米リーバイス 2017年秋冬製品ラインナップから、ハイエンドとミドルエンドの501 シュリンクトゥフィットのモデルが姿を消しました。
[2017年秋冬米リーバイス501ライン更新情報:シュリンクトゥフィットのモデルが減少! ##link##]
上の記事で取り上げているように、501の伝統的特徴であるシュリンクトゥフィットのモデルが減少しており、特に2017年秋冬ラインから501-1995と501-1931 ロングデイが同時期に姿を消したことは、大きな変化、変更だと思います。
本記事では、米リーバイスの当該製品ラインナップの変更についての理由の考察を行います。
501-1931 ロングデイは、色々な意味で新しい試み・コンセプトの製品でした。それまでプレミアムのみに使用されるセルビッジデニムを使用しながら、プレミアムの場合は米国で生産される通例を踏襲せず、メキシコで生産することで価格帯をプレミアムとレギュラーの間に設定されたモデルでした。
生地の色味・染め方も変わっていて、少し濃い目の色味、ステッチは明るめのイエローステッチが中心で、バックポケットの取付け強化のバータックもイエローで目立つような新しい仕様を備えていました。
上記は細かいディテールですが、ロングデイは、全体的な生地の色味(濃い目の紺)、目立つ明るめのイエローステッチ、少し遊び心のあるステッチング、セルビッジデニムでメキシコ製、ミッドレンジの価格帯など色々な意味で新しさを備えた興味深いモデルでした。
テストマーケティング的な要素を含めた製品企画によるモデルだったのではないかと考えています。501 ロングデイの後継モデルと思われる501-2504 New Dayは、洗い加工であるところ以外は、価格帯を含め主な特徴はロングデイを受け継いでいます。
この位置づけの製品は市場性があると判断し、今回はテストマーケティングを含めて、洗い加工の代替の新製品を投入した可能性が考えられます。
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2017年秋冬の製品ラインナップの変更、ハイエンドとミッドエンドのシュリンクトゥフィットモデルの廃止は、シュリンクトゥフィットはハイエンド、本格志向のユーザー向けに限定する方向性を表しているようにも思います。
または、単純に2015年頃から追加したシュリンクトゥフィットのモデルをラインナップから外したとも解釈できます。
シュリンクトゥフィットは、一度体験すると気に入るユーザーも多いと思いますが、一度も購入した人にとっては、特徴やサイズ選びなど、良く分からないところがあると思います。
新しいユーザー・顧客層を取り組むためのモデルは、分かりやすい製品のほうが良いと判断したのかもしれません。ミッドレンジの価格帯のモデル、ロングデイからニューデイへの変更、プレミアムを最小限に抑えた新しい普及価格帯向けの米国製501などは、洗い加工の方が分かりやすく、製品の特徴の差別化もし易いと考えているようにも思います。
個人的には、501-1995とロングデイがラインから姿を消したのはとても残念に思っています。特に1995は復活してほしいと個人的には思います。
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[501-1931 ロングデイと501-1995 ##link##]
普及価格帯、ミッドとハイエンドにシュリンクトゥフィットが揃う製品ラインナップだった時に書いた記事です。
[非常に魅力的な2015年秋冬の現行 US 501ラインナップ ##link##]
[2017年秋冬米リーバイス501ライン更新情報:シュリンクトゥフィットのモデルが減少! ##link##]
上の記事で取り上げているように、501の伝統的特徴であるシュリンクトゥフィットのモデルが減少しており、特に2017年秋冬ラインから501-1995と501-1931 ロングデイが同時期に姿を消したことは、大きな変化、変更だと思います。
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- 更新情報:
- 2017年8月3日から米リーバイスオンラインストアに501-1995が再び登場しました。
本記事では、米リーバイスの当該製品ラインナップの変更についての理由の考察を行います。
2017年秋冬製品ラインからミッド/ハイエンドの501 シュリンクトゥフィットを外した理由は?
