ヴィンテージ501には、「タイプもの」と呼ばれるモデルがあります。(タイプ物、Type物も同じ意味です。)
今週、コメントで以下のようなご質問を頂きました。
以下にご質問内容に対する返答を含めて、タイプ物について、取りまとめて紹介します。
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ヴィンテージリーバイスのモデル名・通称は、リーバイストラウス社が付与した名前ではなく、ヴィンテージが注目されるようになった80年代後半以降に、市場であだ名・通称として普及した呼び名です。
ヴィンテージのモデル名の定義も、後年市場側でパッチ表記やディテールなどで、便宜上、分類されたものです。
呼び方は人によっても異なる場合もあります。また、定義についても同様に異なることがあります。
ヴィンテージリーバイス・ジーンズのパッチに、アルファベット1文字が追加表示(スタンプ)されたモデルは、タイプ物と呼ばれています。
現時点で確認されている文字は、"A", "S", "F", "I"の4種類です。
下がタイプ物のパッチの一例です。501のロット番号表記の上に、"A"がスタンプされています。
このアルファベット一文字を、”タイプ表記”と呼ぶこともあります。
Aのスタンプがある物を、A-Type(Aタイプ)。Sのスタンプがある物をS-Type(Sタイプ)と呼んだりすることもあります。
501のタイプ表記は、"A"と"S"が比較的多いです。(ほとんどです。"I”表記は、501では存在が確認されていません。)
タイプ文字の位置は、ロット番号の付近にスタンプされていることが比較的多いですが、中央付近にスタンプされていることもあります。
ヴィンテージリーバイス501などのパッチに、"A"や"S"がスタンプされた通称”タイプ物”と呼ばれるモデルは、ウエストバンド裏の上のステッチがシングル、フロントボタン脇Vステッチ(通称:”Vステッチ、ウエストシングル”)のものと、ウエストバンド裏上、チェーンステッチ、フロントボタン脇平行ステッチ(通称:”平行ステッチ、ウエストチェーン”)の2種類があることが判明しています。
この二つのステッチディテールは、通称”ビッグE”の代表的2種類のステッチディテールと同じです。
ディテールの年代としては、前者が古く、後者が新しいです。
タイプ物において、上記ステッチディテールの前者と後者の数の比率は、前者の方が少し多い程度の印象がありますが、大きく偏ってはいません。(五分五分に近いくらいです。)
タイプ物のウォッチ(コイン)ポケット裏のステッチは、シングルとチェーンの両方の存在が確認されています。
タイプ物のトップボタン裏刻印は、アルファベット1文字と一桁の数字の両方があります。前者は稀で、ほとんどは後者です。
ボタン裏刻印2でパッチにSの表記がある物とないものの両方があります。
ボタン裏刻印が2でVステッチであっても、パッチが残存していて、タイプ表記がない限り、タイプ物と断定はできないことになります。
また、ボタン裏刻印2の平行ステッチのSタイプもあります。刻印2の平行ステッチのビッグE(タイプ表記なし)も(もちろん)あります。
「パッチ表記にアルファベットの文字がスタンプされていること」以外にタイプ物固有のディテールというのは、現時点で見つかっていません。
Vステッチだけでなく、平行ステッチのタイプ物もあることは、タイプ物がビッグEと製造期間が重複していることを示しています。
タイプ物の製造期間などについては、先に年代を絞り込む上での材料となるディテールなどを紹介した後で、詳しい考察を行う予定です。
冒頭に紹介したコメントで頂いたご質問の直接的な回答は、以下の記事にあります。
[##check## 501 タイプ物についてのQ&A]
今週、コメントで以下のようなご質問を頂きました。
501Type物を調べております。1960年代後半はダブルネームやタイプ物、BIG Eなど、年代がかぶることはあるのでしょうか。それともダブルネーム→タイプ物→BIG Eと移行してるのでしょうか。是非、タイプ物のディテールの特徴、生産期はいつからいつまで、シルエットの特徴、ダブルネームやBIG Eとの相違など、説明いただけると幸いです。よろしくお願いします
以下にご質問内容に対する返答を含めて、タイプ物について、取りまとめて紹介します。
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ヴィンテージリーバイスのモデル名について
ヴィンテージリーバイスのモデル名・通称は、リーバイストラウス社が付与した名前ではなく、ヴィンテージが注目されるようになった80年代後半以降に、市場であだ名・通称として普及した呼び名です。
ヴィンテージのモデル名の定義も、後年市場側でパッチ表記やディテールなどで、便宜上、分類されたものです。
呼び方は人によっても異なる場合もあります。また、定義についても同様に異なることがあります。
501 タイプものとは?
