1960年代はまさに激動の年でした。ベトナム戦争の勃発、そして反戦活動の高まり、公民権運動、ケネディ大統領暗殺、キング牧師暗殺等、社会が大きく揺れ動いている流れの中で様々な出来事が起こりました。
関連記事:リーバイスのドキュメンタリーフィルムの紹介記事です。5部構成になっています。以下の記事で紹介するパート4は60年代から80年代までの年代とリーバイスの関わりの特集です。
[Levi's As America: A Riveting Icon パート4 ##link##]
60年代、ジーンズは若者の間に急速に普及していきます。リーバイスの501の細かい仕様も目まぐるしく変化しました。パッチ表記、ディテール、シルエット等も変更が行われます。パッチは501XX ギャラ入りからギャラ無しへ、隠しリベットの廃止、XX表記の廃止、品番変更後のダブルネーム、品質の問題からタイプもの表示の登場、ウエストシングルステッチからチェーンステッチへ、取り扱い説明タグの追加(66)と目まぐるしい変更を経て70年代へとバトンを渡します。
今回紹介するのは通称ビッグEの最初期と思われる501です。
脚の部分が、ねじれているのが写真から分かるかと思います。左脚(向かって右)は外側の横にあるアウトシームが裾に行くにつれ前にきています。右脚部(向かって左)はインシームが前にねじれてきています。
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ビッグEのシルエットは、501XXと比べると細くなり少し浅めの股上が基本的な特徴です。最初期のビッグEは、501XXと同様に太めのクラシックなストレートシルエットのものが多い傾向があります。しかし、個体差もあります。本品は細めのシルエットです。
色は割と明るめの色です。本記事の最後に60年代から70年代の501と並べて撮った色味比較の写真を貼付しております。
生地の状態等から、着用感はそれ程感じられませんが、内股部分とヒップ脇に穴があります。どうしてこんなところに穴ができているか? デニムは簡単に穴は空きません。わざと空けたにしては場所が変なところなので不思議です。
パッチは硬化しており、一部亀裂はあるものの残っています。しかし、表記は非常に薄く、ほとんど読み取れません。この様な状態でパッチが残っていることも、珍しいと思います。(現在は、一部損失してしまいました。)
ボタン裏の刻印はKです。
パッチのXX表記廃止と同時期にボタン裏刻印もそれまでの1文字のアルファベットから数字に変更になりました。(例外は刻印16)アルファベットの刻印はビッグEの最初期が最終と推定します。
ステッチはVステッチ、ウエストバンドの上のステッチはシングルです。ここでご注目いただきたいのは、ステッチの色です。この501のステッチは元々オレンジ色だったと思われる退色した綿糸が多用されています。このステッチの特徴的な色が印象的です。
フロント部です。
写真でも特徴あるステッチと生地の色の雰囲気が分かり頂けますでしょうか? シルエット的にはヒップ周りがほっそりしてすっきりしています。
501XXからビッグEへ移行した頃に、クロッチの取付け強化にバータックが追加されました。本品のバータック(カンヌキ)の糸の色はパープルです。ビッグEの初期の製品では本品のようにバータックが、オレンジやイエローでなく、暗色系の別の色が使われているものがあります。
バータックが、クロッチの取り付きステッチと少しずれて入れられているものを、通称ずれカンと呼びます。
この501は特徴ある色のステッチが多用されているのが印象的です。生地に加えて、ステッチの色味によっても受ける印象は随分異なります。
60年代後半の501のアーキュエットのシェープは深めのものや浅めのもの等、色々あります。501XXからビッグEへ移行後(パッチのロット番号が変更後)、アーキュエットの色は、501XXのイエローからオレンジに変更になります。
Big-Eのアーキュエットステッチは、消失を防ぐため目が詰まっているのが特徴です。(XXからビッグEの変更点の1つです)最初期のビッグEのアーキュエットステッチのピッチはそれまでの501XXと同様に間隔があります。
左はビッグE Vステッチの501です。アーキュエットのピッチが詰まっています。
関連記事:
[60年代後半の501主要ディテール変更: ボタン裏刻印とアーキュエットステッチ ##link##]
裾はオリジナルのチェーンステッチです。特有のアタリが明確にできています。(ウネリはあまり強くないです。)
60年代後半から70年代の501を並べて撮影した写真です。右にいくほど古めの年代です。今回紹介した501は右から2番目です。色が少し明るめな特徴ある色をしています。
[ヴィンテージ・デニムの色味と色落ち ##link##]
この記事で紹介した刻印Kの501は、501xx-501 ダブルネームの特徴を備えています。
[501xx-501 ダブルネームのディテール・特徴 ##link##]
ご興味のある方は、ご覧になってみて下さい。
本記事は2013年に投稿したものを、内容を一部見直して、変更などを行い再投稿しています。関連記事も一部見直し更新する予定です。
関連記事:リーバイスのドキュメンタリーフィルムの紹介記事です。5部構成になっています。以下の記事で紹介するパート4は60年代から80年代までの年代とリーバイスの関わりの特集です。
[Levi's As America: A Riveting Icon パート4 ##link##]
60年代、ジーンズは若者の間に急速に普及していきます。リーバイスの501の細かい仕様も目まぐるしく変化しました。パッチ表記、ディテール、シルエット等も変更が行われます。パッチは501XX ギャラ入りからギャラ無しへ、隠しリベットの廃止、XX表記の廃止、品番変更後のダブルネーム、品質の問題からタイプもの表示の登場、ウエストシングルステッチからチェーンステッチへ、取り扱い説明タグの追加(66)と目まぐるしい変更を経て70年代へとバトンを渡します。
今回紹介するのは通称ビッグEの最初期と思われる501です。

