リーバイス社にアーカイブとして保管されている世界最古のジーンズと考えられている三つのジーンズが、2011年10月に日本に上陸し、リーバイスストア渋谷店にて公開されました。
本ブログをお読みの方の中には、実際にご覧になられたり、ニュースや記事をお読みになられた方もいらっしゃると思います。
この3つの世界最古のジーンズは、以下の名前が付けられています。
XX c.1879
NEVADA 1880s
BARNYARD c.1890 501XX
最古という場合は、最も古い一品なので、この時点ではXX c. 1879 を示していると考えることができます。
しかし、1879は革パッチが付いているので、1886年以降の可能性があると思います。
また、ネバダは1880年代なので、実際のところはネバダが最古の可能性もあります。
1873年に誕生した最初のジーンズは、XXと呼ばれていました。
1890年頃に初めてロット番号が付与されました。それまでXXと呼ばれていたジーンズは、この時から501XXの名前になりました。
(リーバイス社の元ヒストリアンLynn Downeyさんは、単に501と呼ぶことが多いです。)
世界最古のジーンズは?と言う場合、XX c.1879かNEVADAか断定するのは難しいところがあります。
しかし、世界最古の501XXは、現時点ではBARNYARD c. 1890 501XXであると言うことができると思います。
(注:もう一本、Calicoと言う名前の推定1890年頃の501XXもあります。また、それ以外にも何本か最古のジーンズと同年代のものがあるようです。)
その理由は、XX c. 1879はロット番号が付与される前のXX(ウエストオーバーオール)と判定されており、また、NEVADAは、ウエストオーバーオールとは異なる仕様とXXではない生地が使われているためです。
この時代のギャランティーチケットの起算年は、リベットの特許を取得し、ジーンズ(当時の呼称オーバーオール)の製造を始めた1873年であることはほぼ確定しています。
FOR OVER 20 YEARSのギャランティーチケットが使われ始めたのが、リベット取得から20年後の1893年と推定できます。
FOR OVER 17 YEARSのギャランティー(チケット)のスタンプは、同様に起算し1890年からとなります。
この二つのギャランティーチケットの表記年から、FOR OVER 17 YEARSの表記がスレーキにスタンプされている501XXは、1890年頃から1892年(または1893年の途中)の期間に製造されたと推定年代を絞り込むことができます。
言い換えると、FOR OVER 17 YEARSの表記がスレーキにスタンプされていることが、1890年から1892までの501の特徴の一つと言えます。
上記日本語の説明を読むと何となくそれだけで理解した気持ちになってしまうかもしれませんが、少しだけ、さらに掘り下げてみたいと思います。(笑)
実は、BARNYARDとは何かについて、過去に調べて、Red Wing Lifeに記事を投稿しております。
それにしても、barnyardの納屋の中に本当に物凄い長い期間、数十年、下手をすると50年以上ドアの釘に掛けられていた状態のままだったことを想像するだけで、楽しめます。
Barnyardとは?の記事を投稿した時は、ジーンズ・501との関わりなど全く考えもせず、我ながらマニアックな記事だな〜などと思っていましたが、思わぬところで役に立ちました。(笑)
参考ブログ記事:
Barnyardとは / Red Wing Life
関連ブログ記事:(お勧めです。)
リーバイス 501の歴史
リーバイス Nevada ジーンズ発見から、入手まで
本ブログをお読みの方の中には、実際にご覧になられたり、ニュースや記事をお読みになられた方もいらっしゃると思います。
この3つの世界最古のジーンズは、以下の名前が付けられています。
XX c.1879
NEVADA 1880s
BARNYARD c.1890 501XX
最古という場合は、最も古い一品なので、この時点ではXX c. 1879 を示していると考えることができます。
しかし、1879は革パッチが付いているので、1886年以降の可能性があると思います。
また、ネバダは1880年代なので、実際のところはネバダが最古の可能性もあります。
1873年に誕生した最初のジーンズは、XXと呼ばれていました。
1890年頃に初めてロット番号が付与されました。それまでXXと呼ばれていたジーンズは、この時から501XXの名前になりました。
(リーバイス社の元ヒストリアンLynn Downeyさんは、単に501と呼ぶことが多いです。)
世界最古のジーンズは?と言う場合、XX c.1879かNEVADAか断定するのは難しいところがあります。
