サンフランシスコ49ersの拠点名がリーバイススタジアムになった舞台裏話

リーバイスCEO, Chip Bergh氏が、2014年9月に完成したサンフランシスコ49ersの新拠点の名前がリーバイス・スタジアムとなった経緯・舞台裏話をリーバイス本社のブログに投稿しています。

Photo: by Jim Bahn - Flickr Levi's stadium opening

記事の内容を訳して紹介します。この記事は2016年2月7日にリーバイススタジアムで開催されたSuper Bowl 50の二日前に投稿されたものです。
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スーパーボールのCMはたった30秒。リーバイスは20年のスポットをどの様にして手に入れたかについて

原文：
SUPER BOWL ADS LAST JUST 30 SECONDS. HERE’S HOW LEVI’S SCORED A 20-YEAR SPOT

Posted by: Chip Bergh, President & CEO at Levi Strauss & Co.

200万人近い人が、間も無くサンフランシスコに来て、世界で最も大きなイベントの一つに参加します。日曜日に応援するファンのウェーブが、リーバイススタジアムにパレードしながらやって来ることを考えた時、私は静かな一時のことを思い出します。

その一時は200万人の人ではなく、二人の間の出来事でした。それはリーバイスのブランドにとって永遠に残る変化となりました。

3年前、サンフランシスコ・フォーティーナイナーズ・スタジアムの名称の権利の入札が募集となっていました。その時点では、私はサンフランシスコ・フォーティーナイナーズの新しい拠点（ホーム）が、「リーバイス・スタジアム」なることなど考えにも及びませんでした。

長期間に渡るNFLスタジアムの名称権利案件は、アパレル事業を営む企業で中規模の企業であるLS&Co.は言うに及ばず、どの企業にとっても大きな投資です。

私の事務所からEmbarcaderoに向かう途中にあるAT&T パーク、ジレットスタジアム、湾の向かいのオークランドにあるオラクルアリーナの様にテクノロジー、ファイナンス、コンスーマーのパッケージ商品のビッグブランドが、彼らの名前をスタジアムやアリーナに付けるのが通例です。

しかし、サンフランシスコのSpruce（ワインと食事が楽しめる超有名なおしゃれな店）でのディナーで、49sersのオーナー、Jed York氏と私は話を始めました。

Image: SFGATE (Spruce, San Francisco)

我々は二つのブランドが共有している事柄について話をしました。我々はともにサンフランシスコが発祥の地です。

LS&Co.は、1873年に金鉱採掘者たち向けに最初のジーンズのペアを作りました。

サンフランシスコ・フォーティーナイナーズは、1946年に同じ採掘者たちから49ersの名前を付け、ホームシティ、サンフランシスコの名をつけた最初のビッグリーグプロスポーツチームです。

49ers Logo

我々は共に誕生時から、ゴールデンゲートブリッジ、あるいはケーブルカーと同様にサンフランシスコを象徴するアイデンティティを持ち続けています。

我々は世界中で認識されるブランドとなりましたが、原点はサンフランシスコです。話をすればするほど、知名度を上げる事業機会以上の物であることだと確信を深めました。我々以上にスタジアムに合致する他のブランドは思いつくことができません。

私がプロクター＆ギャンブルでジレットの事業を運営していた時、ニューイングランドパトリオッツのホームであるジレットスタジアムの名称の持つ力を知りました。

リーバイスと言うブランドにとって、消費者と結びつくために、代わりがない程の機会を得る最も大きな出来事の一つであり。そして、継続性のある素晴らしい事業投資となることです。

リーバイスは、サンフランシスコ・ジャイアンツの拠点、AT&T Parkの右側のフィールドにある"Levi's Landing"など、これまでにもスポーツとの結びついた経験があります。Levi's Landingは、マーケティング的に成功したと考えています。

AT&T Park Levi's Landing, LS&Co.

