防縮加工を含む加工が一切施されていない生デニムは、ユーザーが入手後、初期の洗濯によって大幅に縮みます。縮む前の生デニムの数値と予め縮めてある防縮加工デニムとは、オンス数で単純に比較することはできません。
デニムのオンス数はある程度の目安・参考になりますが、絶対的なものではありません。
例として、生デニムが縮んだ後のオンス数を計算してみます。これらの数値は、あくまでも計算上のものです。しかし、ある程度の目安にはなります。
生デニムは、10%程度縮むと言うのが一般的な目安です。縦横共に10%縮んだと仮定すると、以下の様な計算となります。
0.9 x 0.9 = 0.81
面積は19%減になります。この縮み例を、具体的なオンス数に適用してみます。
面積が81%に縮小しているので、それを100%(一平方ヤード)に戻して、オンス数を計算します。
10 / 0.81 = 約12.35オンス
計算上は、12.35オンスになります。
12 / 0.81 = 約14.81オンス
下は、推定1970年代リーバイスの正規販売店に配布された501フィッティングガイドです。
ウエストが27から34は2インチ、34以上は3インチ足してください。インシームは、28から31の場合、2インチ足してください。インシームが32以上の場合、3インチ足してください。
かなりざっくりした目安ですが、計算例として使用してみます。
表記30W-34Lの場合、ウエストが2インチ縮んで28インチ、レングスは3インチ縮んで31インチになったと仮定し、計算してみます。
ウエストの縮みを横方向の縮みと単純に仮定すると、縮んだ後の比率は、縮む前を100%として約93.3%、縮み率は6.7%になります。同様にレングスの縮みを縦方向の縮みと仮定すると、縮み後は約91.2%、縮み率は8.82%です。
横に6.7%、縦は8.8%縮んだことになります。
面積としては、縮み後85.1%、縮み率は14.9%です。
元の生デニムが12オンスとすると、上記縮みの数値を元にして計算した場合、縮み後のオンス数は、14.1オンスになります。
下は、手元にあるヴィンテージ501、通称ダブルネームのパッチです。(ロングホーンインポートの在庫です。)
表記サイズは、ウエスト30インチ、レングス29インチです。実寸値は、同28インチ、26.5インチです。
縮み前に対して、横方向、縮み後は93.3%、縮み率は6.7%です。縦方向は、縮み後91.4%、縮み率8.6%になります。
面積は縮み後85.2%、縮み率14.8%となります。
一つ前のフィッティングガイドの数値を使用した計算事例と、かなり近い数値です。
ダブルネームの新品、未洗い時が12オンス(生デニム)と仮定し、上記縮率から計算すると、縮み後のオンス数は14.1オンスになります。
実際は、ウエストが7%縮んだからと言って、ヒップ、わたり幅、裾幅も均等に7%縮むわけではないです。縦と横もそれぞれ均等に縮むのではないため、本記事で紹介した計算はあくまでも例でしかありません。しかし、ある程度の目安・参考値にはなります。
上記501XX-501ダブルネームと同じ面積での縮み率(14.8%)を使って、元が10オンス生デニムの場合を計算すると、縮み後11.7オンスになります。
1950年前後の片面タブ リーバイス501は、生デニムで10オンス。防縮加工のLee 101-Zは、11.5オンス、同ラングラー11MWZは11オンスであることを紹介しました。
関連記事:
[ヴィンテージ デニムのオンス数とカタログ表記についての考察 ##link##]
1950年前後のカタログに表記されているLee 101-Z 11.5オンス、ラングラー11MWZの11オンスと比べ、リーバイス 片面タブ 501xxの縮み後のオンス計算値は約12オンスとなり、若干大きめになります。
1950年代の3メーカーのデニム品を、手にとって見ても、リーバイスが一番生地が厚く感じます。
- [message]
- ##hand-o-right## 備考
- 防縮加工が施された未洗いデニムを生デニムと呼ぶ場合もありますが、正確には防縮加工を含め、一切の加工が施されていないデニムが生デニムです。防縮加工未洗いを生デニムに含めた場合、リーバイス505も生デニムということになってしまいます。
デニムのオンス数はある程度の目安・参考になりますが、絶対的なものではありません。
例として、生デニムが縮んだ後のオンス数を計算してみます。これらの数値は、あくまでも計算上のものです。しかし、ある程度の目安にはなります。
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- ##hand-o-right## 備考
- 実際の縮みは、生地の個体差、使用環境、洗濯環境・方法などによっても異なります。そのため、幾つか縮みの度合いを仮定した上で、計算を行ってみます。
計算例1: 単純に縦横均等に縮んだ場合
生デニムは、10%程度縮むと言うのが一般的な目安です。縦横共に10%縮んだと仮定すると、以下の様な計算となります。
0.9 x 0.9 = 0.81
面積は19%減になります。この縮み例を、具体的なオンス数に適用してみます。
縮み前10オンスデニムは、縮み後、何オンスになる?
