エルメスのバーキンバッグは、エルメスの歴史の中でも最も成功したブランド製品の一つです。
ジェーンバーキンさんが、2012年エルメスのショーに出席した際行われたThe Daily Telegraphとのインタビューで語ったバーキンバッグ誕生の背景・エピソードが面白いので紹介します。
以下は、The Telegraphの2012年3月に投稿された"How Jane's Birkin bag idea took off"の記事を元に訳して注釈と写真を加えたものです。
1981年、ジェーンバーキンはパリからロンドン行きのエアーフランスに乗りました。
『その時のことは、良く覚えています。ファーストクラスにアップグレードしてもらって、男性の隣の席となりました。
どんなバッグを持っていたのかは定かではありません。ハズバンドのJacques Doillonが出発の二日前かさらに直前に、車をバックさせ私のバスケットをわざと踏んで壊してしまったのです。彼がこの飛行機の旅のことをどの程度知っていたのかどうか不明です。
どんなバッグをその時持っていたにせよ、飛行機の席上の荷物入れにバッグを入れようとした時、中身が全て飛び出してきてしまいました。』
コメント:英語のWikipediaの説明では、麦わらのバッグとなっています。
わざわざどんなバッグか覚えていない。と断り、さらには、旦那さんのDoillon氏が車で引いて壊してしまったエピソードまで語っているので、バッグの種類は不明なのだと思います。
バーキンさんの昔の写真では、麦わらのバッグを持った写真が結構あります。麦のバッグは彼女の愛用する象徴的なバッグのイメージがあります。
なぜDoillon氏がバッグを壊したのか?という疑問がありますが、そこには触れずじまいで話は進行します。
『「ポケットが付いたバッグを持つべきですよ。」と隣の席の男性が言いました。私は、「エルメスがポケットのあるものを作ったら、私は買います。」と答えました。
彼は「僕はエルメスの人間です。貴方様にポケットを付ける様にします。」
彼女の隣の席の乗客は、Jean-Louis Dumas, エルメスのチーフエグゼクティブでした。バーキンとDumasは一緒にバッグのデザインし始めました。
『私は、「ケリーよりも大きく、しかしSergeのスーツケースより小さいハンドバッグを作ったらどうかしら?」と言いました。
(Sergeは、Serge Gainsbourgのこと。フランスの有名な歌手・芸術家で、バーキンさんの長年のパートナー。1980年に別居しています。)
「そうだね、どんな感じかな?」、と聞かれて、私はシックバッグか何かに絵を描きました。
(シックバッグは、機上で気分が悪くなった人が使う紙製の袋です。)
彼は、「あなたのために作ります。」と言いました。』
機上の共作の結果を購入するためバーキンが財布を持ってアトリエを訪れた時、Dumasはバッグを無料で渡す代わりにバッグのデザインに彼女の名字を使わせてもらうことを提案しました。
バーキンは、「ちょっとそれは貰いすぎ!(名前を貸して、タダでもらうのは極端すぎる)と思いました。
エルメスは、ご存知の通りバッグを成功に導きました。」
それで今は、私がアメリカに歌を歌いに行くと、「バーキン - バッグの名前と同じ?」と言われます。「そう。本当にそうなのよ!これからバッグが歌います。」と返します。
エルメスは現在もお金を払っています。今年は30000ポンド - ロイヤリティの形として、バーキンに支払い、彼女の選んだチャリティに寄付します。
彼女の唯一の不満は、彼女のバッグの重さです。(彼女は右腕の腱鞘炎の治療で来月、手術を行う予定です。)
「私は彼らに、宙に浮く位軽い素材で作る様にお願いするかもしれません。」
記事の要約は以上です。
バーキンさんとエルメスのトップのJean-Louis Dumas氏が飛行機で隣り合わせとなり、その時のアクシデントがきっかけで、バーキンバッグが誕生したというのは、出会いの妙を感じます。
それにしても、バーキンさんはジーンズが似合うなと思います。Dumas氏と出会った飛行機の中でもジーンズを穿いていたのかな?とどうでも良いようなことまで、ふと思いました。(笑)
Jean-Louis Dumas氏は1978年から2006年まで、エルメスの会長を務めました。彼はまた、会社のアーティスティックディレクターも兼任していました。
ヘルメスは1837年にDumas家によって創業されました。Dumas氏は、エルメスをグローバル・ラグジャリー・ブランドさせた立役者として、評価されています。
Dumas氏は健康状態の悪化から2006年にエルメスの会長とアーティステックディレクータの職を退任し、2010年5月1日に72才で亡くなっています。
Dumas氏が健在であれば、バーキンさんの要請の対応も異なるものだったかもしれません。
バーキンさん関連で3記事連続して投稿となりました。この記事を書くために調べて知ったこと、考えたことは色々ありました。
今回3回に渡り投稿したブログ記事は、直接的にはジーンズなどには関わりがありませんが、ジーンズの似合う女性の代表であるジェーンバーキンさん関連の話であること、調べて知ったことなどを読者の皆様と共有したいと思い投稿しました。
将来、読み直してみるのも面白いのではと思っています。
その時に、クロコダイル等のエキゾチックアニマルの革が高級ブランドの製品に変わらず使われているのか?
世間を含めて状況はかなり変わっているのか?