そのため、（プロスポーツの拠点への投資に対して）私は良い経験も持っていました。リーバイスが新しいスタジアムの名前の権利を得る可能性を考えた時、これ以上はないほど明確なイメージを持つことができました。

49ersのサワドゥ・サムがリーバイスを穿いてフィールドを走り回り、68500人のファンがお気に入りのリーバイスのジーンズを穿いて応援する。その後ろには、リーバイス・スタジアムのスコアボードが輝いている。

文化の中核にいる時、リーバイスはベストとなります。そして、文化の中核はスポーツ、音楽、そしてエンターテイメントです。これ以上の完全な組み合せはありません。

スタジアムは我々の過去とも、とても良くフィットしています。LS&Co.は、ゴールドラッシュの時代からサンフランシスコで発生した大きな出来事との関わりが深いです。

何か大きな出来事が発生した時、人々はサンフランシスを訪れます。サンフランシスコは、世界的な行事を三回開催しています。

1894年のミッドウィンターフェア、1915年のパナマパシフィック・インターナショナル・エキスポジション、1939-1940年のゴールデンゲートインターナショナル・エキスポジション（我々は、スポンサーとして、エレクトリックロデオを展示しました。）。

1939年ゴールデンゲートインターナショナルエキスポのリーバイス・パンフレット

我々のジーンズは、これらのフェア（催事）会場建設のワーカー達、1967年のSummer of Love、スポーツファンにとっては4度のワールドスポーツシリーズ、そして今週は2度目のスーパーボールのユニフォームとなりました。

しかし、（それらのことに加えて、）私はこのスタジアムが我々の将来にもとてもフィットしていることに興奮しています。誇りを持つ伝統と同様にイノベーション（技術革新）も、我々のDNAに入っています。CEOとしてリーバイスに来た時、イノベーションに投資することを最優先課題としました。

リーバイス・スタジアムは、最も技術的に進んでいると共に水の再利用・節約機能を備えて建設されたスタジアムです。フィールドの放水、トイレの洗浄など必要とされる水の85％、飲み水以外のほとんど全ては、リサイクル水を使用しています。

トイレの洗浄に使用する水は、通常よりも4割少ないです。徹底した水の節約を行っているスタジアムです。これらのことは、我々の衣類の製造過程で使用する水を節約する我々の環境保護への誓い・取り組みと一環したものです。

スタジアムは、テクノロージを駆使して建てられています。他のスタジアムより高いバンドウィズ（帯域幅・転送速度）、パーキングスポットを見つけるアプリ、最新のゲームの統計データの集計、席から食事の注文できる、さらには最も短いトイレの列を見つけるアプリも用意されています。

我々は最新技術のビッグビリーバーでもあります。革新的なストレッチテクノロジーを、新しい女性用ジーンズのラインに使用しています。

我々は最も技術的に優れた一つのサプライチェーンを作っています。そして、最新技術を駆使して過去に例がない消費者の体験を提供します。

ディナーが終わる前に、リーバイスの名前をスタジアムに付ける権利を手に入れることは、会社にとって正しい決断だと確信していました。

我々の持つ強みを発揮でき、歴史の中で象徴的な出来事が起こっている（反抗的なハリウッド映画、ウッドストックからベルリンの壁崩壊、シリコンバレーの立ち上がり）最中の頂点にいるように、かつてあったリーバイスブランドを文化の中心に再び持ってくるユニークな機会であることを示しています。

そして、我々の投資は実りあるものになっています。20年間で2億2000万ドル（1ドル106円の換算で、233億2000万円）なので投資効果があるものでなければならない？

30秒のスーパーボールの広告は、大まかなところで500万ドル（5億3000万円）になります。我々は2015年のフットボールシーズンの全てを得られます。さらに、テイラースイフト、ワンディレクション、ケニーチェスニー、WWE レッスルマニア、FIFA Friendlies、そして、スーパーボール50、2度のスーパーボールのスポット、それらの全てのコストです。

しかし、さらに重要なことは、スタジアムとNFLが、スポーツへの情熱を通じてリーバイスのブランドとファンを再び繋ぐ手助けをしてくれることです。

CEOにとって、相性は大きな決断をする時の重要なボトムラインです。この機会は我々のボトムラインに良くフィットします。しかし、それは過去と未来（両方に）良くフィットしているからに他なりません。

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