一つ前の投稿記事の続きです。ここでは、505 Big-E Sタイプと復刻505 1967年モデルを比較してみます。
ヴィンテージ愛好家の方々の間では、リーバイスの品番変更が行われたのは1966年頃で移行は1年くらいかけて行われたとの見方が一般的です。リーバイス社のオンラインストアの505等の商品の説明には品番変更は1967年と書かれています。リーバイスブックでも1967年となっている様です。また、Wikipediaのリーバイスの説明でも品番変更は1967年となっています。
実際のところ、ある時期を境に一気に品番変更を行ったのではなく、移行に際しては製品や工場間でも多少時期が異なったり、移行期にある程度の時間がかけられた可能性が高いと思います。そのため、時期的には66年頃から67年頃とある程度の幅を持たせて解釈する事が妥当なのかと思っています。リーバイスの復刻501の1966年モデルはダブルネーム表記されていることから、501は1966年頃にXX表記が廃止され移行期としてダブルネームが登場したと推測できます。
復刻の505は1967年モデルでダブルネームとシングルネームの両方があります。ダブルネーム、タイプ物、シングルネームと時期的には移行していったとの見方が一般的な認識の様です。しかし、個人的には、67年から68年頃は異なる工場やラインでこれらの表記の製品が平行して生産されていた可能性もある様に思っています。
なぜかと言うと、1967年の復刻モデルにダブルネームとシングルネームの505が存在しており、もし復刻モデルの年代が正しいのであれば、1967年にダブルネームとシングルネーム(ロット番号表記のみ)が存在した事になります。Wネーム、タイプ物、ロット番号表記と順を追って移行したのであれば、タイプ物も1967年になり、一年の間に表記が2回も移行する事になります。
上記の事柄を考えると、表記方法等は工場やライン間で異なっていた可能性が考えられます。また、1960年代後半より、リーバイス社は海外での販売を正式に開始しており、出荷先によってパッチ等の表記が異なった可能性も考えられます。
前置きが長くなってしまいました。それでは、比較をしてみたいと思います。
左が復刻505 1967年モデル、右が505 Big-E Sタイプです。復刻の方は糊落としも行っていない状態です。洗濯もまだです。現在は黒っぽい紺ですが、糊を落とすと青っぽく色が変わると予想しています。
505タイプ物はかなり濃い色です。しかし、さすがに未洗いの復刻と比べると明るめの色です。
全体的なシルエットは似ているものの、505 Big-E タイプ物の方がテーパードが強く、渡り幅は復刻よりもあるくらいですが、裾幅は2cm位(平置き測定を倍にしています)細くなっています。
バックポケット部の写真です。ポケットの大きさや形、アーキュエットのシェープが異なります。また、パッチの取り付け位置やタブの位置も異なります。
パッチやタブの位置は結構アバウトなので、特に珍しい事ではない様です。
パッチの表記は505 タイプ物はかなり大きな字で印字されています。大きい字の方が古い年代と言われています。
両方ともウエストのサイズ表記は28インチです。
しかし、実寸で比べてみると2インチ位(5cm強)違います。この時代でも505は防縮加工のデニムを使用している事を謳っていますが、実際には結構縮む様です。また、復刻の元々のサイズが表記よりも大きいのだと思います。
ベルトループ、ウエストバンドの幅、バックヨークの部分の形、長さもかなり異なります。
ベルトループの長さは復刻は約7cm、ヴィンテージ505は約5.8cmで明確な差があります。
ウエストバンドの幅も、復刻は約4cm、タイプ物は3.5cm弱程度です。
後部センターにおけるバックヨークの長さ(大きさ)は、前者(左)が約7.5cm、後者(右)が約6.5cmです。ジーンズの上部からの長さはウエストバンドの幅の差があるためさらにあります。この差は穿いた時のシルエットにかなり影響がある部分です。
復刻はディテールについてはかなり忠実に再現している傾向がありますが、シルエットについてはモディファイされているとの話をネットで良く目にします。オリジナルは非常に太いにも関わらず、復刻の501 1947年モデルがかなりスリムなシルエットであることは結構有名な話です。生地についても、復刻とヴィンテージでは、かなり異なる印象を受けます。
実際、今回の505の比較においても、復刻のモデルの年代としてはほぼ同年代のヴィンテージと比べると、シルエット的には結構異なります。生地の風合いについては異なるのは当然なので違いについて特に細かくは比較しません。
