる年に一度の大イベントがカリフォルニア州、モントレーにて開催されました。ここ数年、クラッシックカー・ヴィンテージの名車の価格は急騰しており、今年はメディア等からも大きな注目を集めました。
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こちらはオークションで最高額の記録を更新した3800万ドルの1962年製のフェラーリ 250 GTOです。
こちらは、フェラーリの現行458です。
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こちらはオークションで最高額の記録を更新した3800万ドルの1962年製のフェラーリ 250 GTOです。
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1962 Ferrari 250 GTO, photo from LA Times |
こちらは、フェラーリの現行458です。
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Ferrari 458, photo from Ferrari, USA |
見比べると時代の流れ、技術の進歩を感じます。性能も当然、現行の458の方がはるかに高いです。
価格は仕様にもよりますが、458は約23万ドルです。
単純に計算すると1962年製のフェラーリ 250 GTOは、現行の458の約165倍の価格です。250 GTOは39台しか生産されなかった非常に希少な車です。しかし、単に希少性が高いからと言って、プレミアムが付く訳ではありません。
これだけ高額な究極的なコレクティブルのフェラーリを購入できるだけの財力がある人は限られています。しかし、相当なお金持ちの人でも、興味のない人はたくさんいると思います。
価格は二の次で何としても手に入れたいと思う人がいなければ、価格は高騰しません。それだけの魅力を持っているわけだと思いますが、その魅力は何なのでしょうか?
当時としては、卓越した性能を誇っていたとしても、現行の製品と比べるとパフォーマンスは大幅に劣ります。運転して楽しむ機会はそれ程ないと思います。維持するだけでかなりのお金がかかります。
古いフェラーリには新しいフェラーリにはない魅力があると思います。車も他の製品と同様にそれらが誕生してきた時代との関わりが強くあります。
私はこの250 GTOはやはり60年代の時代、社会の中で生まれた製品ならではのものを感じます。
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1962 Ferrari 250 GTO, photo from LA Times |
250 GTOを今、造ることはフェラーリにもできないと思います。ボディデザインやインテリアを似せて造ったとしても、雰囲気は全く別物になると思います。エンジンも当然そうです。
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1962 Ferrari 250 GTO, photo from LA Times |
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1962 Ferrari 250 GTO, photo from LA Times |
エクステリア、インテリアのデザイン、色、素材、雰囲気はオリジナルならではのものがあります。
この1962年製フェラーリ 250 GTOにはレプリカもあります。
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1962 Ferrari 250 GTO replica, photo from LANCE MOTORS |
このレプリカの価格は2万ドル弱です。
車の好み、楽しみ方も人それぞれです。
今回紹介したのは、究極的なヴィンテージフェラーリですが、アメリカでは数十年以上前の古い車を綺麗に整備しながら、日常的に乗って楽しんでいる人がたくさんいます。
街中でも時折、ピカピカに磨かれた非常に古い車が走っているのを目にします。それらは、何百万ドルもするものではありません。
古い車が好きな人が少なからずいることの現れです。古い車には古い車ならではの魅力があります。
これは、車だけでなく、ジーンズ、ブーツ、シャツ等の衣料品やその他の製品にもあてはまることです。
ヴィンテージの衣類の場合、それを着た時に何とも言えない気分になります。見たり、触ったりしても楽しめます。
色、素材感、その製品が醸し出す雰囲気やオーラ等は、大なり小なり古い年代のヴィンテージ共通の特徴です。
ヴィンテージは、現行品とは全く異なる魅力を持っていると思います。今回のフェラーリ 250 GTOの記事等を読んで写真を見て、改めてそう感じています。
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