アウトシームとは?
501を始めとするジーンズの脚の部分は、一般的に2枚のデニム生地を縫い合わせて作られています。
通常、ジーンズの脚を構成する布の型は、前と後ろに分かれ、脚の内側と外側(左右)で縫い合わされています。
アウトシームは、脚の外側の縫い目部分のことを言います。
[post_ads]
[post_ads]
80年代半ば頃までの501は、伝統的にアウトシームにセルビッジ(耳)があるのが特徴です。
80年頃(79年の終わり頃)から、一部の501でセルビッジに変わって広幅デニムを使用した製品が登場します。広幅デニムの場合、501のアウトシームの処理は、脇割りになります。
86年には、リーバイスに残っていたセルビッジデニム(赤耳デニム)の在庫が尽き、通称赤耳501は生産中止となります。
脇割り501は、80年代の前半から赤耳と並行して製造され、赤耳終了後は全て脇割りとなります。
アウトシームの脇割りが閉じているとは?
新品、またはデッドストックの501で、アウトシームの脇割りが部分的に閉じているものがあります。
特に80年代、90年代の501では、新品時に脇割りが閉じている比率が高いです。
下の画像は、デッドストック80年代の501STFです。
2本ともタグ表記から、1986年製と思われます。80年代は60年代後半と同様に、501の細かい仕様が色々変更になった時期です。
同年代でも、細かいステッチの仕様や色が異なります。両方とも脇割りですが、脇割りの糸の色が左は白、右はオレンジです。
下は、両品の脚の内側を表にしてアウトシームの部分が並んで映るように撮った写真です。
写真上の501は、裾から上までアウトシームが開いています。下は、裾から少し上からすぐに閉じて、膝付近で少し部分的に開いているものの、さらに上は再び閉じています。
脇割りが開いていると、アウトシームのアタリができます。
(アタリがどの程度明瞭にできるかは、生地の種類、穿き方、穿いている期間、取り扱い方によります。)
脇割りの補正を行うタイミングは、デッドストックの場合は、穿き始める前に行うのが望ましいです。デッドストックを下ろして穿き始める場合、大きく分けて、以下のケースが考えられます。
1. 未洗い糊付きの状態でそのまま穿き始める。
2. 糊落としを行う。
3. 洗濯を行う。(自然乾燥)
4. 洗濯を行い、乾燥機を使用する。
脇割りを開くのに最も一般的な手段は、アイロンを使用することです。
1.の場合、穿き始める前にアイロンを使用して、脇割りを開きます。
アイロンは、スチーム機能が付いていればスチームを使用します。スチームがない場合は、霧吹きで湿らせながら、脇割りを開きながらアイロンをかけます。
2. 糊落としの場合は、脇割り部の状態がわかるので、内側を表にして行うことをお勧めします。
水に浸けた状態で、指で閉じている脇割りの箇所を開いてみてください。
指で開くとそのまま綺麗に開いたり、少しクセがあっても閉じた状態より開くようになります。
糊落とし終了後の乾燥は、自然乾燥をお勧めします。乾燥機を使うと、脇割りが再び閉じてしまう可能性が高いです。
裏側(内側が表)の状態のまま、ハンガーにかけます。ハンガーにかけて、形を整えて(シワを伸ばしたりする)干します。形を整える時、脇割り部も指などを使って、できるだけ開いた状態にするようにします。
乾燥中、乾燥時に脇割りが開き気味だと矯正は容易です。
半乾き(水分が十分に残っている)の状態の時に、一旦、ハンガーから外して、アイロンを使用して脇割りを開きます。
乾燥後にアイロンがけを行って脇割りを開くのでも良いのですが、少し濡れた状態の方が生地のクセを取りやすいです。(矯正しやすいです)
3. 洗濯機を使って洗う(糊落としを行う)場合で、脱水は行わない場合、乾燥の仕方は上の糊落としと同じ手順になります。
洗濯機で洗って、脱水を行うと、アウトシームは閉じたままの状態になっている可能性が非常に高いです。
脱水後の濡れた状態で、アイロンがけを行って、アウトシームを開きます。
上に書いたように乾燥後にアイロンがけを行って矯正するよりも、濡れた状態で矯正を行う方がクセを取りやすいです。
アイロンがけを行った後で、そのまま裏返しの状態でハンガーにかけて、自然乾燥させます。
乾燥時の状態・必要に応じて、乾燥後にもう一度、アイロンがけを行います。
4. 乾燥機を使用する場合は、完全に乾かさない程度で取り出して、アイロンがけを行う方がクセをとるのには有効です。
また、米国製501の場合は、縮めたいという強い希望がない場合は、乾燥機を使用しない方がお勧めです。
アイロンがけを行わずにアウトシームを開くやり方もあります。
やり方は、バスタブなどを使用して、内側を表の状態で、閉じているアウトシームを水を少し付けて指で開いていく方法です。
手間はかかるのですが、クセを取る効果は(非常に)高いです。この方法の場合、一回で矯正できる場合もあります。
ヴィンテージの場合は、この方法がお勧めです。詳しいやり方は、以下のブログ記事をご参照ください。
[##check## 入手したヴィンテージ501の耳が閉じていた場合の補正法]
[##check## アウトシームが部分的に閉じていた501XXの洗濯]
[##check## アウトシーム閉じの補正、洗濯後の501XX]
特に80年代、90年代の501では、新品時に脇割りが閉じている比率が高いです。