面積が81%に縮小しているので、それを100%(一平方ヤード)に戻して、オンス数を計算します。
10 / 0.81 = 約12.35オンス
計算上は、12.35オンスになります。
縮み前の生デニムが12オンスの場合:
12 / 0.81 = 約14.81オンス
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- ##hand-o-right## 備考
- 実際には縦の方が縮む傾向があります。
推定70年代 リーバイスディーラー向けフィッテングガイド
下は、推定1970年代リーバイスの正規販売店に配布された501フィッティングガイドです。
ウエストが27から34は2インチ、34以上は3インチ足してください。インシームは、28から31の場合、2インチ足してください。インシームが32以上の場合、3インチ足してください。
かなりざっくりした目安ですが、計算例として使用してみます。
フィッテングガイドの数値を使用した計算例
表記30W-34Lの場合、ウエストが2インチ縮んで28インチ、レングスは3インチ縮んで31インチになったと仮定し、計算してみます。
ウエストの縮みを横方向の縮みと単純に仮定すると、縮んだ後の比率は、縮む前を100%として約93.3%、縮み率は6.7%になります。同様にレングスの縮みを縦方向の縮みと仮定すると、縮み後は約91.2%、縮み率は8.82%です。
横に6.7%、縦は8.8%縮んだことになります。
面積としては、縮み後85.1%、縮み率は14.9%です。
元の生デニムが12オンスとすると、上記縮みの数値を元にして計算した場合、縮み後のオンス数は、14.1オンスになります。
ヴィンテージ 501 ダブルネームの表記と実寸値から縮率を計算した例
下は、手元にあるヴィンテージ501、通称ダブルネームのパッチです。(ロングホーンインポートの在庫です。)
表記サイズは、ウエスト30インチ、レングス29インチです。実寸値は、同28インチ、26.5インチです。
縮み前に対して、横方向、縮み後は93.3%、縮み率は6.7%です。縦方向は、縮み後91.4%、縮み率8.6%になります。
面積は縮み後85.2%、縮み率14.8%となります。
一つ前のフィッティングガイドの数値を使用した計算事例と、かなり近い数値です。
- [message]
- ##hand-o-right## 備考
- フィッティングガイドは推定1970年代、ダブルネームは1960年代後半(推定1967年頃)の製品です。
ダブルネームの新品、未洗い時が12オンス(生デニム)と仮定し、上記縮率から計算すると、縮み後のオンス数は14.1オンスになります。
実際は、ウエストが7%縮んだからと言って、ヒップ、わたり幅、裾幅も均等に7%縮むわけではないです。縦と横もそれぞれ均等に縮むのではないため、本記事で紹介した計算はあくまでも例でしかありません。しかし、ある程度の目安・参考値にはなります。
上記501XX-501ダブルネームと同じ面積での縮み率(14.8%)を使って、元が10オンス生デニムの場合を計算すると、縮み後11.7オンスになります。
1950年前後の片面タブ リーバイス501は、生デニムで10オンス。防縮加工のLee 101-Zは、11.5オンス、同ラングラー11MWZは11オンスであることを紹介しました。
関連記事:
[ヴィンテージ デニムのオンス数とカタログ表記についての考察 ##link##]
1950年前後のカタログに表記されているLee 101-Z 11.5オンス、ラングラー11MWZの11オンスと比べ、リーバイス 片面タブ 501xxの縮み後のオンス計算値は約12オンスとなり、若干大きめになります。
1950年代の3メーカーのデニム品を、手にとって見ても、リーバイスが一番生地が厚く感じます。
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- ##hand-o-right## 備考
- オンス数は目安の一つです。生地の厚み、着用感は、単純にオンス数で評価ことはできません。また、カタログスペックの基準などについても年代によって異なる可能性があります。
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