アメリカでは、アバクロが2000年代前半から若者の間でブームとなり、一大ムーブメントとなりました。
ブーム初期のアバクロのジーンズは、ローライズでダメージ加工されているのが特徴で大人気となりました。アバクロのジーンズは、最近までの市場のローライズブームの牽引役の一員だったと思います。
この時期のアバクロのジーンズの価格帯は100ドル弱から300ドル弱程度で一般的なジーンズの価格帯としてはかなり高額の設定でした。それでも強い人気があり、かなり売れたのだろうと思います。
2000年に開始したさらに下の年齢層(基本的にローティーンからハイティーン向けブランドのHollisterブランドも大成功となりました。ホリスターとアバクロの競合のAeropostaleもジーンズに力を注ぎかなりの成功を収めました。
とここまでが私の認識だったのですが、最近はどうなのだろうとふと気になり、これらのブランドのサイトを見てみました。アバクロはジーンズでかなりの品揃えがありました。
その中には以前見た時にはなかった濃い色の縦落ち加工はしていない製品も多く取り揃えていました。また、カラージーンズも10色以上ありました。
そして今回見て驚いたのが価格です。オンラインで販売中のジーンズは全てセール中でディスカウントされていました。アバクロは以前はブランド戦略からセールは行わない戦略的な方針を堅持していました。
しかし、数年前からセールをするようになったのは知っていましたが、全てのジーンズがセール対象となっているのには驚きました。
さらに価格帯は、高いもので60ドル前半、安いものは40ドルを切る価格となっています。アバクロは数年前からジーンズの価格帯は下げている傾向にありました。
しかし、ここまで下がってきているとは思いませんでした。過去の200ドルを超えるジーンズを販売していたブランドのイメージは見る影もありません。
アバクロがそんな状態ですから、ホリスターはさらに下だろうなと見てみると、こちらも品揃えは多数で全てセール中、最も高額なものが40ドル、低価格の製品はなんと20ドル(それも複数)でした。
ジーンズの平均販売価格はざっと見て見積もって、およそ30ドルです。Aeropostatleも似た傾向で、価格帯は25ドルから28ドルでした。
セール中とは言え、ホリスターやAeropostaleの価格帯は、ジーンズの最低価格帯にかなり近いと思います。米国の消費者は価格に敏感で低価格志向が強いのですが、アバクロ、ホリスターは大ブームの中、従来では考えられない様な高価格帯の商品にもかかわらず若年層に売れまくっていましたが、ジーンズに関しては高価格製品は既に終焉となったようです。
逆に、あまりお金を持っていない若年層が高額のファッションブランドを買いまくっていたそれまでがおかしくて比較的正常な状態に戻ってきたと解釈する事もできます。
衣類やブランドは流行があり、時おり過剰とも言える状態になりますが、現状の価格帯もかなり極端な様に思います。
この価格帯ではブランドの付加価値、プレミアムは既になく、ノーブランドの低価格帯と直接価格で競合している様なものに思えます。この様になってくると短期的には売り上げの点では必要ですが、中長期的にはブランドに悪影響が及ぼされます。
一世を風靡したブランドが消えて行ったり、かつての輝かしいブランドイメージを失う事は往々にしてあります。アバクロはまだそれなりに強いと思っていますが、ジーンズの分野だけを見ると下降線をたどっている様に見えます。
リーバイスも1990年代中頃から中国を始めとする海外生産の低価格ジーンズの影響で業績が悪化し苦しんできましたが、若者ブランドのジーンズもこの様な低価格になってきているのでは、デニム市場全体の環境としても厳しい状況が続いていると言えそうです。
ブーム初期のアバクロのジーンズは、ローライズでダメージ加工されているのが特徴で大人気となりました。アバクロのジーンズは、最近までの市場のローライズブームの牽引役の一員だったと思います。
この時期のアバクロのジーンズの価格帯は100ドル弱から300ドル弱程度で一般的なジーンズの価格帯としてはかなり高額の設定でした。それでも強い人気があり、かなり売れたのだろうと思います。
2000年に開始したさらに下の年齢層(基本的にローティーンからハイティーン向けブランドのHollisterブランドも大成功となりました。ホリスターとアバクロの競合のAeropostaleもジーンズに力を注ぎかなりの成功を収めました。
とここまでが私の認識だったのですが、最近はどうなのだろうとふと気になり、これらのブランドのサイトを見てみました。アバクロはジーンズでかなりの品揃えがありました。
その中には以前見た時にはなかった濃い色の縦落ち加工はしていない製品も多く取り揃えていました。また、カラージーンズも10色以上ありました。
そして今回見て驚いたのが価格です。オンラインで販売中のジーンズは全てセール中でディスカウントされていました。アバクロは以前はブランド戦略からセールは行わない戦略的な方針を堅持していました。
しかし、数年前からセールをするようになったのは知っていましたが、全てのジーンズがセール対象となっているのには驚きました。
さらに価格帯は、高いもので60ドル前半、安いものは40ドルを切る価格となっています。アバクロは数年前からジーンズの価格帯は下げている傾向にありました。
しかし、ここまで下がってきているとは思いませんでした。過去の200ドルを超えるジーンズを販売していたブランドのイメージは見る影もありません。
アバクロがそんな状態ですから、ホリスターはさらに下だろうなと見てみると、こちらも品揃えは多数で全てセール中、最も高額なものが40ドル、低価格の製品はなんと20ドル(それも複数)でした。
ジーンズの平均販売価格はざっと見て見積もって、およそ30ドルです。Aeropostatleも似た傾向で、価格帯は25ドルから28ドルでした。
セール中とは言え、ホリスターやAeropostaleの価格帯は、ジーンズの最低価格帯にかなり近いと思います。米国の消費者は価格に敏感で低価格志向が強いのですが、アバクロ、ホリスターは大ブームの中、従来では考えられない様な高価格帯の商品にもかかわらず若年層に売れまくっていましたが、ジーンズに関しては高価格製品は既に終焉となったようです。
逆に、あまりお金を持っていない若年層が高額のファッションブランドを買いまくっていたそれまでがおかしくて比較的正常な状態に戻ってきたと解釈する事もできます。
衣類やブランドは流行があり、時おり過剰とも言える状態になりますが、現状の価格帯もかなり極端な様に思います。
この価格帯ではブランドの付加価値、プレミアムは既になく、ノーブランドの低価格帯と直接価格で競合している様なものに思えます。この様になってくると短期的には売り上げの点では必要ですが、中長期的にはブランドに悪影響が及ぼされます。
一世を風靡したブランドが消えて行ったり、かつての輝かしいブランドイメージを失う事は往々にしてあります。アバクロはまだそれなりに強いと思っていますが、ジーンズの分野だけを見ると下降線をたどっている様に見えます。
リーバイスも1990年代中頃から中国を始めとする海外生産の低価格ジーンズの影響で業績が悪化し苦しんできましたが、若者ブランドのジーンズもこの様な低価格になってきているのでは、デニム市場全体の環境としても厳しい状況が続いていると言えそうです。
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