下の画像は、デッドストック80年代の501STFです。
2本ともタグ表記から、1986年製と思われます。80年代は60年代後半と同様に、501の細かい仕様が色々変更になった時期です。
同年代でも、細かいステッチの仕様や色が異なります。両方とも脇割りですが、脇割りの糸の色が左は白、右はオレンジです。
下は、両品の脚の内側を表にしてアウトシームの部分が並んで映るように撮った写真です。
写真上の501は、裾から上までアウトシームが開いています。下は、裾から少し上からすぐに閉じて、膝付近で少し部分的に開いているものの、さらに上は再び閉じています。
脇割りが開いていると、アウトシームのアタリができます。
(アタリがどの程度明瞭にできるかは、生地の種類、穿き方、穿いている期間、取り扱い方によります。)
アウトシームの脇割りが閉じていた場合の補正
脇割りの補正を行うタイミングは、デッドストックの場合は、穿き始める前に行うのが望ましいです。デッドストックを下ろして穿き始める場合、大きく分けて、以下のケースが考えられます。
1. 未洗い糊付きの状態でそのまま穿き始める。
2. 糊落としを行う。
3. 洗濯を行う。(自然乾燥)
4. 洗濯を行い、乾燥機を使用する。
脇割りを開くのに最も一般的な手段は、アイロンを使用することです。
1.の場合、穿き始める前にアイロンを使用して、脇割りを開きます。
アイロンは、スチーム機能が付いていればスチームを使用します。スチームがない場合は、霧吹きで湿らせながら、脇割りを開きながらアイロンをかけます。
2. 糊落としの場合は、脇割り部の状態がわかるので、内側を表にして行うことをお勧めします。
水に浸けた状態で、指で閉じている脇割りの箇所を開いてみてください。
指で開くとそのまま綺麗に開いたり、少しクセがあっても閉じた状態より開くようになります。
糊落とし終了後の乾燥は、自然乾燥をお勧めします。乾燥機を使うと、脇割りが再び閉じてしまう可能性が高いです。
裏側(内側が表)の状態のまま、ハンガーにかけます。ハンガーにかけて、形を整えて(シワを伸ばしたりする)干します。形を整える時、脇割り部も指などを使って、できるだけ開いた状態にするようにします。
乾燥中、乾燥時に脇割りが開き気味だと矯正は容易です。
半乾き(水分が十分に残っている)の状態の時に、一旦、ハンガーから外して、アイロンを使用して脇割りを開きます。
乾燥後にアイロンがけを行って脇割りを開くのでも良いのですが、少し濡れた状態の方が生地のクセを取りやすいです。(矯正しやすいです)
3. 洗濯機を使って洗う(糊落としを行う)場合で、脱水は行わない場合、乾燥の仕方は上の糊落としと同じ手順になります。
洗濯機で洗って、脱水を行うと、アウトシームは閉じたままの状態になっている可能性が非常に高いです。
脱水後の濡れた状態で、アイロンがけを行って、アウトシームを開きます。
上に書いたように乾燥後にアイロンがけを行って矯正するよりも、濡れた状態で矯正を行う方がクセを取りやすいです。
アイロンがけを行った後で、そのまま裏返しの状態でハンガーにかけて、自然乾燥させます。
乾燥時の状態・必要に応じて、乾燥後にもう一度、アイロンがけを行います。
4. 乾燥機を使用する場合は、完全に乾かさない程度で取り出して、アイロンがけを行う方がクセをとるのには有効です。
また、米国製501の場合は、縮めたいという強い希望がない場合は、乾燥機を使用しない方がお勧めです。
- [message]
- ##hand-o-right## 備考
- 生地に付いた折癖は、簡単には取れません。癖のつき方の強弱にもよりますが、通常、アイロンをかけて一旦、開いても穿いているうちに閉じてしまうことも少なくありません。クセを取るのは、濡れた段階で補正されている方が効果的です。また、通常、その後の洗濯時にもアウトシームの状態をチェックして、必要に応じて、矯正作業が必要となります。最初の数回の洗濯時には、毎回作業が必要となることが多いです。
- [message]
- ##exclamation-triangle## 備考2
- アウトシームのアタリの生成は、生地に色が残っている状態からアウトシームが開いていることが重要です。新品時であれば、せっかくなのでアウトシームは、開いておく方がお勧めです。ユーズドである程度色落ちが進行している場合は、アウトシームを開くように補正しても、生地の色残りの状態によりますが、あまり効果は得られないこともあると思います。(矯正しても期待するほど効果は得られないので)色残りの状態によっては、そのままで穿くのも一案です。
アイロンがけを行わずに矯正する方法
アイロンがけを行わずにアウトシームを開くやり方もあります。
やり方は、バスタブなどを使用して、内側を表の状態で、閉じているアウトシームを水を少し付けて指で開いていく方法です。
手間はかかるのですが、クセを取る効果は(非常に)高いです。この方法の場合、一回で矯正できる場合もあります。
ヴィンテージの場合は、この方法がお勧めです。詳しいやり方は、以下のブログ記事をご参照ください。
[##check## 入手したヴィンテージ501の耳が閉じていた場合の補正法]
[##check## アウトシームが部分的に閉じていた501XXの洗濯]
[##check## アウトシーム閉じの補正、洗濯後の501XX]
COMMENTS