ヴィンテージリーバイス・ジーンズのパッチに、アルファベット1文字が追加表示(スタンプ)されたモデルは、タイプ物と呼ばれています。
現時点で確認されている文字は、"A", "S", "F", "I"の4種類です。
下がタイプ物のパッチの一例です。501のロット番号表記の上に、"A"がスタンプされています。
このアルファベット一文字を、”タイプ表記”と呼ぶこともあります。
Aのスタンプがある物を、A-Type(Aタイプ)。Sのスタンプがある物をS-Type(Sタイプ)と呼んだりすることもあります。
501のタイプ表記は、"A"と"S"が比較的多いです。(ほとんどです。"I”表記は、501では存在が確認されていません。)
タイプ文字の位置は、ロット番号の付近にスタンプされていることが比較的多いですが、中央付近にスタンプされていることもあります。
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- 備考
- 501だけでなく、505や502などでもタイプ表記のスタンプされたものがあります。
![]() |
ヴィンテージ 505 タイプ物(Sタイプ) |
タイプ物のディテール・特徴について
ヴィンテージリーバイス501などのパッチに、"A"や"S"がスタンプされた通称”タイプ物”と呼ばれるモデルは、ウエストバンド裏の上のステッチがシングル、フロントボタン脇Vステッチ(通称:”Vステッチ、ウエストシングル”)のものと、ウエストバンド裏上、チェーンステッチ、フロントボタン脇平行ステッチ(通称:”平行ステッチ、ウエストチェーン”)の2種類があることが判明しています。
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フロントボタン脇Vステッチ |
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フロントボタン脇平行ステッチ |
ディテールの年代としては、前者が古く、後者が新しいです。
タイプ物において、上記ステッチディテールの前者と後者の数の比率は、前者の方が少し多い程度の印象がありますが、大きく偏ってはいません。(五分五分に近いくらいです。)
タイプ物のウォッチ(コイン)ポケット裏のステッチは、シングルとチェーンの両方の存在が確認されています。
タイプ物のトップボタン裏刻印は、アルファベット1文字と一桁の数字の両方があります。前者は稀で、ほとんどは後者です。
ボタン裏刻印2でパッチにSの表記がある物とないものの両方があります。
ボタン裏刻印が2でVステッチであっても、パッチが残存していて、タイプ表記がない限り、タイプ物と断定はできないことになります。
また、ボタン裏刻印2の平行ステッチのSタイプもあります。刻印2の平行ステッチのビッグE(タイプ表記なし)も(もちろん)あります。
「パッチ表記にアルファベットの文字がスタンプされていること」以外にタイプ物固有のディテールというのは、現時点で見つかっていません。
Vステッチだけでなく、平行ステッチのタイプ物もあることは、タイプ物がビッグEと製造期間が重複していることを示しています。
タイプ物の製造期間などについては、先に年代を絞り込む上での材料となるディテールなどを紹介した後で、詳しい考察を行う予定です。
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- 追記
- 本記事の後に、1960年代後半リーバイス501の主要な仕様変更などについて、数記事に分けて詳しく紹介した記事を投稿しています。
冒頭に紹介したコメントで頂いたご質問の直接的な回答は、以下の記事にあります。
[##check## 501 タイプ物についてのQ&A]
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