しかし、復刻の全体的な仕上がりの良さはかなりのレベルだと思います。いかにも質が良さそうで、かつ良い色落ちをしそうな生地を使用しています。私自身の印象としては、復刻とオリジナルは完全に別ものと思っています。
一ジーンズ製品としてみた場合、復刻はレベルがとても高いと思います。後は、価格についてどのように判断するかだと思います。ヴィンテージのデッドストックはかなり値段が高く、サイズも限られています。復刻の505は501と比べると廉価で約2万円です。悪くない値付けだと思います。
程度の良いヴィンテージが比較的低価格であれば、多いに考慮するに値すると思います。ヴィンテージのデニム製品の魅力は計り知れない物があります。ただ、その魅力はその人個人の感じ方で大きく変わると思います。
私の場合は、現行の501と90年代の米国製501をメインで穿いています。ここで紹介した復刻の505は、少しフォーマルな服を求められる時、ドレスシャツと合わせて使っています。その使い方には糊付きのパリっとした状態が結構合っています。ただし、いつかは糊落とし、洗わなければいけなくなるので、そうなった時は多分使い方が変わると思います。
ヴィンテージのジーンズは見たり、たまに穿いたりして楽しんでいます。私はフィットしているジーンズが好きです。今回、新たに加わった505のタイプ物はサイズ的にはもの凄い魅力があります。(ちょっときついのですが。。。)
今年も後残すところ二日となりました。皆さんにとって、この一年はどの様な年でしたか?
私は、今年の初め頃は穴が空いていない普段穿けるジーンズがなくなって困っていました。それから一年近く経った今、私の手元には多くのジーンズとジャケットがあります。この一年は、自分にとってのデニム衣料とのつきあいが劇的に変化した年となりました。
実のところ、経済面や仕事面、生活面では非常に厳しい状況が続いています。この状況を何とか打破しなければならないぎりぎりの状態にいます。来年は自分にとっては本当に試練の年となることと予想しています。
この本当に長い記事を読んで下さった方、ありがとうございました!!
お体にお気をつけて、良いお年をお迎え下さい。
明日もブログ記事を投稿する予定です。明日は507の予定です。
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ヴィンテージ愛好家の方々の間では、リーバイスの品番変更が行われたのは1966年頃で移行は1年くらいかけて行われたとの見方が一般的です。リーバイス社のオンラインストアの505等の商品の説明には品番変更は1967年と書かれています。リーバイスブックでも1967年となっている様です。また、Wikipediaのリーバイスの説明でも品番変更は1967年となっています。
実際のところ、ある時期を境に一気に品番変更を行ったのではなく、移行に際しては製品や工場間でも多少時期が異なったり、移行期にある程度の時間がかけられた可能性が高いと思います。そのため、時期的には66年頃から67年頃とある程度の幅を持たせて解釈する事が妥当なのかと思っています。リーバイスの復刻501の1966年モデルはダブルネーム表記されていることから、501は1966年頃にXX表記が廃止され移行期としてダブルネームが登場したと推測できます。
復刻の505は1967年モデルでダブルネームとシングルネームの両方があります。ダブルネーム、タイプ物、シングルネームと時期的には移行していったとの見方が一般的な認識の様です。しかし、個人的には、67年から68年頃は異なる工場やラインでこれらの表記の製品が平行して生産されていた可能性もある様に思っています。
なぜかと言うと、1967年の復刻モデルにダブルネームとシングルネームの505が存在しており、もし復刻モデルの年代が正しいのであれば、1967年にダブルネームとシングルネーム(ロット番号表記のみ)が存在した事になります。Wネーム、タイプ物、ロット番号表記と順を追って移行したのであれば、タイプ物も1967年になり、一年の間に表記が2回も移行する事になります。
上記の事柄を考えると、表記方法等は工場やライン間で異なっていた可能性が考えられます。また、1960年代後半より、リーバイス社は海外での販売を正式に開始しており、出荷先によってパッチ等の表記が異なった可能性も考えられます。
前置きが長くなってしまいました。それでは、比較をしてみたいと思います。
左が復刻505 1967年モデル、右が505 Big-E Sタイプです。復刻の方は糊落としも行っていない状態です。洗濯もまだです。現在は黒っぽい紺ですが、糊を落とすと青っぽく色が変わると予想しています。
