新品のリーバイス501の右バックポケットには、フラッシャーと呼ばれるオレンジ色の紙ラベルが付けられて販売されています。
この501のフラッシャーも80年近い歴史があります。
本記事では、フラッシャー誕生の背景、誕生から現在に至るまでのデザイン、表記の特徴と主な変更点などを紹介します。
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1937年に、リーバイスは501のバックポケットの構造変更を行いました。
ポケットの左右上端に剥き出し(露出して)でリベットを取り付けていたものから、リベットを取り付けた後、上からポケットのデニム生地で覆いかぶせるようにして取り付ける手法に変更したものです。
表からはリベットが見えないので、隠しリベット(Concealed Rivet)という名が付けられています。
リーバイスのジーンズは、ポケットの取り付け強化にリベットを使用しているのが誕生以来の大きな特徴です。
隠しリベットへは、外から見た時リベットが見えなくなります。そのため、新品時の製品のバックポケットに、隠しリベットに変更したことを表わすフラッシャーと呼ぶ紙のラベルが取り付けられました。
フラッシャーは、上部に特許番号とCONCEALED COPPER RIVETSの表記、さらにポケットの左右上端を矢印を指して、”The Rivet's still there" (リベットはそこにまだあります)と表記されています。
第二次世界大戦中、原材料を節約するためにウォッチポケットとクロッチのリベットが省かれました。
隠しリベットは継続して使用されました。下は第二次世界大戦中のフラッシャーです。
戦時中特有の表記、”For The Duration"と中央に記載があります。
フラッシャーの下側がアーキュエットステッチを描く形状に変更になり、下部に指でアーキュエットを指すイラストが加わりました。
1966年に隠しリベットが廃止され、ポケットの取り付け強化にバータックを施す仕様に変更になりました。
仕様変更に伴い、フラッシャーは、基本的な形状、表示形態はそのままで、表記が新しくなりました。
以下、主な表記の変更点です。
下は81年製の赤耳のフラッシャーです。主要な表記は、1966年と同じです。
84年にフラッシャーの表記が、Levi'sから501に変更されます。
84年のフラッシャー表記501への変更は、コーミルズが赤耳の製造を中止したすぐ(約1年)後であるところも興味深いです。
現行のフラッシャーです。形状は変わっていません。ポケットの左右上端を矢印で指し、左の矢印の中に、"LOOK FOR THE RED TAB"、右の矢印内に”BAR TACKED AT POINTS OF STRAIN"の表記です。
中央に大きく501の表記。左にSTRAIGHT LEG、右にBUTTON FLY。
中央下にSHRINK-TO-FITの表記。
また、501の下にAMERICA'S ORIGINAL JEANS - SINCE 1873となっています。1873年はリベット特許取得、ジーンズ誕生の年です。
昔表記されていたSINCE 1850というのは、非常に大雑把な年でリーバイスが創業は1853年です。
昔のフラッシャーと比べると表記されている内容が簡略されていますが、過去の歴史・デザイン・伝統を現代に継承していることがわかります。
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現行501STF |
この501のフラッシャーも80年近い歴史があります。
本記事では、フラッシャー誕生の背景、誕生から現在に至るまでのデザイン、表記の特徴と主な変更点などを紹介します。
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隠しリベット
1937年に、リーバイスは501のバックポケットの構造変更を行いました。
ポケットの左右上端に剥き出し(露出して)でリベットを取り付けていたものから、リベットを取り付けた後、上からポケットのデニム生地で覆いかぶせるようにして取り付ける手法に変更したものです。
表からはリベットが見えないので、隠しリベット(Concealed Rivet)という名が付けられています。
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Photo: LS&Co archive |
フラッシャー誕生から現代まで
リーバイスのジーンズは、ポケットの取り付け強化にリベットを使用しているのが誕生以来の大きな特徴です。
隠しリベットへは、外から見た時リベットが見えなくなります。そのため、新品時の製品のバックポケットに、隠しリベットに変更したことを表わすフラッシャーと呼ぶ紙のラベルが取り付けられました。
最初期1937年のフラッシャー
フラッシャーは、上部に特許番号とCONCEALED COPPER RIVETSの表記、さらにポケットの左右上端を矢印を指して、”The Rivet's still there" (リベットはそこにまだあります)と表記されています。
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Photo: Images of America, Levi Strauss & Co. |
第二次世界大戦時のフラッシャー
第二次世界大戦中、原材料を節約するためにウォッチポケットとクロッチのリベットが省かれました。
隠しリベットは継続して使用されました。下は第二次世界大戦中のフラッシャーです。
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フラッシャーの下側がアーキュエットステッチを描く形状に変更になり、下部に指でアーキュエットを指すイラストが加わりました。
1966年隠しリベット廃止、フラッシャー表記変更
1966年に隠しリベットが廃止され、ポケットの取り付け強化にバータックを施す仕様に変更になりました。
仕様変更に伴い、フラッシャーは、基本的な形状、表示形態はそのままで、表記が新しくなりました。
以下、主な表記の変更点です。
- LEVI'SのEが大文字から小文字のeに変更
- ポケットの左右上端を指す矢印の中に、"BAR TACKED AT POINTS OF STRAIN" (負担がかかるポイントにバータックで取り付け強化)の表示追加
- The Rivet's still thereが無くなる
- America's Original Jeans - Since 1850, SHRINK-TO-FITの表記が加わる
下は81年製の赤耳のフラッシャーです。主要な表記は、1966年と同じです。
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501 赤耳 フラッシャーとギャランティーチケット |
1984年フラッシャー表記変更
84年にフラッシャーの表記が、Levi'sから501に変更されます。
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- 備考
- フラッシャーの表記をLevi'sから501に変更したことは、リーバイスが501を前面に出したブランディングの方向性を示しています。80年代の後半からリーバイスは501を主軸にしたコマーシャルを多数製作、放送しています。
84年のフラッシャー表記501への変更は、コーミルズが赤耳の製造を中止したすぐ(約1年)後であるところも興味深いです。
現行のフラッシャー
現行のフラッシャーです。形状は変わっていません。ポケットの左右上端を矢印で指し、左の矢印の中に、"LOOK FOR THE RED TAB"、右の矢印内に”BAR TACKED AT POINTS OF STRAIN"の表記です。
中央に大きく501の表記。左にSTRAIGHT LEG、右にBUTTON FLY。
中央下にSHRINK-TO-FITの表記。
また、501の下にAMERICA'S ORIGINAL JEANS - SINCE 1873となっています。1873年はリベット特許取得、ジーンズ誕生の年です。
昔表記されていたSINCE 1850というのは、非常に大雑把な年でリーバイスが創業は1853年です。
昔のフラッシャーと比べると表記されている内容が簡略されていますが、過去の歴史・デザイン・伝統を現代に継承していることがわかります。
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