505Cの製品ページには、以下のような説明があります。
505は、私の認識では501と比べると少し細めで、少し強めにテーパードが入ったストレートです。と言っても、極端に細いわけではありません。
しかし、感じ方・捉え方はひとそれぞれなので、本記事では60年代の505の各部を実際に測定して、各部のサイズやシルエットの特徴の考察を行いました。
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手元にある1967年頃の製品、通称551ZXX-505ダブルネームと同505 タイプ物の各部のサイズを測定しました。
各部の実寸サイズなどから、シルエットなどの特徴について紹介します。
シルエット考察を行う上では、表記サイズが同じ物が理想です。少なくともウエストサイズは同じでないと、比較してもあまり具体的なことは分かりません。
今回測定した2品は、表記レングスは異なりますが、共にウエストサイズ表記は、28インチです。
551ZXX-505 ダブルネームは、未使用・未洗いのデッドストックです。本品は防縮加工が施されていますが、洗濯すると若干縮みます。縮みの目安は数%程度です。
ウエストは、ダブルネームが70cm、タイプ物が68cmでした。ダブルネームは未使用、タイプ物は洗濯後未着用の状態であることを考慮すると、ほぼ同レベルの実寸ウエストサイズです。
ヒップは両者とも88cmで同じです。ダブルネームの方が洗うと少し小さくなると思いますが、同レベルのサイズと言えます。前股上も同レベルです。
渡り幅は、Wネームの方が小さく、裾幅は逆にタイプ物の方が小さいです。
今回の各部実寸値の測定方法は、
リーバイス公式オンラインストアのサイズの測り方と同じです。(以下の写真参照ください。)
ダブルネームは、551ZXXから505にロット番号表記が変更になった直後の製品です。今回各部のサイズを測定した505タイプ物は、ウエストバンド裏がチェーンステッチのため、大まかなところで69年前後の製品と推定しています。
各部のサイズは、ウエスト、ヒップ、前股上はほぼ同レベルです。
渡り幅と裾幅のサイズ値から、タイプ物はダブルネームに比べて、テーパードが強めに入っていることが分かります。
501と同様に、505もロット番号表記が変更になって、しばらく後から、シルエットに変更が加えられた可能性が考えられます。
今回の2品だけでは、サンプル数が少なすぎるので、断定はできませんが、ロット番号表記変更後、505は、渡り幅を少し大きめにし、逆にテーパードは強めにシルエットが変更された可能性を示しています。
下は、今回実寸を測定した60年代の505のサイズ測定値に、
リーバイスオンラインストアの505C Elvisのウエスト28インチの実寸を加えた表です。
ウエストは、505Cが60年代の505より若干大きいですが、ほぼ同レベルかワンサイズ上相当と考えられます。
ヒップが60年代に比べて6cmも大きくなっています。前股上は24cmで、60年代の505と比べると大幅に浅くなっています。
一般的に前股上が25cmより小さいと股上は浅めと言えます。尚、ウエストサイズが大きくなれば、股上の値も大きくなります。
渡り幅は25.5cmで、60年代の505よりかなり小さいです。渡り幅の差は、実際には倍となるため、ダブルネームと比べて7cm、タイプ物と比べて8cmも小さいです。
裾幅もレングスが長いことを考慮したとしても、15.5cmは非常に細い部類です。
60年代の505表記ウエスト28インチの渡り幅は、ダブルネームが29cm、タイプ物が29.5cmです。この値は、標準範囲の少し上です。(太め)
現行ジャパンライン505 リンス、表記ウエスト28インチの渡り幅は27cmです。
これらのことから、「60年代の505がスリムフィット、または、スリムストレート」では決してないと言えると思います。
60年代の505は、ストレートで当時としてはかなり強めのテーパードが入れられていたのがシルエットの特徴の一つだと思います。
また、現行モデルと比べると、ヒップは大幅に小さいのに対して、渡り幅はゆとりのあるデザインになっているのがもう一つの特徴です。
505Cを60年代の505と、各部サイズを比べると、505Cはヒップ周りが大きくとられていながら、太ももは細く、裾にかけて絞り込んだシルエットになっているのが特徴であることが分かります。
ヒップを大きくすることで、脚のラインが細いことが強調される効果があると思います。
このようなボトムスのトップ部にボリュームをもたせて、レッグラインの細さを強調・演出するシルエットは、現代的なスリムフィットやスキニージーンズの特徴だと思います。
今回、比較を行って、昔のジーンズと現代のジーンズは、各部のサイズ関係が随分異なることに気づきました。
とても興味深い発見だと思っています。
関連ブログ記事:
[##check## 551ZXX/505 ダブルネームと505タイプ物の比較]
リーバイス®は1962年にプレシュリンクで作った細身の551ZXXを開発。その後、1967年にはプレシュリンク加工のレッドセルビッジデニムから作られたスリムストレートフィットのロットナンバーを505™とし、そして今年、505™cへとその系譜を継承し続けているのです。505は、1967年に551ZXXからロット番号表記が505に変更となったことで市場に登場しました。そして、70年代以降、501と並ぶリーバイスの定番モデルとなりました。
505は、私の認識では501と比べると少し細めで、少し強めにテーパードが入ったストレートです。と言っても、極端に細いわけではありません。