実際の理由、事情は社内の関係者でなければ分からないことですが、いくつか可能性として考えられる理由・シナリオを以下に書きます。
ミッドとハイエンドのシュリンクトゥフィットは、長期間継続すると決まっている定番モデルではないので、今回打ち切った。
モデルのラインナップは、定番以外は常時変更があります。ワンシーズンのみで終わるモデルも少くありません。むしろ定番以外のモデルで、長期間継続して製造されるモデルのほうが珍しいです。
表現を変えると長期間継続して製造販売されるのは、定番モデルとなります。
501-1931 ロングデイは、2014年秋冬のラインに初登場しました。3年間継続する定番でないモデルは珍しいです。Made in the USA 501-1995は、2015年春夏シーズンのラインナップで登場しました。2年半、継続して製造、販売されました。Made in the USAのモデルは通常、ワンシーズン、長くてもツーシーズンの限定生産がそれまでの通例でした。501-1995は、Made in the USAとしては、異例の長い期間、継続して製造販売されたモデルでした。
結果的に言えば、3年以内程度で製造中止になるのであれば、定番ではなかった。または、定番だったが製造中止にしたということになります。(定番の定義とリーバイス社内の取り扱い方によります。)
501-1995をラインから外した理由
501-1995は、Made in the USAのラインの一モデルとして登場しました。Made in the USAは、リーバイスのハイエンドに位置付けられるラインです。
現在のリーバイスには、Levi's Vintage Clothing (LVC)と言うハイエンドのラインがあります。LVCは、90年代の後半に正式に発足したリーバイスの過去のモデルを復刻した製品を中心に取り扱うラインです。
LVCは、日本とヨーロッパ市場向けのラインとして発足しました。米国内でLVCを本格的に取り扱うようになったのは、2014年以降です。2014年以前は、一部の店舗を除いて、LVCは取り扱っていませんでした。米リーバイスのオンラインストアで本格的に取り扱うようになったのも2015年ごろ以降です。(2014年は、米国内のLVCを取り扱うオンラインストアのURLなども別でした。)
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現在は、オンラインストアでもLVCを取り扱っています。LVCの501では、リジッド(生デニムのシュリンクトゥフィット)が主流です。
501-1995は、LVCと同様にコーンミルズ、ホワイトオーク工場製のセルビッジ付き生デニムを使用しています。LVC 501のリジッドも米国製です。(加工されたデニムを使用したLVCは、トルコ製が中心です。)
501-1995は、製品の位置付けとしてはプレミアムである部分、LVCと競合するところがあります。製品の特徴も基本的には同じです。LVCが過去の501のディテールを模倣しているのに対して、501-1995はタブはスモールeなどで独自の(模倣ではない)仕様となっているところが異なります。
位置づけ的に競合する部分がある501-1995を製造中止にして、ハイエンドはLVCに絞ることにしたなどの理由が考えられます。
また、Made in the USAのラインは、以前はプレミアムラインの位置づけでしたが、2017年秋冬は大きなプレミアムを付けず、仕様もレギュラーラインと同様にして、レギュラーラインの一部のバージョンのような扱いをしているため、プレミアムの仕様を備える501-1995は製造中止にしたなどの理由も加えてあったのではと推測します。
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501-1931 ロングデイから洗い加工のニューデイに切り換えた理由
501-1931 ロングデイは、色々な意味で新しい試み・コンセプトの製品でした。それまでプレミアムのみに使用されるセルビッジデニムを使用しながら、プレミアムの場合は米国で生産される通例を踏襲せず、メキシコで生産することで価格帯をプレミアムとレギュラーの間に設定されたモデルでした。
生地の色味・染め方も変わっていて、少し濃い目の色味、ステッチは明るめのイエローステッチが中心で、バックポケットの取付け強化のバータックもイエローで目立つような新しい仕様を備えていました。
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501-1931 ロングデイ バックポケット部のステッチング |
テストマーケティング的な要素を含めた製品企画によるモデルだったのではないかと考えています。501 ロングデイの後継モデルと思われる501-2504 New Dayは、洗い加工であるところ以外は、価格帯を含め主な特徴はロングデイを受け継いでいます。
この位置づけの製品は市場性があると判断し、今回はテストマーケティングを含めて、洗い加工の代替の新製品を投入した可能性が考えられます。
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[2017年秋冬米リーバイス501ライン更新情報:シュリンクトゥフィットのモデルが減少! ##link##]
シュリンクトゥフィットはマニア・ハイエンド向け?
2017年秋冬の製品ラインナップの変更、ハイエンドとミッドエンドのシュリンクトゥフィットモデルの廃止は、シュリンクトゥフィットはハイエンド、本格志向のユーザー向けに限定する方向性を表しているようにも思います。
または、単純に2015年頃から追加したシュリンクトゥフィットのモデルをラインナップから外したとも解釈できます。
シュリンクトゥフィットは、一度体験すると気に入るユーザーも多いと思いますが、一度も購入した人にとっては、特徴やサイズ選びなど、良く分からないところがあると思います。
新しいユーザー・顧客層を取り組むためのモデルは、分かりやすい製品のほうが良いと判断したのかもしれません。ミッドレンジの価格帯のモデル、ロングデイからニューデイへの変更、プレミアムを最小限に抑えた新しい普及価格帯向けの米国製501などは、洗い加工の方が分かりやすく、製品の特徴の差別化もし易いと考えているようにも思います。
個人的には、501-1995とロングデイがラインから姿を消したのはとても残念に思っています。特に1995は復活してほしいと個人的には思います。
関連記事:
[501-1931 ロングデイと501-1995 ##link##]
普及価格帯、ミッドとハイエンドにシュリンクトゥフィットが揃う製品ラインナップだった時に書いた記事です。
[非常に魅力的な2015年秋冬の現行 US 501ラインナップ ##link##]
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