しかし、世界最古の501XXは、現時点ではBARNYARD c. 1890 501XXであると言うことができると思います。
(注:もう一本、Calicoと言う名前の推定1890年頃の501XXもあります。また、それ以外にも何本か最古のジーンズと同年代のものがあるようです。)
その理由は、XX c. 1879はロット番号が付与される前のXX(ウエストオーバーオール)と判定されており、また、NEVADAは、ウエストオーバーオールとは異なる仕様とXXではない生地が使われているためです。
BARNYARD c. 1890 501XX
![]() |
リーバイスジャパン, http://levi.jp/origin/ |
1890年-1892年頃までの501XXの特徴
BARNYARDとCalicoの特徴は、内側のポケットの布(スレーキ)に、FOR OVER 17 YEARSのギャランティーチケットのスタンプが押されていることです。
![]() |
Photo: LS&Co. Archive |
外付けのオイルクロスのギャランティーチケットで最も古いものは、FOR OVER 20 YEARSです。
![]() |
The first Levi's Guarantee Ticket, Images of America Levi Strauss & Co. |
FOR OVER 20 YEARSのギャランティーチケットが使われ始めたのが、リベット取得から20年後の1893年と推定できます。
FOR OVER 17 YEARSのギャランティー(チケット)のスタンプは、同様に起算し1890年からとなります。
この二つのギャランティーチケットの表記年から、FOR OVER 17 YEARSの表記がスレーキにスタンプされている501XXは、1890年頃から1892年(または1893年の途中)の期間に製造されたと推定年代を絞り込むことができます。
言い換えると、FOR OVER 17 YEARSの表記がスレーキにスタンプされていることが、1890年から1892までの501の特徴の一つと言えます。
BARNYARD c. 1890 501XXの名前の由来
2011年で日本で公開された際、BARNYARD c. 1890 501XXには、以下の様な説明がされています。
1890年頃に品番統制のため初めてlotナンバー"501"が付けられたモデル。なぜ501という品番が選ばれ、与えられたのかは、1906年の大地震により全ての資料が失われてしまったため細かなことは未だにわかっていない。
カリフォルニア郊外北部の廃屋で発見され、長期に渡る日焼けの状態で釘を打ったドアに掛けられていたことから「BARNYARD」の愛称で呼ばれている。
前半のくだりは、比較的、良く知られているところですが、このBARNYARDの発見時の話はとても興味深いものです。
BARNYARDとは?
上記日本語の説明を読むと何となくそれだけで理解した気持ちになってしまうかもしれませんが、少しだけ、さらに掘り下げてみたいと思います。(笑)
実は、BARNYARDとは何かについて、過去に調べて、Red Wing Lifeに記事を投稿しております。
![]() |
冬のファームヤード, George Henry Durrie, 1858年, Photo: Wikipedia |
barnyardを、英英辞典で意味を引くと、"the area of open ground around a barn"です。納屋の周りにあるオープングラウンドのエリアを意味します。奇遇なことに、barnyardについて調べて記事を投稿していたので、リーバイスのBARNYARD c. 1890 501XXの日本語の説明で廃屋となっていましたが、BARNYARDの名前が付けられている理由を、ある程度明確にイメージすることができました。
庭は建物と柵に囲まれていることが多く雨、馬、ロバ、乳牛、他ワーキングアニマルと犬猫などのペットが主に過ごす場所とのことです。
それにしても、barnyardの納屋の中に本当に物凄い長い期間、数十年、下手をすると50年以上ドアの釘に掛けられていた状態のままだったことを想像するだけで、楽しめます。
Barnyardとは?の記事を投稿した時は、ジーンズ・501との関わりなど全く考えもせず、我ながらマニアックな記事だな〜などと思っていましたが、思わぬところで役に立ちました。(笑)
参考ブログ記事:
Barnyardとは / Red Wing Life
関連ブログ記事:(お勧めです。)
リーバイス 501の歴史
リーバイス Nevada ジーンズ発見から、入手まで
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