2015年1月5日に発表、発売開始となった501CTは、Web上で見る限り、米リーバイス社が宣伝に非常に力を入れた新製品です。
リーバイスのオンラインストアのホームページのバナーは501CTのみが表示されています。さらにトップのメニューバーにMEN, WOMEN, KIDSにならんで501®CTが加えられています。
今回は、リーバイス社の501CTの概要と続いて製品戦略について、考察を行います。
CTは、Customized and Tapered(カスタマイズド、テーパード)の略です。
501は伝統的にスタンダードなストレートシルエットが特長です。その501を、裾を詰めたり、テーパードにしたりする需要・要求が世界中のリーバイスストアやテーラーからあったため、501CTを作ることにしたとのことです。
(JONATHAN CHEUNG, SVP OF GLOBAL DESIGN, LS&CO)
従来からの501のユーザーの多くは、501CTを歓迎しない、または気にしないと思います。
501のユーザーでも、流行に敏感な層、テーパードのシルエットを望む人もいると思います。これらの層の人からは、歓迎、またはニュートラルな反応だと思います。
恐らく501CTのターゲット顧客は、既存の501ユーザーではなく、新たな顧客層の取り込みが主なターゲットだと考えます。
501CTはメンズだけでなく、レディースも用意しているところが注目されます。
レディースでは、フランスのおしゃれなファッションモデルとして有名なCamille Roweが、オフで501を穿いていることやデザイナーが古い501をカスタマイズして穿いていることなどから、501のカスタマイズに注目が集まり、流行の兆しがあるようです。
この話は、別途、記事を投稿する予定です。
レディース層は、501CTの大きなターゲット顧客層なのではないかと推測しています。
501CTの大きな特徴は、シルエットがテーパードであることです。501はジーンズの元祖であり、スタンダードなストレートのシルエットが特長です。
501のテーパードの需要があるため、それに応えた製品を開発したとの理由は分かりますが、ブランド戦略の観点から考えるとリスクが伴います。
あえて501の名前を冠した派生製品の位置付けで市場に投入することの理由とリスクについて考えてみました。
主な501CTのターゲットは、501のテーパードを従来から求めていた顧客と新規顧客になると思います。
なぜ、501の名前を使用するのか?単純な話、”501のカスタムであるため”だとは思います。しかし、テーパードの501をメーカーのリーバイスが製品として提供することは、501のブランド・アイデンティティを希薄にさせるリスクがあります。
リーバイスが505を、流行に合わせて、シルエットを太めにしたり、股上を浅くしたりしたことによって、ユーザー離れを招き、505のブランドイメージの失墜の原因となりました。
今回は、既存の501のラインはそのままで、新たに501CTを加えているので、過去の505の事例とは異なります。
しかし、異なる特徴をそなえるものを501のラインに追加することは、マーケティングのエキスパートの間で有名な、”ライン・エクステンション”と呼ばれるブランドイメージの希薄につながる失敗事例が非常に多いとても危険な手法です。
501と言う類い稀な貴重なブランドに対して、それだけのリスクを犯すだけの事業機会があるとの判断をしたのか?がとても気になります。
もしかすると、女性ジーンズ市場でのテーパードの501の需要が非常に高いのかもしれません。しかし、女性の衣料品は流行と嗜好の変化が激しいことが特長です。一時的に流行し、受け入れられても、長続きしない可能性もあります。
リスクは相当あると思います。個人的に懸念するのは、中途半端に受け入れられて、501CTが市場にある程度認知されることです。その場合、501のアイディンティティが失われていくリスクが高まります。
501CT男性用は7種類。価格帯は約80ドルです。
女性用は3種類。価格帯は約100ドルです。
平均的なジーンズと比べると高めの設定です。女性用は手が込んだ加工が行われているようなので、ハイエンドの設定になっています。
男性用は、レギュラーの501と比べても高めで、こちらもハイエンドの価格設定です。
価格帯を考えると、10代の若年層はメインのターゲットではなく、20代以降のファッションに敏感な層を対象としているように見受けられます。
Webストア内での501CTの取り扱いはこれまでに見られないほどの露出度の高さです。リーバイスの戦略的な製品として、強力なプッシュがされていることが明確です。
かつてないほどの取り扱いをされている501CTのWebストアでの取り扱い・商品ページを記録したいと思い、YouTubeのビデオを作成・投稿しました。
以上、2015年、リーバイスがこれほどまでに力を入れる501CTの先行きに注目しています。
リーバイスのオンラインストアのホームページのバナーは501CTのみが表示されています。さらにトップのメニューバーにMEN, WOMEN, KIDSにならんで501®CTが加えられています。
今回は、リーバイス社の501CTの概要と続いて製品戦略について、考察を行います。
501CTとは?
