507XXは506XXの後継モデルとして1953年に登場しました。507XXは、短めの着丈、フロントプリーツを備えるなど伝統的な特徴を継承しながら、506XXの1ポケットから両胸2ポケットに変更となったところが外観上の大きな特徴です。
507XXは通称セカンドとも呼ばれています。”セカンド”の方がなじみがある方も多いかと思います。507XXには大きく分けて革パッチと紙パッチのモデルに分かれます。
上段左が紙パッチ、右がディテールから革パッチと推定されるもの、下段右も推定革パッチ、中央と左は推定紙パッチです。
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並べると下段左が色落ちが進行している様に見えますが、それなりに色は残っています。上の507xxに501を加えて、カメラのフラッシュを使用せずに撮影した写真です。
フラッシュを使用せずに撮ると色落ちしているものは実際に見るのよりも薄く見える傾向がありますが、生地の風合いや色落ち具合を見るのには適していると思います。
上の写真は、全体的に明るく(薄く)見え気味に写っています
上の507xxと一緒に写っている501は、1960年代から1970年代の製品です。以下の記事で、ヴィンテージ501の色味や色落ちの特徴について紹介しています。557(サード)と一緒に写っている写真もあります。
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[ヴィンテージ・デニムの色味と色落ち ##link##]
リーバイスは1950年代後半に自社のデニム製品のパッチの素材を革から紙に変更しました。パッチの素材が変更されたとほぼ同時期に頃にステッチなどの細かい仕様も変更となりました。そのため、パッチが残存していなくても、革パッチか紙パッチの判別ができる場合があります。
本ジャケットはパッチは付いておりませんが、革パッチ固有のディテールを備えていること等から、革パッチと判定しています。
革パッチモデルの特徴は、前立ての部分のステッチが第2ボタン付近の生地の切り替え部(フロントヨーク)でターンしています。
分かりにくいかもしれませんが、黄色のステッチの部分が切り返しのステッチです。ライトブルーの矢印を加えています。
上の写真の前立ての右側(向かって左)の該当箇所を拡大した写真を下に添付します。イエローのステッチが下へ下りずにフロントヨークに沿って右にターンしているのが分かるかと思います。
上の部分を裏側から撮影した写真です。表はイエローですが、裏はオレンジ色のステッチです。こちらの写真の方がターンしていることが分かりやすいかと思います。
フロントポケット左右上端部の取り付け強化は、506xxではリベットが使用されていましたが、507xxではバータックに変更になりました。
革パッチのモデルはバータックの糸の色が黒色、または暗色系のものが多いです。バータックが黒であれば、革パッチの可能性が高いです。(バータックが黒でない、革パッチも存在します。)
革パッチの507xxは、ウエストバンド(裾部)の内側は上がチェーンステッチ、下がシングルステッチです。
パッチの素材が革から紙に移行する時期に、ウエストバンドの下側がチェーンステッチに変更になりました。移行期の革パッチでは裾下がチェーンステッチのものも存在します。
507xxは、カフス部の取り付け部とウエストバンド部にステッチの切り返しがあります。折り返し(切り返し)ステッチは507XXの特徴です。
カフス部とウエストバンド部の折り返しステッチは、後継モデルの最初期モデルである557XX ギャラ入りも備えています。
剣ボロ(Sleeve placket)、袖先の切り込みの付け根にはリベットが付けられています。この部分にリベットを使用するのは506XXと507XXの特徴です。
革パッチの最終期を除いて、革パッチの507xxや501xxのリベットは、磁石が付きません。(素材は銅で、鉄の成分は含まれていないためと思われます。)
革パッチから紙パッチに移行する少し前に、リベットの素材の一部に鉄が使用されるなったと推測しています。
リベットに磁石がくっつかない場合は、革パッチの可能性が高いです。
革パッチ 507xxのディテールで紹介した写真と比較すると違いがお分かりいただけると思います。
前立て部の裏側から撮影した写真です。ステッチが耳のそばを上から下に入れられています。
紙パッチ507xxでは、ポケット取り付け強化のバータックの糸の色は、紙パッチはオレンジか黄色の糸になります。
革から紙パッチへの移行期と以降の紙パッチ507xxでは、ウエストバンド部(裾下)は上下ともチェーンステッチです。
カフス部とウエストバンド部の拡大写真です。折り返しステッチが入れられています。
507xxのディテールの特徴として紹介した折り返しステッチは、501xxフロントウエストバンド部でも同様のステッチ処理が行われています。
フロント・ウエストバンドの折り返しステッチは、501xxとビッグE最初期モデルに備えられているのが特徴です。
紙パッチの507xxのリベットは磁石を近くに寄せるとくっつきます。 (最終期の革パッチ、移行期のモデルのリベットも磁石に付きます。)
ジャケットにリベットが使われているのは、507xx(セカンド)までになります。フロントプリーツも507xxまでです。セカンドは古い年代のリーバイス・ヴィンテージジャケットの最終型とも言えるかと思います。
ディテールを比べたり、その特徴について観察したり、調べたりしてみるのもヴィンテージの楽しみ方の一つです。
関連記事:
[ヴィンテージ リーバイス ジージャンの種類と特徴 ##link##]
507XXは通称セカンドとも呼ばれています。”セカンド”の方がなじみがある方も多いかと思います。507XXには大きく分けて革パッチと紙パッチのモデルに分かれます。

