80年代の501は、様々な仕様変更が行われたことについて、記事で紹介しました。
例として、推定80年第中頃のほぼ同年代のデッドストック501 2本のディテールなどを比較してみます。
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フラッシャーのコピーライト年は、共に1984年です。次のフラッシャーの更新年は、1987年です。
オリジナルのフラッシャーが付いていると仮定した場合、1984年のフラッシャー付の製品の製造年は、1984年から1987年の間と推定することができます。
また、70年代以降の米国製501は、内側の取り扱い説明タグに製造年月が記載されているため、読み取れれば、製造年月が分かります。
COPYRIGHT84年のフラッシャーがギャランティーチケットは、130年と135年の両方の存在が確認されています。
パッチは両方ともティアオフタブ無しの形状です。
ロット番号501の上に、"CARE INSTRUCTION INSIDE GARMENT"の表記があります。
この表記は、70年代初めごろに登場した通称66Eから、80年代中少し過ぎまでの年代の501のパッチ表記の特徴です。
CARE表記の字体、大きさが若干異なります。古い年代のものは、小さい字体です。下の写真では、レングス36インチの方が古い年代の字体(に近い)です。
こちらのパッチのCARE表記は、少し大きめで太めの文字になっています。
ジーンズの内側、左ヒップ脇近辺に付けられている取り扱い説明タグの形体、表記形式も、80年代の501では、様々な種類があります。
記載されている表記から、レングス36インチは1985年1月製、レングス34インチは1986年2月製と推定(判定)しています。
推定1985年製取り扱い説明タグ
推定1986年製取り扱い説明タグ
表側の取り扱い説明の内容は同じですが、表記形式、字体、タグの大きさが異なります。
裏側の表記形式は、かなり異なります。
赤線でハイライトした524や653は、工場・ライン番号の識別コードです。これらの番号は、ボタンに刻印される番号と一致します。
また注目すべき点は、ロット番号表記が、1985年製のレングス36インチは、単に501と表記されているのに対して、1986年製レングス34インチは、501-0000と4桁の数字が加わっていることです。
おそらく、1986年頃からタグのデザインと表記形式が変更となり、ロット番号の後に生デニムのシュリンクトゥフィットは、0000が付くようになったと推定しています。
2016年製の501STFリジッドも同じように、501-0000表記形式・番号となっています。
501-0000の表記は、1986年頃に登場し、20年後の現在も引き継がれていると言えるかと思います。
80年頃から501のボタン裏刻印は、それまでの一桁から3桁に変更になりました。
501の場合、5で始まる3桁表記が多いのですが、6で始まるものもあります。今回比較で紹介しているレングス34インチのボタン裏刻印は、653です。
555はバレンシア工場、524はエルパソ工場を示すということが、現時点では判明していますが、まだ、どこの工場か明確にわかっていない番号も多いです。
653も工場がどこか不明な番号です。
しかし、653刻印の製品も、パッチ表記やウエストバンドに取り付けた紙タグに明確に米国製であることを意味する"Made in USA"表記が記載されています。
新品時ウエストバンドに付いている紙のタグの内側にも、Made in USAの表記があります。
1980年頃から、赤耳に加えて、脇割りの製品が登場します。最終66後期でも、赤耳でなく脇割り仕様の製品の存在が確認されています。
また、脇割りの糸の色は、オレンジの場合と白の場合の両方の存在が確認されています。
白とオレンジは、年代で分かれておらず、混在しているため、どちらが古い年代であるとは言い切れません。
今回紹介した品の場合、85年製は白糸の脇割りです。裾裏は、シングルステッチです。
86年製は、オレンジ色(金糸と呼ぶ人もいます)の糸の脇割りです。ステッチの留め方も異なります。
裾裏はチェーンステッチです。
80年代初めごろからシングルステッチも登場し、かなり長い期間混在します。80年代の後半に、シングルステッチが標準仕様となり、チェーンステッチは姿を消します。
今回の比較で紹介したように、年代としては、裾裏のステッチは、チェーンステッチが古いのですが、80年代の製品の場合、裾裏チェーンだからシングルより年代が古いとは限らないことを示しています。
80年代は、本当に様々な細かい仕様が変更されました。今回紹介したのは、一例です。
関連ブログ記事:
[##check## 多くの細かい501仕様変更が行われた1960年代と1980年代]
例として、推定80年第中頃のほぼ同年代のデッドストック501 2本のディテールなどを比較してみます。
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80年代501STF |
フラッシャー
フラッシャーのコピーライト年は、共に1984年です。次のフラッシャーの更新年は、1987年です。
