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501CTとリーバイスの社内事情・中心人物についての推測

米リーバイスが本年1月5日に発表、発売を開始した501CTは、ジーンズの元祖でありリーバイス社のルーツとも言える伝統的製品501をリーバイス自らがシルエットを変更したこと、そして、その製品をオンラインストアで独占的に宣伝を行ったことなど、色々な意味でかつてない特例的な存在だと言えます。

これまで501CTについて情報を集めたり、整理している中で、関連する市場背景、501CTのマーケティング手法他から、501CTの製品企画と取り扱い方は、本社の社内事情が密接に関連しているのではないかと推測しています。

以降、501CTに関連して項目別に順を追って考察を行います。

501CT発表時の取り扱い


  • "THE BIGGEST THING TO HAPPEN TO THE 501 JEANS"((501誕生以来)最大の出来事が501ジーンズに起こります。)と大々的な事前のアナウンスを行った。
  • 発表後、リーバイスのオンラインストアのトップページのバナーは、501CTのみを表示。
最初のコピーは、マーケティング的に考えても通常、全社的に関わる非常に重要なメッセージなので、かなり上のレベルの承認が必要と思われます。

発表・発売開始時のオンラインストアでの独占的な取り扱い方も、501CTが全社的な戦略製品であることを示しています。

また、これだけの扱いをすることは、社内的に相当上のレベルからの指示がないと通常は行われないと思います。

これらの2点だけからでも、リーバイス社の実務を動かす責任者、またはその上からの支持がない限り実行されない様なことだと推測します。

501CTの商品ページについて


"HOW TO WEAR"のサブタイトルがあり、メンズ、レディースそれぞれにビデオと3種類のサイズ別穿き方を紹介しています。
この3種類の穿き方は、適正サイズ、1-2サイズ小さい、1-2サイズ大きい、サイズ選択で穿き方・着方(の印象)が変わることを示しています。

これはジーンズのサイズ選びをする上での一般的なことで、特に501CTに限った話ではありません。

基本的にジーンズはどのモデルでも、少し大きめを穿けばゆったりした感じになり、タイト気味に穿けばシャープな締まった感じになります。

ちょっと辛口な表現を使うと、『特に501CTだからと言うことは何もない。ジーンズのサイズ選びの常識的な話を紹介しているだけ。』になります。

一方で、見方を変えると、これまであまりジーンズを穿いていない人、ジーンズ初心者にとっては、分かりやすく親切な紹介の仕方とも言えます。

どこまで考えて、この『穿き方(HOW TO WEAR)』を501CTの紹介に使用したのかは不明ですが、この宣伝手法から”501CTはジーンズ初心者・新しいジーンズのユーザー層の開拓を狙っている。”と思われます。

また、この穿き方の提案・紹介は、特に女性ユーザーを対象としているように思います。
ジーンズをこれまで穿いていなかった層、スキニー、ストレッチ素材のジーンズ等を主に穿いていた層にとって、この様な穿き方の話は参考になると思います。

また、このマーケティング手法を考案したのは女性の可能性が高いと思います。

率直に言って、一般的な男性の視点からみると、この”穿き方”の話はあまりにも当たり前すぎると思います。




501CTの仕掛け人・中心人物


501CTの商品ページにはリーバイス社の上級管理職(経営に携わるレベル)二人が登場します。

一人は、Karyn Hillmanさん。タイトルはChief Product Officerです。オフィサーは、会社にもよりますが通常、経営者に近いレベルです。実務面のトップに近いです。
もう一人は、Jonathan Cheungさん。タイトルはSr. Vice President of Global Designです。企画のトップだと思います。

2013年8月に米リーバイス社の人事関係のプレスリリースで、経営組織変更が発表されました。
Chief Marketing Offier, Chief Product Officer, Chief Merchandising Officer, Head of Designの経営形態となり、Chief Product OfficerとしてHillmanさんが新たにリーバイス社に加わったことが書かれています。

Hillmanさんの職務は、リーバイスのブランド製品の魅力的なストーリ作り、革新的な製品構成の構築をすることとあります。

リーバイス入社前、Hillmanさんはカルバンクライン・ジーンズのproduct creationのglobal headで、その前はGapに20年間勤めていたとのことです。(カルバンクラインは約2年)

Cheungさんは、Head of Designに就任し、Hillmanさんにレポートすると書かれています。(Hillmanさんが上司)

501CTの従来に見られない破格の取り扱いやマーケティング手法(穿き方の紹介)など、経営に携わる女性が主導で行っている印象が感じられたのですが、おそらくHillmanさんが501CTの中心的な存在なのだと改めて思いました。

以下は、Jeans StoriesのサイトでのHillmanさんのインタビューからの引用です。(Photos: Jeans STORIES, www.jeansstories.com)
Hillmanさんは、9年生(日本での中学3年に該当)の時からリーバイスのジーンズを穿いていたそうです。

高校時代は買ったジーンズは全部501、お風呂に入って縮めていた。(!)それらを大学やデートの時、いつもも穿いていたと語っています。
子供を産んだ頃からそれらの501はサイズが合わなくなってきたので保管していたのだけど、引越しの時になくしてしまったそうです。

(この手のインタビューでの話は、営業トーク的な作り話であって事実とは異なる場合もありますが、話の内容などから、彼女は学生時代に本当に501を穿いていたと思います。)

写真の501は、1995年製(のカスタム)とのことです。写真では赤耳っぽく見えますが、拡大写真から脇割と分かります。90年代の米国製501の色落ちの傾向をしています。
正直なところ、501CTの企画そのもの、発表の仕方、マーケディング手法等、とても心配なところ、懸念するところが多々あります。

救いは彼女は501を実際に相当期間、穿いた経験があることです。501の良さは501を長年穿いていれば分かります。501と言う製品の歴史的価値も十分に理解していると思います。

Hillmanさんは2013年に入社、彼女の立場としては、女性層へのリーバイスの普及・浸透が注力の一つだと想像しています。

501CTは彼女が手がけた戦略的な製品なのだと思います。その様に推測すると、ここまでの501CTの異例なほどの扱いも理解できます。

今後も501CTについて、注目していこうと思っています。

(注:当記事はあくまでも推測です。501CTの中心人物がHillmanさんでない可能性もあります。あらかじめご了承ください。)


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