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並べると下段左が色落ちが進行している様に見えますが、それなりに色は残っています。上の507xxに501を加えて、カメラのフラッシュを使用せずに撮影した写真です。

フラッシュを使用せずに撮ると色落ちしているものは実際に見るのよりも薄く見える傾向がありますが、生地の風合いや色落ち具合を見るのには適していると思います。
上の写真は、全体的に明るく(薄く)見え気味に写っています
上の507xxと一緒に写っている501は、1960年代から1970年代の製品です。以下の記事で、ヴィンテージ501の色味や色落ちの特徴について紹介しています。557(サード)と一緒に写っている写真もあります。
関連記事:
[ヴィンテージ・デニムの色味と色落ち ##link##]
リーバイスは1950年代後半に自社のデニム製品のパッチの素材を革から紙に変更しました。パッチの素材が変更されたとほぼ同時期に頃にステッチなどの細かい仕様も変更となりました。そのため、パッチが残存していなくても、革パッチか紙パッチの判別ができる場合があります。
革パッチ 507xxのディテール
本ジャケットはパッチは付いておりませんが、革パッチ固有のディテールを備えていること等から、革パッチと判定しています。

前立て部のフロントヨークでの折り返しステッチ
革パッチモデルの特徴は、前立ての部分のステッチが第2ボタン付近の生地の切り替え部(フロントヨーク)でターンしています。
分かりにくいかもしれませんが、黄色のステッチの部分が切り返しのステッチです。ライトブルーの矢印を加えています。



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- ##hand-o-right## 備考
- 本記事の後半に上で紹介した箇所に該当する紙パッチの写真を添付しております。比較してみると、違いが良く分かるかと思います。
フロントポケット取付け強化のバータックが黒
フロントポケット左右上端部の取り付け強化は、506xxではリベットが使用されていましたが、507xxではバータックに変更になりました。
革パッチのモデルはバータックの糸の色が黒色、または暗色系のものが多いです。バータックが黒であれば、革パッチの可能性が高いです。(バータックが黒でない、革パッチも存在します。)

ウエストバンド裏側の下はシングルステッチ
革パッチの507xxは、ウエストバンド(裾部)の内側は上がチェーンステッチ、下がシングルステッチです。

パッチの素材が革から紙に移行する時期に、ウエストバンドの下側がチェーンステッチに変更になりました。移行期の革パッチでは裾下がチェーンステッチのものも存在します。
カフス部とウエストバンド部の折り返しステッチ
507xxは、カフス部の取り付け部とウエストバンド部にステッチの切り返しがあります。折り返し(切り返し)ステッチは507XXの特徴です。