興味深いところです。私はバーキンさんの要請で世間の注目を集めた今回の出来事は、人々の認識・社会的な考えが意外と早く、大きな変化となるのではないかと思っています。
ジェーンバーキンさんが、2012年エルメスのショーに出席した際行われたThe Daily Telegraphとのインタビューで語ったバーキンバッグ誕生の背景・エピソードが面白いので紹介します。
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Jane Birkin with Hermes Birkin Bag in 1996, Credit: REX, The Telegraph |
1981年、ジェーンバーキンはパリからロンドン行きのエアーフランスに乗りました。
『その時のことは、良く覚えています。ファーストクラスにアップグレードしてもらって、男性の隣の席となりました。
どんなバッグを持っていたのかは定かではありません。ハズバンドのJacques Doillonが出発の二日前かさらに直前に、車をバックさせ私のバスケットをわざと踏んで壊してしまったのです。彼がこの飛行機の旅のことをどの程度知っていたのかどうか不明です。
どんなバッグをその時持っていたにせよ、飛行機の席上の荷物入れにバッグを入れようとした時、中身が全て飛び出してきてしまいました。』
コメント:英語のWikipediaの説明では、麦わらのバッグとなっています。
わざわざどんなバッグか覚えていない。と断り、さらには、旦那さんのDoillon氏が車で引いて壊してしまったエピソードまで語っているので、バッグの種類は不明なのだと思います。
バーキンさんの昔の写真では、麦わらのバッグを持った写真が結構あります。麦のバッグは彼女の愛用する象徴的なバッグのイメージがあります。
なぜDoillon氏がバッグを壊したのか?という疑問がありますが、そこには触れずじまいで話は進行します。
『「ポケットが付いたバッグを持つべきですよ。」と隣の席の男性が言いました。私は、「エルメスがポケットのあるものを作ったら、私は買います。」と答えました。
彼は「僕はエルメスの人間です。貴方様にポケットを付ける様にします。」
彼女の隣の席の乗客は、Jean-Louis Dumas, エルメスのチーフエグゼクティブでした。バーキンとDumasは一緒にバッグのデザインし始めました。
『私は、「ケリーよりも大きく、しかしSergeのスーツケースより小さいハンドバッグを作ったらどうかしら?」と言いました。
(Sergeは、Serge Gainsbourgのこと。フランスの有名な歌手・芸術家で、バーキンさんの長年のパートナー。1980年に別居しています。)
「そうだね、どんな感じかな?」、と聞かれて、私はシックバッグか何かに絵を描きました。
(シックバッグは、機上で気分が悪くなった人が使う紙製の袋です。)
彼は、「あなたのために作ります。」と言いました。』
機上の共作の結果を購入するためバーキンが財布を持ってアトリエを訪れた時、Dumasはバッグを無料で渡す代わりにバッグのデザインに彼女の名字を使わせてもらうことを提案しました。
バーキンは、「ちょっとそれは貰いすぎ!(名前を貸して、タダでもらうのは極端すぎる)と思いました。
エルメスは、ご存知の通りバッグを成功に導きました。」
それで今は、私がアメリカに歌を歌いに行くと、「バーキン - バッグの名前と同じ?」と言われます。「そう。本当にそうなのよ!これからバッグが歌います。」と返します。
エルメスは現在もお金を払っています。今年は30000ポンド - ロイヤリティの形として、バーキンに支払い、彼女の選んだチャリティに寄付します。
彼女の唯一の不満は、彼女のバッグの重さです。(彼女は右腕の腱鞘炎の治療で来月、手術を行う予定です。)
「私は彼らに、宙に浮く位軽い素材で作る様にお願いするかもしれません。」
記事の要約は以上です。
バーキンさんとエルメスのトップのJean-Louis Dumas氏が飛行機で隣り合わせとなり、その時のアクシデントがきっかけで、バーキンバッグが誕生したというのは、出会いの妙を感じます。
それにしても、バーキンさんはジーンズが似合うなと思います。Dumas氏と出会った飛行機の中でもジーンズを穿いていたのかな?とどうでも良いようなことまで、ふと思いました。(笑)
Jean-Louis Dumas氏は1978年から2006年まで、エルメスの会長を務めました。彼はまた、会社のアーティスティックディレクターも兼任していました。
ヘルメスは1837年にDumas家によって創業されました。Dumas氏は、エルメスをグローバル・ラグジャリー・ブランドさせた立役者として、評価されています。
Dumas氏は健康状態の悪化から2006年にエルメスの会長とアーティステックディレクータの職を退任し、2010年5月1日に72才で亡くなっています。
Dumas氏が健在であれば、バーキンさんの要請の対応も異なるものだったかもしれません。
バーキンさん関連で3記事連続して投稿となりました。この記事を書くために調べて知ったこと、考えたことは色々ありました。
今回3回に渡り投稿したブログ記事は、直接的にはジーンズなどには関わりがありませんが、ジーンズの似合う女性の代表であるジェーンバーキンさん関連の話であること、調べて知ったことなどを読者の皆様と共有したいと思い投稿しました。
将来、読み直してみるのも面白いのではと思っています。
その時に、クロコダイル等のエキゾチックアニマルの革が高級ブランドの製品に変わらず使われているのか?
世間を含めて状況はかなり変わっているのか?
興味深いところです。私はバーキンさんの要請で世間の注目を集めた今回の出来事は、人々の認識・社会的な考えが意外と早く、大きな変化となるのではないかと思っています。
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