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80年代501STFに付いているフラッシャーの©年は1984年 |
オリジナルのフラッシャーが付いていると仮定した場合、1984年のフラッシャー付の製品の製造年は、1984年から1987年の間と推定することができます。
また、70年代以降の米国製501は、内側の取り扱い説明タグに製造年月が記載されているため、読み取れれば、製造年月が分かります。
COPYRIGHT84年のフラッシャーがギャランティーチケットは、130年と135年の両方の存在が確認されています。
パッチ
パッチは両方ともティアオフタブ無しの形状です。
ロット番号501の上に、"CARE INSTRUCTION INSIDE GARMENT"の表記があります。
この表記は、70年代初めごろに登場した通称66Eから、80年代中少し過ぎまでの年代の501のパッチ表記の特徴です。
CARE表記の字体、大きさが若干異なります。古い年代のものは、小さい字体です。下の写真では、レングス36インチの方が古い年代の字体(に近い)です。
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80年代中頃501STF パッチ W28-L36 |
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80年代中頃501STF パッチ W28-L34 |
内側の取り扱い説明タグ
ジーンズの内側、左ヒップ脇近辺に付けられている取り扱い説明タグの形体、表記形式も、80年代の501では、様々な種類があります。
記載されている表記から、レングス36インチは1985年1月製、レングス34インチは1986年2月製と推定(判定)しています。
推定1985年製取り扱い説明タグ
表側の取り扱い説明の内容は同じですが、表記形式、字体、タグの大きさが異なります。
裏側の表記形式は、かなり異なります。
赤線でハイライトした524や653は、工場・ライン番号の識別コードです。これらの番号は、ボタンに刻印される番号と一致します。
また注目すべき点は、ロット番号表記が、1985年製のレングス36インチは、単に501と表記されているのに対して、1986年製レングス34インチは、501-0000と4桁の数字が加わっていることです。
おそらく、1986年頃からタグのデザインと表記形式が変更となり、ロット番号の後に生デニムのシュリンクトゥフィットは、0000が付くようになったと推定しています。
2016年製の501STFリジッドも同じように、501-0000表記形式・番号となっています。
501-0000の表記は、1986年頃に登場し、20年後の現在も引き継がれていると言えるかと思います。
ボタン裏刻印
80年頃から501のボタン裏刻印は、それまでの一桁から3桁に変更になりました。
501の場合、5で始まる3桁表記が多いのですが、6で始まるものもあります。今回比較で紹介しているレングス34インチのボタン裏刻印は、653です。
555はバレンシア工場、524はエルパソ工場を示すということが、現時点では判明していますが、まだ、どこの工場か明確にわかっていない番号も多いです。
653も工場がどこか不明な番号です。
しかし、653刻印の製品も、パッチ表記やウエストバンドに取り付けた紙タグに明確に米国製であることを意味する"Made in USA"表記が記載されています。
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パッチ表記にMade in USAの記載 |
脇割りの糸の色
1980年頃から、赤耳に加えて、脇割りの製品が登場します。最終66後期でも、赤耳でなく脇割り仕様の製品の存在が確認されています。
また、脇割りの糸の色は、オレンジの場合と白の場合の両方の存在が確認されています。
白とオレンジは、年代で分かれておらず、混在しているため、どちらが古い年代であるとは言い切れません。
今回紹介した品の場合、85年製は白糸の脇割りです。裾裏は、シングルステッチです。
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85年製501STF 白糸の脇割り |
86年製は、オレンジ色(金糸と呼ぶ人もいます)の糸の脇割りです。ステッチの留め方も異なります。
裾裏はチェーンステッチです。
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86年製501STF 脇割りはオレンジ糸 |
今回の比較で紹介したように、年代としては、裾裏のステッチは、チェーンステッチが古いのですが、80年代の製品の場合、裾裏チェーンだからシングルより年代が古いとは限らないことを示しています。
80年代は、本当に様々な細かい仕様が変更されました。今回紹介したのは、一例です。
関連ブログ記事:
[##check## 多くの細かい501仕様変更が行われた1960年代と1980年代]
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