袖部の取付け強化リベットの素材
剣ボロ(Sleeve placket)、袖先の切り込みの付け根にはリベットが付けられています。この部分にリベットを使用するのは506XXと507XXの特徴です。

革パッチの最終期を除いて、革パッチの507xxや501xxのリベットは、磁石が付きません。(素材は銅で、鉄の成分は含まれていないためと思われます。)
革パッチから紙パッチに移行する少し前に、リベットの素材の一部に鉄が使用されるなったと推測しています。
リベットに磁石がくっつかない場合は、革パッチの可能性が高いです。
紙パッチ 507xxのディテール
紙パッチの507XXは1950年代後半頃から後継モデルの557XXにモデルチェンジするまでの1962年頃まで生産されたと認識されています。

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- ##hand-o-right## 備考
- リーバイスの主要デニム製品のパッチには、伝統的に"EVERY GARMENT GUARANTEED"が記載されていました。紙パッチで当該表記があるものをギャラ入り、無いものをギャラ無しと読んで区別したりすることがあります。507XXの紙パッチは原則ギャラ入りです。(例外については機会があればご紹介します。)
前立て部のフロントヨークでの折り返しステッチ
紙パッチの507xxの前立てのステッチはヨーク部を超えて上から下へ突き抜けて入れられています。

前立て部の裏側から撮影した写真です。ステッチが耳のそばを上から下に入れられています。

フロントポケット取付け強化のバータック
紙パッチ507xxでは、ポケット取り付け強化のバータックの糸の色は、紙パッチはオレンジか黄色の糸になります。

ウエストバンド裏側の下はチェーンステッチ
革から紙パッチへの移行期と以降の紙パッチ507xxでは、ウエストバンド部(裾下)は上下ともチェーンステッチです。

カフス部とウエストバンド部の折り返しステッチ
カフス部とウエストバンド部の拡大写真です。折り返しステッチが入れられています。

折り返しステッチは501xxと共通のディテール
507xxのディテールの特徴として紹介した折り返しステッチは、501xxフロントウエストバンド部でも同様のステッチ処理が行われています。

袖部の取付け強化リベットの素材
紙パッチの507xxのリベットは磁石を近くに寄せるとくっつきます。 (最終期の革パッチ、移行期のモデルのリベットも磁石に付きます。)

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- ##hand-o-right## 備考
- 革パッチの501XX フロントポケットのリベットはベルトループ・センターセットは付かず、オフセットは付きます。(隠しリベットは磁石がくっつきます。)推定センターセット最終期の通常幅のベルトループのリベットも磁石にくっつきます。50年代の半ば頃にリベットの素材が変更になったのではないかと推測しています。
ジャケットにリベットが使われているのは、507xx(セカンド)までになります。フロントプリーツも507xxまでです。セカンドは古い年代のリーバイス・ヴィンテージジャケットの最終型とも言えるかと思います。
ディテールを比べたり、その特徴について観察したり、調べたりしてみるのもヴィンテージの楽しみ方の一つです。
関連記事:
[ヴィンテージ リーバイス ジージャンの種類と特徴 ##link##]
507xxの例外でギャラ無しがあるとの事ですが、詳しく教えて頂けないでしょうか?
返信削除コメントありがとうございます。ギャラ無しの507については、詳しくは、将来的にブログ記事で説明する予定でいます。しかし、予定が延び延びになってしまっています。ヴィンテージのジージャンについてのまとめサイトなり、ブログページを作って、そこで説明することを現在考えています。予定としては、数ヶ月以内、早ければ1ヶ月以内でする予定です。
返信削除もしも、お急ぎの場合は、ロングホーンインポートのブログからコンタクトフォーム、または、メールでご連絡いただけますでしょうか?
よろしくお願いいたします。