先日紹介した501XXと同じ前オーナーの506XXを紹介します。
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革パッチ付き506XXです。濃紺で糊もまだ残っている感じです。毛羽立ちも結構あります。
一回、軽く水を通した状態の様に思います。
パッチはすごく柔らかい状態です。ツーホースマーク、ギャランティーの文字も読み取れます。LOT番号は506XX、サイズは38インチです。この時代はジャケットのパッチはジーンズと同じ物を使用しています。そのためサイズを示すWとLが表示されています。
506XXは胸ポケットの取り付け強化にリベットが使用されているのがディテールの特徴です。
セカンド以降はリベットからバータックに変更になります。
ポケット入口付近であまった糸がたくさんでています。
使用感のない、少ないヴィンテージ品では、余った糸の処理がされておらず糸が飛び出している所が多くあるものを良く目にします。
例えば、こんな感じでピョロッと飛び出している箇所があったりします。
リベットの表面の文字は中央よりのタイプです。このタイプのリベットは40年代のものに多く使用されています。
40年代終わり頃から彫りの浅い大きめの字のタイプに移行していった様です。大きめの字の方は先日紹介したこのジャケットと前オーナーが同じ革パッチ501XXで使われています。
506XXは1952年以前の製品なので、赤タブは片面になります。
フロントのプリーツは、ファーストとセカンドの主なディテールの特徴の一つです。
プリーツを止めている長方形上のステッチのデザインも外観のデザインに与えるインパクトは大きいと思います。
この部分のステッチは切れたり解れたりしている物が多いです。特に506の場合はその傾向が顕著です。
この506の場合、使用感がほとんどないのでさすがにステッチは現時点では大丈夫ですが、プリーツが少し変によれたりしている箇所があってそれが現時点でもステッチに負荷を与えている事が分かります。その状態を見て、なぜプリーツのステッチが消失している506が多いのか分かりました。洗ってステッチ部の形を整えてやる事でステッチへの負荷も減らせる事ができます。洗う事に少し躊躇していますが、近いうちに洗おうかと思っています。
ボタン裏はふくらみのある形状で部分的に突起上に盛り上がっている所があります。そこに17の刻印が打ち込まれています。
506は袖のボタンが通常の逆側についているのが特徴の一つです。
袖口のあわせ方は通常、手のひらを下にした場合、手のひら側が下、手の甲側が上にきますが、506の場合、手の甲側の方にボタンがついています。
左の写真は506と507の右袖口の写真です。下が506、上が507です。
シンチは針無しのバックルタイプです。このシンチバックルのタイプは506の戦後のモデルの特徴です。
後ろ側の全体の写真です。丈が短くて、身幅と同じ位に見えます。
こうして平らにして置くとボディ部は正方形に近いシルエットです。
後ろにはシンチ、フロントはプリーツが入り、左胸に一個のポケットとディテールもとても個性的なデザインです。
このデザインから、セカンド、サード、フォースと進化を遂げていくことになります。506はまさにデニムジャケットの原点です。
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