しかし、感じ方・捉え方はひとそれぞれなので、本記事では60年代の505の各部を実際に測定して、各部のサイズやシルエットの特徴の考察を行いました。
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551ZXX-505 Wネームと505 タイプ物 各部サイズ比較
手元にある1967年頃の製品、通称551ZXX-505ダブルネームと同505 タイプ物の各部のサイズを測定しました。
各部の実寸サイズなどから、シルエットなどの特徴について紹介します。
シルエット考察を行う上では、表記サイズが同じ物が理想です。少なくともウエストサイズは同じでないと、比較してもあまり具体的なことは分かりません。
今回測定した2品は、表記レングスは異なりますが、共にウエストサイズ表記は、28インチです。
551ZXX-505 ダブルネームは、未使用・未洗いのデッドストックです。本品は防縮加工が施されていますが、洗濯すると若干縮みます。縮みの目安は数%程度です。
ウエストは、ダブルネームが70cm、タイプ物が68cmでした。ダブルネームは未使用、タイプ物は洗濯後未着用の状態であることを考慮すると、ほぼ同レベルの実寸ウエストサイズです。
ヒップは両者とも88cmで同じです。ダブルネームの方が洗うと少し小さくなると思いますが、同レベルのサイズと言えます。前股上も同レベルです。
渡り幅は、Wネームの方が小さく、裾幅は逆にタイプ物の方が小さいです。
今回の各部実寸値の測定方法は、
60年代オリジナルヴィンテージ505のシルエット考察
ダブルネームは、551ZXXから505にロット番号表記が変更になった直後の製品です。今回各部のサイズを測定した505タイプ物は、ウエストバンド裏がチェーンステッチのため、大まかなところで69年前後の製品と推定しています。
各部のサイズは、ウエスト、ヒップ、前股上はほぼ同レベルです。
渡り幅と裾幅のサイズ値から、タイプ物はダブルネームに比べて、テーパードが強めに入っていることが分かります。
- [message]
- ##exclamation-triangle## 備考・留意点
- 今回比較した2品は、レングスが異なります。ダブルネームの方がレングスが短いことによって、裾幅が大きめになっているとも考えられます。しかし、総合的に考えて今回の2品を比較した場合、タイプ物の方がテーパードが強い傾向が認められます。テーパードが少し強目と書いておりますが、それは当時の501などと比べた話です。テーパードの入り方は、現行の一般的なストレートジーンズと同レベルかそれ以下になります。
501と同様に、505もロット番号表記が変更になって、しばらく後から、シルエットに変更が加えられた可能性が考えられます。
今回の2品だけでは、サンプル数が少なすぎるので、断定はできませんが、ロット番号表記変更後、505は、渡り幅を少し大きめにし、逆にテーパードは強めにシルエットが変更された可能性を示しています。
505Cとの各部サイズ比較
下は、今回実寸を測定した60年代の505のサイズ測定値に、
ウエストは、505Cが60年代の505より若干大きいですが、ほぼ同レベルかワンサイズ上相当と考えられます。
- [message]
- ##exclamation-triangle## 備考・留意点
- 現行品と古い年代の同表記サイズで比べた場合、現行品の方が大幅に大きい場合があります。(最低でワンサイズ上相当)
ヒップが60年代に比べて6cmも大きくなっています。前股上は24cmで、60年代の505と比べると大幅に浅くなっています。
一般的に前股上が25cmより小さいと股上は浅めと言えます。尚、ウエストサイズが大きくなれば、股上の値も大きくなります。
渡り幅は25.5cmで、60年代の505よりかなり小さいです。渡り幅の差は、実際には倍となるため、ダブルネームと比べて7cm、タイプ物と比べて8cmも小さいです。
裾幅もレングスが長いことを考慮したとしても、15.5cmは非常に細い部類です。
まとめ
60年代の505表記ウエスト28インチの渡り幅は、ダブルネームが29cm、タイプ物が29.5cmです。この値は、標準範囲の少し上です。(太め)
現行ジャパンライン505 リンス、表記ウエスト28インチの渡り幅は27cmです。
これらのことから、「60年代の505がスリムフィット、または、スリムストレート」では決してないと言えると思います。
60年代の505は、ストレートで当時としてはかなり強めのテーパードが入れられていたのがシルエットの特徴の一つだと思います。
また、現行モデルと比べると、ヒップは大幅に小さいのに対して、渡り幅はゆとりのあるデザインになっているのがもう一つの特徴です。
505Cを60年代の505と、各部サイズを比べると、505Cはヒップ周りが大きくとられていながら、太ももは細く、裾にかけて絞り込んだシルエットになっているのが特徴であることが分かります。
ヒップを大きくすることで、脚のラインが細いことが強調される効果があると思います。
このようなボトムスのトップ部にボリュームをもたせて、レッグラインの細さを強調・演出するシルエットは、現代的なスリムフィットやスキニージーンズの特徴だと思います。
今回、比較を行って、昔のジーンズと現代のジーンズは、各部のサイズ関係が随分異なることに気づきました。
とても興味深い発見だと思っています。
関連ブログ記事:
[##check## 551ZXX/505 ダブルネームと505タイプ物の比較]
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