501CTの2月20日全国一斉発売まで後2週間余りとなりました。また、昨日、2月4日から伊勢丹新宿店本館にて先行発売開始となりました。
以下、2月4日付のTOKYO FRONT LINEの記事です。(ボールドで薄赤字は、コメント用に変更しています。)
ジーンズのオリジンであるリーバイス®からカスタムテーパードフィット 501® CT発売
2/4(水)より伊勢丹新宿店本館にて先行発売
リーバイス®から、全てのジーンズの原点であり、140年以上の時を経てクラフトマンシップと質へのこだわりを軸に進化してきた501® の新しいフィット「501® CT」が、2015年2月20日(金)より一斉に発売される。伊勢丹新宿店本館2階=グローバルクローゼット/ リーバイス®にて、501® CT(ウィメンズのみ)は2月4日(水)より先行発売。
501® CTは、501®が永い歴史の中で築き上げた本質的な部分においては変えず、カスタマイズからインスピレーションを得たカスタムテーパードフィットで、ウエストを1サイズ大きく取り、膝から足首にかけて、よりテーパードさせたシルエットが特徴。2月に発売予定の501® CTは、全世界のリーバイス®のテーラーショップでテーパードシルエットにカスタマイズした人が多かったことや、様々な着こなしを楽しみたいという現代の声を反映した501®を現代的に進化させたフィット。
2015年春夏コレクションは、霧がかった空と光で遊ぶ街、サンフランシスコにインスパイアされた、オーセンティック(本物)なデニム生地に様々なレベルの色落ちやダメージを施したメンズ4型、ウィメンズ4型を展開する。また、ジャストサイズで穿くだけでなく、サイズダウンを穿くことでよりモダンでタイトに、アップサイズを穿くことでボーイフレンドシルエットのリラックスした表情を楽しむことができ、好みに合わせて理想の着こなしを実現できる。ユーザー目線での多様性を反映したモデル「501® CT」がジーンズの新たな時代を切り拓くアイテムとなるだろう。
2月4日(水)~2月16日(月)の期間中、同スペース内にて、クラッシュ加工、ワッペン付け、文字入れ等などジーンズにパーソナライゼーション(個性化)を付加する有料サービスも行う予定。さらに、2月20日の一斉発売当日に、リーバイス® ストアにて501® CT購入者に、先着で限定ノベルティをプレゼント。
メディアによる上記の様な記事は、マーケティングメッセージが含まれるので、恐らくリーバイスジャパンのプレスリリースを元にしたもの(そのもの)と思われます。
正直言って、リーバイスジャパンのマーケティング手法は、個人的には言いたいことが沢山あるのですが、極力控えてきました。
しかし、話題となっている501CTであるため、僭越ながら、コメントさせていただきます。
マーケティングメッセージについてコメントの前に、上記引用記事の中での501CT日本販売開始においての注目点を以下に記します。
- 上記記事では、メンズ4色(4型)、レディース4色(4型)となっている。
- 当初の情報ではメンズ5色(5型)、レディース4色(4型)メンズが1色少ない。
- 伊勢丹新宿店での発売では、パーソナライゼーションを付加する有料サービスも行う予定。
- 米国と同様にダウン・ジャスト・アップサイズの3種類の穿き方の提案を日本でも行っている。
一点目は、メンズが1色多いか少ないかだけです。しかし、少し気になったのが、上記引用記事内で『様々なレベルの色落ちやダメージを施した』と書かれているところです。
これまでの情報で、メンズ501CTの色は、SHORDICH, RENO CREEK, ALSTON, WHITE LIGHT, BRISTOLでした。この中でBRISTOL以外は色落ち加工を施したもの、または別色(白)です。
米国では、BRISTOLはBRISTOL RIGIDの名称が使われており、写真で見る限り色落ち加工は施されていません。RIGIDは通常、生デニム、または、防縮以外未加工のデニムの色名に使われます。
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501CT BRISTOL RIGID |
日本のジーンズユーザー、特に愛好家の間では、リジッドが好まれる傾向があります。501CTは、これまでジーンズにあまりなじみのない新たな顧客層を主なターゲットとしているのであれば、色落ち加工のみでの展開もある程度は理解できます。