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ビッグEのシルエットは、501XXと比べると細くなり少し浅めの股上が基本的な特徴です。最初期のビッグEは、501XXと同様に太めのクラシックなストレートシルエットのものが多い傾向があります。しかし、個体差もあります。本品は細めのシルエットです。
色は割と明るめの色です。本記事の最後に60年代から70年代の501と並べて撮った色味比較の写真を貼付しております。
生地の状態等から、着用感はそれ程感じられませんが、内股部分とヒップ脇に穴があります。どうしてこんなところに穴ができているか? デニムは簡単に穴は空きません。わざと空けたにしては場所が変なところなので不思議です。



ステッチはVステッチ、ウエストバンドの上のステッチはシングルです。ここでご注目いただきたいのは、ステッチの色です。この501のステッチは元々オレンジ色だったと思われる退色した綿糸が多用されています。このステッチの特徴的な色が印象的です。
フロント部です。

501XXからビッグEへ移行した頃に、クロッチの取付け強化にバータックが追加されました。本品のバータック(カンヌキ)の糸の色はパープルです。ビッグEの初期の製品では本品のようにバータックが、オレンジやイエローでなく、暗色系の別の色が使われているものがあります。

この501は特徴ある色のステッチが多用されているのが印象的です。生地に加えて、ステッチの色味によっても受ける印象は随分異なります。


左はビッグE Vステッチの501です。アーキュエットのピッチが詰まっています。

[60年代後半の501主要ディテール変更: ボタン裏刻印とアーキュエットステッチ ##link##]
裾はオリジナルのチェーンステッチです。特有のアタリが明確にできています。(ウネリはあまり強くないです。)


関連記事:
以下の記事で、上の写真の501など60年代から70年代のヴィンテージ501と557、70505などの色味の比較などを行っています。[ヴィンテージ・デニムの色味と色落ち ##link##]
この記事で紹介した刻印Kの501は、501xx-501 ダブルネームの特徴を備えています。
[501xx-501 ダブルネームのディテール・特徴 ##link##]
ご興味のある方は、ご覧になってみて下さい。
本記事は2013年に投稿したものを、内容を一部見直して、変更などを行い再投稿しています。関連記事も一部見直し更新する予定です。
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