505タイプ物はかなり濃い色です。しかし、さすがに未洗いの復刻と比べると明るめの色です。
全体的なシルエットは似ているものの、505 Big-E タイプ物の方がテーパードが強く、渡り幅は復刻よりもあるくらいですが、裾幅は2cm位(平置き測定を倍にしています)細くなっています。
バックポケット部の写真です。ポケットの大きさや形、アーキュエットのシェープが異なります。また、パッチの取り付け位置やタブの位置も異なります。
パッチやタブの位置は結構アバウトなので、特に珍しい事ではない様です。
パッチの表記は505 タイプ物はかなり大きな字で印字されています。大きい字の方が古い年代と言われています。
両方ともウエストのサイズ表記は28インチです。
しかし、実寸で比べてみると2インチ位(5cm強)違います。この時代でも505は防縮加工のデニムを使用している事を謳っていますが、実際には結構縮む様です。また、復刻の元々のサイズが表記よりも大きいのだと思います。
ベルトループ、ウエストバンドの幅、バックヨークの部分の形、長さもかなり異なります。
ベルトループの長さは復刻は約7cm、ヴィンテージ505は約5.8cmで明確な差があります。
ウエストバンドの幅も、復刻は約4cm、タイプ物は3.5cm弱程度です。
後部センターにおけるバックヨークの長さ(大きさ)は、前者(左)が約7.5cm、後者(右)が約6.5cmです。ジーンズの上部からの長さはウエストバンドの幅の差があるためさらにあります。この差は穿いた時のシルエットにかなり影響がある部分です。
復刻はディテールについてはかなり忠実に再現している傾向がありますが、シルエットについてはモディファイされているとの話をネットで良く目にします。オリジナルは非常に太いにも関わらず、復刻の501 1947年モデルがかなりスリムなシルエットであることは結構有名な話です。生地についても、復刻とヴィンテージでは、かなり異なる印象を受けます。
実際、今回の505の比較においても、復刻のモデルの年代としてはほぼ同年代のヴィンテージと比べると、シルエット的には結構異なります。生地の風合いについては異なるのは当然なので違いについて特に細かくは比較しません。
しかし、復刻の全体的な仕上がりの良さはかなりのレベルだと思います。いかにも質が良さそうで、かつ良い色落ちをしそうな生地を使用しています。私自身の印象としては、復刻とオリジナルは完全に別ものと思っています。
一ジーンズ製品としてみた場合、復刻はレベルがとても高いと思います。後は、価格についてどのように判断するかだと思います。ヴィンテージのデッドストックはかなり値段が高く、サイズも限られています。復刻の505は501と比べると廉価で約2万円です。悪くない値付けだと思います。
程度の良いヴィンテージが比較的低価格であれば、多いに考慮するに値すると思います。ヴィンテージのデニム製品の魅力は計り知れない物があります。ただ、その魅力はその人個人の感じ方で大きく変わると思います。
私の場合は、現行の501と90年代の米国製501をメインで穿いています。ここで紹介した復刻の505は、少しフォーマルな服を求められる時、ドレスシャツと合わせて使っています。その使い方には糊付きのパリっとした状態が結構合っています。ただし、いつかは糊落とし、洗わなければいけなくなるので、そうなった時は多分使い方が変わると思います。
ヴィンテージのジーンズは見たり、たまに穿いたりして楽しんでいます。私はフィットしているジーンズが好きです。今回、新たに加わった505のタイプ物はサイズ的にはもの凄い魅力があります。(ちょっときついのですが。。。)
今年も後残すところ二日となりました。皆さんにとって、この一年はどの様な年でしたか?
私は、今年の初め頃は穴が空いていない普段穿けるジーンズがなくなって困っていました。それから一年近く経った今、私の手元には多くのジーンズとジャケットがあります。この一年は、自分にとってのデニム衣料とのつきあいが劇的に変化した年となりました。
実のところ、経済面や仕事面、生活面では非常に厳しい状況が続いています。この状況を何とか打破しなければならないぎりぎりの状態にいます。来年は自分にとっては本当に試練の年となることと予想しています。
この本当に長い記事を読んで下さった方、ありがとうございました!!
お体にお気をつけて、良いお年をお迎え下さい。
明日もブログ記事を投稿する予定です。明日は507の予定です。
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