実際にそうなのかどうか、気になるところです。
2番目の伊勢丹新宿店先行販売においてパーソナライゼーションのサービスも行うことは、先行販売に付加したサービスとして妥当なアプローチだと思います。
3番目の3種類のサイジングによる穿き方の提案は、米国でのマーケティング・メッセージに準じたものと思われます。
アップサイズやダウンサイズでジーンズを穿けば着こなしが変わるのは、ジーンズ全般に該当する一般的な話であって、特に501CTならでは特徴ではありません。
米国とメッセージングを合わせることは、通常は自然なことなのですが、このメッセージング自体が釈然としないところがあります。
しかし、501CTの目的がジーンズの新規顧客の開拓と獲得である場合、妥当なメッセージングとも考えられます。
501CTマーケティングメッセージについて
冒頭で引用した記事内のメッセージにハイライトした部分について、以下にコメントします。
”140年以上の時を経てクラフトマンシップと質へのこだわりを軸に進化してきた501® ”
注)。細かいことですが、CRAFTMANSHIP/クラフトマンシップと言う英単語はありません。CRAFTSMANSHIP/クラフツマンシップです。
注)。細かいことですが、CRAFTMANSHIP/クラフトマンシップと言う英単語はありません。CRAFTSMANSHIP/クラフツマンシップです。
"クラフツマンシップと質へのこだわりを軸に進化してきた501"と言うのは、501の歴史を考えると、クラフツマンシップと質に対するこだわりが特にある様には感じられません。
リーバイスは2002年末で、米国内の自社工場を全て閉鎖してしまい、海外生産に全て移行しました。この理由は、生産性の向上、収益性の回復、価格競争力を付けるためです。
現行のリーバイス501はクラフツマンシップと質へのこだわりの進化の結果では、決してないと思います。
”501® CTは、501®が永い歴史の中で築き上げた本質的な部分においては変えず、テーパードされたフィットが特徴”
”501の本質的な部分”とは何なのか?の解釈にもよるとは思いますが、一体、何を本質的な部分だと考えて、この様なメッセージを書いているのか理解できません。
ジーンズの基本的な特徴である5ポケット、デニム生地の使用は、原型は501が作ったものです。現在、ほぼ全てのジーンズに共通する特徴となっています。
バックポケットにアーキュエットステッチ、ウエストバンドにツーホースマークのパッチ、右バックポケット脇にレッドタブは、リーバイスジーンズ全製品に共通する基本的な特徴です。これらも、元は501ですが、現在は501に限らずほぼ全てのリーバイス製品が共通に備える特徴です。
つまり、上で取り上げた特徴は501だけでなく、他の多くのジーンズにも該当するものです。それらが501の本質的な部分で変わらないものであるということであれば、ほとんどのジーンズに該当してしまいます。
それでは、何が501の本質的な部分なのでしょうか?
つまり、上で取り上げた特徴は501だけでなく、他の多くのジーンズにも該当するものです。それらが501の本質的な部分で変わらないものであるということであれば、ほとんどのジーンズに該当してしまいます。
それでは、何が501の本質的な部分なのでしょうか?
ジーンズのシルエット・フィットは、その製品の非常に大きな特徴です。本質的な特徴と言っても過言ではありません。それを変えた501CTが本質を変えずと言う解釈は理解できません。
ちなみに米国のマーケティング・メッセージにもその様な表現は見たことがありません。
”501の象徴である(象徴的な)ストレートフィット” ("OUR ICONIC 501 STRAIGHT FIT")と言う表現を、501CTのバナーの中でも(すら)、米リーバイスでは使っています。
マーケティング・ブランディングのメッセージは、非常に重要です。地域による差異、市場の嗜好、文化も異なるので、全てを米国と同じにする必要はないと思います。
しかし、解釈の違いと言ってしまえばそれまでですが、あまりにも勝手な解釈に思えてしまいます。
501の本質的な部分とは何なのか?について、改めて考えさせられました。
自分の考える501の本質的なものについては、明日、記事を投稿する予定です。
自分の考える501の本質的なものについては、明日、記事を投稿する予定です。
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