501CT企画の背景
501は伝統的にスタンダードなストレートシルエットが特長です。その501を、裾を詰めたり、テーパードにしたりする需要・要求が世界中のリーバイスストアやテーラーからあったため、501CTを作ることにしたとのことです。
(JONATHAN CHEUNG, SVP OF GLOBAL DESIGN, LS&CO)
501CTのブランディングと製品戦略についての考察
ターゲット顧客
501のユーザーでも、流行に敏感な層、テーパードのシルエットを望む人もいると思います。これらの層の人からは、歓迎、またはニュートラルな反応だと思います。
恐らく501CTのターゲット顧客は、既存の501ユーザーではなく、新たな顧客層の取り込みが主なターゲットだと考えます。
501CTはメンズだけでなく、レディースも用意しているところが注目されます。
レディースでは、フランスのおしゃれなファッションモデルとして有名なCamille Roweが、オフで501を穿いていることやデザイナーが古い501をカスタマイズして穿いていることなどから、501のカスタマイズに注目が集まり、流行の兆しがあるようです。
この話は、別途、記事を投稿する予定です。
レディース層は、501CTの大きなターゲット顧客層なのではないかと推測しています。
ブランディング
501のテーパードの需要があるため、それに応えた製品を開発したとの理由は分かりますが、ブランド戦略の観点から考えるとリスクが伴います。
あえて501の名前を冠した派生製品の位置付けで市場に投入することの理由とリスクについて考えてみました。
主な501CTのターゲットは、501のテーパードを従来から求めていた顧客と新規顧客になると思います。
なぜ、501の名前を使用するのか?単純な話、”501のカスタムであるため”だとは思います。しかし、テーパードの501をメーカーのリーバイスが製品として提供することは、501のブランド・アイデンティティを希薄にさせるリスクがあります。
リーバイスが505を、流行に合わせて、シルエットを太めにしたり、股上を浅くしたりしたことによって、ユーザー離れを招き、505のブランドイメージの失墜の原因となりました。
今回は、既存の501のラインはそのままで、新たに501CTを加えているので、過去の505の事例とは異なります。
しかし、異なる特徴をそなえるものを501のラインに追加することは、マーケティングのエキスパートの間で有名な、”ライン・エクステンション”と呼ばれるブランドイメージの希薄につながる失敗事例が非常に多いとても危険な手法です。
501と言う類い稀な貴重なブランドに対して、それだけのリスクを犯すだけの事業機会があるとの判断をしたのか?がとても気になります。
もしかすると、女性ジーンズ市場でのテーパードの501の需要が非常に高いのかもしれません。しかし、女性の衣料品は流行と嗜好の変化が激しいことが特長です。一時的に流行し、受け入れられても、長続きしない可能性もあります。
リスクは相当あると思います。個人的に懸念するのは、中途半端に受け入れられて、501CTが市場にある程度認知されることです。その場合、501のアイディンティティが失われていくリスクが高まります。
発表時の製品の価格帯
女性用は3種類。価格帯は約100ドルです。
平均的なジーンズと比べると高めの設定です。女性用は手が込んだ加工が行われているようなので、ハイエンドの設定になっています。
男性用は、レギュラーの501と比べても高めで、こちらもハイエンドの価格設定です。
価格帯を考えると、10代の若年層はメインのターゲットではなく、20代以降のファッションに敏感な層を対象としているように見受けられます。
Webストアでの位置付け
かつてないほどの取り扱いをされている501CTのWebストアでの取り扱い・商品ページを記録したいと思い、YouTubeのビデオを作成・投稿しました。
以上、2015年、リーバイスがこれほどまでに力を入れる501CTの先行きに注目しています。
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