パッチ表記は、赤字で生デニムを使用しているシュリンクトゥフィットは、501xxと501の後にxxが加えられているのが表記上の特徴です。
米国製501は、1993年頃に内側の取り扱い説明タグや内側のリベットの色など細かい仕様の変更がありました。(後で詳しく紹介します。)
また、95年頃にバックポケットの取り付け位置が少し下に取り付けられるようになりました。
本記事では、92年製と96年製の米国製501シュリンクトゥフィットを比較してみます。
表記サイズは、92年製がW29L29、96年製がW29L31です。
96年製とシルエットを比べてみましたが、渡り幅は若干細いかなと言う程度で外観や計った感じではそれ程細くは見えません。
シルエットでの特徴としては、92年製は股上が少し深い(大きい)ことです。ざっと比べた感じだと1cm程度股上の長さに差がありました。
80年後半から90年前半のパンツのデザインは股上が深いハイウエストが主流だったので、その影響かもしれません。
内側のタブの表と裏の写真です。96年製のタブは正方形に近い大きめのものです。表側に手入れ(洗濯)の表記があります。92年製のタブは小さめで長方形です。
表記から、96年5月と92年7月に生産されたものだと思います。
洗濯表示は書いてある内容はほぼ同じです。この頃は(それ以前のモデルも含む)洗濯機では熱いお湯(Hot)で乾燥機で乾燥させる(Tumble Dry)指示となっています。
96年製のタブには、手入れの指示のシンボルが表記されています。
上の左から、洗濯機でお湯の設定(120Fは華氏120度で摂氏50度に該当します)、隣のマークはNon-Chlorine Bleach When Needed(非塩素の漂白剤を必要に応じて使用する)、Tumble Dry, Normal, High Heat(乾燥機はノーマルで高温の設定)、Iron High(アイロンは高温)を意味します。
熱めのお湯で洗濯機で洗い、高温の設定で乾燥機を使って乾かす。ブリーチ使うんだったら非塩素の奴でね!、と言った感じです。
ちなみに、現行の洗濯指示では、洗濯機の温度設定は水(Cold)で30度以下になっています。乾燥機の温度設定も中温(Medium Heat)に下がっています。また、自然乾燥(Line Dry)も可との記載が追加されています。
ジーンズの手入れの常識が時代で変わってきている事がわかります。
92年製と96年製では、フロントウォッチ(コイン)ポケットの取り付け位置が異なります。92年製の方が低い位置に付けられています。現行製品のウォッチポケットの位置は96年製に近いです。
バックポケットは、92年製の方が逆に高い位置に取り付けられています。
(追記:60年代ギャラ無し501XXから90年代初め頃までの特徴です。)
私は、ジャケット(ジージャン)はヴィンテージのリーバイスをある程度の数持っています。そのほとんど全ては、Big-Eのタグ付きのものです。
一般的にフォースモデルと呼ばれる70505のデニムは、ほとんど奇麗なタテ落ちの色落ちをしています。
そのため、生地の種類、仕様と色落ち具合は強い相関関係があると思っています。しかし、一方で洗濯の仕方等でも色落ち具合に影響があるのではと考えています。
また、洗濯の仕方等がどの程度色落ち等に影響があるのかについて興味を持っています。今まで私はジーンズの洗濯については、ほとんど考えた事がありませんでした。
普通にこちらで売っている洗剤を使って、他の衣類と一緒に洗っていました。ただし、乾かすのだけは、自然乾燥していました。ヴィンテージのジャケットを入手してから、さすがに洗剤にも気を使う様になりました。
米国製501を実際に自分で穿いたフィット感やシルエットがどうなのか、そして穿き込んでいった後の色落ちについても興味があります。
今回比較してみて、最終期の米国製501(95年以降)はシルエットやポケット位置等は現行品と似た点もあり、現代的ながら、生地は14オンス生デニムを使用、昔ながらのアーキュエットステッチのシェープ等のディテールを持ち、バランスがとれた魅力的な製品だと思いました。
こちらも将来下ろして、穿き込みやその経過をレポートして行きたいと考えています。
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